ユタ様にお会いすることができました。


ユタ様とは、奄美大島に昔から受け継がれているユタ神様につながることができる霊媒師です。シャーマンですね。


家内安全、商売繁盛などのご祈祷を神社でするとか、寺の住職に悩みごとを相談するとか、引越しの日取りを占い師に相談するとかありますよね、そんなとき奄美ではユタ様にお願いする風習があります。


ユタ様は生まれた時から霊能力を持っていて、先祖代々霊媒師をつとめる家があります。


祈祷をしたり占いをしたりして霊媒師として生計をたてている人以外にも、霊感が強いという人まで含めれば、かなりの数の能力者が島にいると思います。


島出身の私の叔母もその能力があって、私の急病や初めの妊娠の兆しを言い当てられたりしました。


子どもころから叔母や親戚や両親から、話に聞いていたユタ様に、偶然お会いすることができました。


本当に偶然です。

Sちゃんが「ちょっと寄りたいところがあるんだけどいい?」と言って車を停めたのは、ハブセンターでした。





昭和のころ奄美大島観光の名物として、ハブとマングースの闘いをショーをして見せていたあのハブセンターです。


ハブは嫌い。怖い。でも蛇って神様だそうですね。

まじまじとみてみると、なんか大島紬の古典柄に似てるような。関係あるのかなぁ。




Sちゃんがセンターの館長さんと親しくて、いつから島に来てるの?会えて嬉しいよーなんて盛り上がってるなかで

「今からここで、年に一度のご祈祷をするから、よかったら見ていく?」

と、ご祈祷に立ちあわせていただくことになりました。


普通に観光しているだけならありえない展開。顔が広いSちゃんに、感謝〜✨



祈祷というので神社の神職さんがくるのかと思ったら、やってきたのはユタ様!


目の前に、私にとってイメージでしかなかったユタ様がユタの装束をまとって現れました。


聞けば86歳だという女性。凛とした風格が漂うユタ様からは、スピリチュアルな世界に興味がない私でもオーラを感じます。


入り口正面に祭壇(簡易なテーブル)が設けられていて、お酒や塩などの供え物が置かれています。


祭壇の前でユタ様が式紙の采配を振って、、、、なんていうのかな、祈祷?っていっていいのかな、祈りの言葉。


天照大神とか、なんとかのミコトとか「かしこみ、かしこみ…」って。会社の安泰とか社員の幸せを「願い奉ります」とか、そんな言葉が聞こえてきます。


ただ居合わせただけなのに、一緒に柏手を打って頭を下げて、私の頭の上でもサラサラと式紙の采配を振ってくれました。

ありがたい気持ちになりました。

ユタ様が念を込めた塩を入り口から順に建物の中に振り、あたりを清めて祈祷が終わりました。

終わってから、ユタ様と少しお話ししました。失礼かなと思いながらも恐る恐る
「一緒に写真を撮らせてもらってもいいですか?」とお願いしてみました。

そしたら
「それは良くないわ!こんな綺麗な人と写真なんて!」
「え、、、驚き」と、一瞬断られたのかと思ったら、
「ここでいいのかしら?」
と柔かに笑ってくださいました。

なんともチャーミングなユタ様!
ありがたくツーショットで撮らせていただきました。





島ツウのSちゃんもユタ様に会うのは初めてらしく、こんなご縁めったにない!と大喜びで、「個人的なことをみてほしいのですが、お時間ありませんか?」とお願いをしていました。

Sちゃんは私たちが帰ったあと、もう一泊多く滞在するので、時間が取れると返事をもらえました。

後日、ユタ様のお話はどうだった?とSちゃんに聞いてみると、「とってもホッとした」と言っていました。

迷っていたことについては、そのままで大丈夫だと言ってもらえたそうです。70歳まで今の仕事を続けられるし、将来は島でのんびりと楽しく暮らせるとか。Sちゃんが夢見ている将来について、ユタ様に叶うよって言ってもらえたそうです。


私はスピリチュアルな世界は苦手です。
特にユタ神様は、島生まれの両親や親戚からずっと聞かされてきた存在なので、島の血を引く私にはとても存在感があります。

だからユタ様にみてもらうのは怖い。
ユタ様のお話のとおりに自分の将来が向かいそうな気がするのです。

将来どうなるのかは知りたくないです。
私は、その時々で自分で決めたいのです。

だから、スピリチュアルな話は苦手です。
否定するのではなく、苦手なのです。

でも、島の信仰は素敵だと思います。
悩んだとき迷ったとき、ユタ様に相談して勇気をもらう。島の人たちは昔からそうやってユタ神様を信仰してきたんだなぁ。

子どもの頃から話に聞いていた通りの出来事を目の前で見ることができました。

やっぱりこの島は神秘的です。