あの日あの時の選択 妻寝息
映画ブルックリンを見ました。面白かったです。あらすじは下記の通りですが、私の感想は一言で言えば上の川柳です。
人生の分岐点での選択。誰にでもあることです。その時の選択が良かったか悪かったかはその時点ではわかりません。その後もわかりません。選択されなかったほうはどんなに化けていったか未定だからです。
女性にとって結婚相手の選択は大きいです。正解だったときっぱりいえる人は何割いることでしょう?はっきりダメだったという人と、このくらいかなぁーと、言う人が多いのではないでしょうか?
このくらいかなぁーというセリフの中に、愛がちらほら見え隠れしたいですね。
エイリシュはアイルランドのとある田舎町の食品店で働きながら、母と姉と三人で暮らしていました。妹のキャリアを心配した会計士の姉は、エイリシュにアメリカへ出稼ぎに行くことを勧めます。当時のアメリカは、アイルランドの人々にとって、夢の新天地だったのです。
姉からの紹介で、ブルックリンのデパート・ガールの職を得たエイリシュは、単身アメリカに向かいます。船旅で出会った女性に助けられながらもブルックリンにたどり着いた彼女でしたが、暮らし始めた寮の都会的な女性たちや、デパートの同僚たちに囲まれる生活の中で、彼女は委縮し自信を無くしてしまうのです。
故郷を懐かしみ、ホームシックに悩む彼女を心配した後見人の神父は、彼女にブルックリン大学の会計士コースを受講することを勧めます。学ぶ喜びを得た彼女は、少しずつ以前のような笑顔を取り戻していきます。
そんなある夜、エイリシュは寮の友人に誘われた移民たちの集まるナイトパーティーで、イタリア系移民のトニーに出会います。エイリシュに一目で心奪われた彼は、毎日職場や学校へ送り迎えにやってくるようになりました。
明るく社交的で家族思いのトニーの笑顔に惹かれるエイリシュは、彼からの交際の申し込みを受け容れ、楽しい日々を送り始めます。仕事にも慣れ、厳しい上司から接客態度を褒められるまでになった彼女は、ファッションやメイクも覚え、気付けば洗練されたニューヨーカーになっていたのでした。
しかし、トニーからの求婚を受け容れた矢先、彼女のもとに、故郷からの手紙が届きます。それは母からのもので、大好きな姉が病床にふけっているというものでした。
急いで帰国するも、姉はあっけなく亡くなってしまい、エイリシュは悲嘆に暮れます。悲しむ彼女の気分を晴らそうと、故郷の友人はあちこち連れ出します。トニーからの手紙やブルックリンでの仕事を心配していた彼女でしたが、姉を亡くしひとりになってしまった母の元をあっさりと去るわけにもいかず、滞在は長引いていきます。
そんな日々の中、地元の名士の息子で紳士的なジムとの仲が急速に進展します。トニーとは真逆な、静かな彼に癒しを感じる彼女に、母親もジムとの結婚を勧めます。
トニーとの仲をなかなか言い出せない彼女に、ジムは求婚します。
悩む彼女でしたが、姉からの言葉を思い出し、アメリカへ帰る船に乗ります。そこで彼女は以前の自分と同じような、田舎の空気をまとった女の子と出会います。
「どうどうと船を降りるのよ。」
そうアドバイスした彼女の背中は、以前エイリシュが憧れた都会の強い女性そのものでした。
