主人は食事中、私の方が圧倒的に冷蔵庫に近いのに、「ドレッシング取って」とか「お茶取って」とかいうことを私には決して言わず、自分で黙って取りに行きます。
主人は昔からそうでした。自立心の高い人なので、こういうことを人に頼んではならないと自分を律しているかもしれないと思い、「何かいるものがあれば、私が取るから声をかけてくれたらいいよ」と伝えました。
家族なんだから、それくらい気楽に頼んでよ、そんな広い心で提案した私に対し、なんと主人は「嫌だ」と言います。
無口な主人が珍しく、ここで長々と説明を始めました。
「ちょっとビール取って、とゆきんこに頼んでも、そのビールじゃない、今日はあっちが飲みたい、などと定期的に齟齬が生じるだろう。
また冷蔵庫に置いてある位置によってビールの冷え方も違うので、今日はキンキンのやつ、今日は普通のやつ、とその時々でどの冷え加減のビールを飲むかは自分で決めたい。
ドレッシングもそうだ。玉ねぎのやつ、緑のキャップのやつ、にんにくのやつ、と頭で考えて指定するよりも、自分の目で見て直感的に『今日はこれ』と選ぶ方が都合が良い。
ドレッシングは複数本、お茶ポットも配膳時に早々に、事前に出しておけば解決すると言うが、そうするとボトルが結露してテーブルが濡れる、あれが嫌だ。
ギリギリまで待って、今だというタイミングで自分で取りに行くほうが、余計なストレスが無いのだ。」
主張は分かった。細かいねえ。と、その話を聞いた数日後の朝食時、今度は7歳の息子が言いました。
「お母さん、パンの焼き具合は自分で調整したいから、お母さんは何もしないで。」
なんと私は、夫にも息子にも拒否されたようです。
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