7歳の息子がゴミを捨てた時のことです。
そのゴミは、購入した計算ドリルについていた、B5サイズのシール台紙でした。
シールを全て貼り終わったので息子が台紙を捨てるとなった時、ゴミ箱に入れる前のそれを、彼はぐちゃぐちゃに丸めました。
私はふと息子に聞きました。「その台紙、どうして今、丸めたの?」と。
息子はこう返しました。「そりゃあ、捨てる時に場所を取らないように小さくしようと思ったからだよ」。
そこで私は言いました。「場所を取らずに捨てたければ、こうした方が小さくなると思わない?」
そうして彼の目の前で、ぐちゃぐちゃに丸められた台紙を開き、一、二度畳んで見せました。
ぐちゃぐちゃに丸めたときよりも遙かにコンパクトになったゴミの様子を見て、息子は「本当だね!」と驚いた顔をしました。
なんならわざわざ畳まずとも、丸めずとも、折り目の無いそのままのまっすぐな状態でゴミ箱の端にストンと入れた方が、よほど場所を取らないよね、という会話を私は息子としたのであります。
この時彼にも言いましたが、私は息子に「ゴミをぐちゃぐちゃに丸めるな」と言いたかったわけではありません。
「人はどうして、ゴミを捨てるというとき、そのゴミをあえてぐちゃぐちゃにするんだろう」
私はこの、人間がゴミを捨てる時についやってしまう無意識的行為について、ぼんやりと抱いていた疑問をここで息子と共有し、なんだか不思議な気がするねと親子で雑談したかっただけでした。
私は財布に溜まったレシートを捨てるという時、まっすぐなそのままでゴミ箱に入れた方が嵩は増えないはずなのに、ついついぐちゃぐちゃに丸めてから捨ててしまいます。
そのゴミが小さなものであればあるほどそうで、わざわざぐちゃぐちゃっと丸めて、自分の手の中でその存在を確かめてから、ゴミ箱に入れる傾向があります。
スーパーでの買い出しリストを書いたメモ紙や、ティッシュなんかもそうです。
まだ平らな部分を残した紙類、そのままストンと、またはフワッとゴミ箱に入れた方が場所は取らないのに、わざわざ丸めてかさばる形にしてから捨てる、あれは一体なぜだろうかと考えます。
遠くのゴミ箱へポンと放り投げて入れたければボール状にした方が捨てやすいでしょうが、私はゴミを投げて捨てることはありません。
人にはもしかすると、「ゴミとはぐちゃぐちゃであるべきだ」という思いがあるのかもしれません。
ゴミは汚くあるべきだと人は無意識に思っていて「綺麗なゴミ」に違和感を感じるから、わざわざ汚くしてから捨てるのではないかということです。
整った形をわざわざ崩し、ぐちゃぐちゃに丸めてからの方が安心してそれをゴミとして捨てられる。
もし人間にそういう心理があるのだとしたら、逆に綺麗なゴミは綺麗なまま、丸めてぐちゃぐちゃになどせずにゴミ箱へ持って行くようにしてみたら、それをそのまま捨てることにためらいが生まれるかもしれません。
半分に千切れた折り紙なんかも、ぐちゃぐちゃに丸めたりせず平らなままゴミ箱へ持って行けば、これってゴミじゃなくて資源だよねと捨てる前に思いなおして、リサイクルへ回せるようになるかもしれません。
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