私の夫は無口です。基本的に私へ文句を言いません。
何か不満があっても黙って自分で対処する人ですから、そんな夫が私に何かを訴える時は余程の事であると私も理解しています。
無口な夫ですが、考えていることは大体わかります。
最近であれば恐らく夫は、このように思っていたはずです。
「細切りされたニンジンやシイタケが、随分前から冷凍庫内で眠っている。邪魔だなあ。古びていくだけなのに、ゆきんこはどうしてさっさと使わないんだろう。」
最近夫は冷凍庫の物をゴソゴソと動かしていることが多くありました。タッパーが邪魔して冷凍庫の扉が閉まらないから、中の置き方を変えてみている様子が伺えました。
しかし夫は言いません。「ゆきんこ、早くこの凍った野菜使いなよ」なんて、言いません。
そこで夫はどうしたかと言うと、凍った野菜の入ったタッパーを、黙って庫内から引っ張り出しました。
湯を沸かし、そこへ鶏がらスープの素を入れ、沸騰したところで凍った細切り野菜を丸っとぶっこみました。
醤油や塩コショウ等で味付けし、火が通ったら溶き卵を回し入れ、胡麻を散らせば完成したのが美味しそうな中華スープです。
冷凍庫から彼がタッパーを出してから、僅か5分で完成しました。
5分で作れるんだからお前作れよ、なんて夫は言いません。ただ黙々と、夫は自分でそれを作ります。
私は野菜を細切りした時点で自分の役割は果たしたと思っていました。とりあえず凍らせれば腐らない。
しかし大切なのはそこからで、冷凍焼けしない内にその野菜を料理で美味しく使ってこそ、家事というのは完成します。
完成を見ない、自己満足な家事を続ける妻の私に文句を言わない夫は素晴らしい人間です。
卵パックを切り刻む暇があったらこの冷凍肉で一品でも作りなよ、なんて夫が言わないからこそ私は、私のやり方でストレス無く、せっせと家計を守っていられます。
★ランキング参加中★
※現在コメント返信お休み中です。ご了承ください。リブログ等、ご自由にどうぞ('◇')ゞ