私には結婚前から思っていたことがありまして、夫婦やカップルで重要なのは「好きなことが同じかどうか」よりも、「嫌いなことが同じかどうか」のほうが圧倒的に重要です。

 

たとえば私が嫌いなことは、レストランで食べ切れないほどの量を注文することや、店員さんに横柄な態度を取ることや、親しい人に荒い口調で喋ることなどがありますが、このあたりは私同様に、主人も嫌いなことです。ですから主人と過ごしていても、生活の中で私が嫌いなことが発生する場面は無く、ストレスもありません。

 

 

私は過去に「この人とは絶対に結婚できない」と思った人がいます。その人は私が昔一人暮らししていた時、屋外でも使うギターケースを、私が毎日寝ている布団の上に平気で置く人でした。

 

私は外出時に着た服や、お風呂に入る前の身体で布団に入るのが大嫌いです。

地面のどこにでも置くギターケースを初めて布団に置かれた時、私は非常にイライラしました。布団が汚れる!シーツが汚れる!やめてくれ!と思いましたがそんな荒れた気持ちはおくびにも出さず、布団カバーが汚れると洗うのが大変だから置かないでくれたら嬉しいな、と優しくお願いしました。

 

そこでたとえ理解はできずとも、そういう人もいるんだね、分かったよ、と言ってくれる人なら良かったのですが、その男性は違いました。

 

俺が大切にするギターを汚いモノ扱いするとは何事か!と、口には出しませんが不満タラタラの顔をして、無言でギターケースを布団から下ろしました。

 

一時が万事その調子で、その男性は汗をかいた服で私の布団に転がろうが、洗わないままの頭を私の枕に乗せようがどうでも良かったらしく、寝転がりたきゃ自分の枕でも持ってこい!と私は内心、度々イライラしていました。

 

汚れた服で布団に入ることが「良いか悪いか」はどうでもいいのです。大事なのは「好きか嫌いか」で、私はそれが「嫌い」。そしてその人は「どちらでもいい」ではなく積極的に転がろうとする、おそらくはそうする方が楽チンで「好き」なのでしょう。

 

これはダメだと思いじきに別れましたが、「嫌いなこと」が一致しない相手と生活を共にするストレスがこんなにも大きいということを、私はその時思い知りました。

 

 

今の主人と私とは「好きなこと」が全く違います。主人はアウトドア派、私はインドア派。得意なことも違いますし、服の好みも、お金の使い方だって違います。

 

しかし嫌いなことは大体一致しているので、どういう時に子を叱るかなどに置いても大きな相違はありません。

食事中は姿勢を伸ばせ、寄せ箸をするな、と主人が子を叱っていても、私は「そんなにうるさく言ったら子が可哀想」とは思いません。何が悪いことかという点で夫婦の意見が一致している為、子が迷うことも無いでしょう。

 

 

好きなことは各々違います。家族であるからといって同じことを楽しむ必要はなく、それぞれが楽しいと思うことをやればいいのです。自分が楽しいからといって相手も楽しいとは限りません。そのあたりの「相手の嫌いなこと」を尊重できるかどうかが大事です。

 

「自分がして欲しいことを相手にもしてあげなさい」というのは半分誤りで、正しいのは、「自分がされて嫌なことは相手にもしないようにしなさい」の方ではないでしょうか。

私がして欲しいことが実は、相手にとってはして欲しくないことかもしれません。して欲しくないことをしないでいてくれる人こそ、ストレス無く共にいられる人なのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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