「結婚したい」


交際から3ヶ月経った頃、彼にそう言われたがまだYESとは言えなかった。
私の中で踏み切れない何かがあったのは事実だ。
まだ、彼のことを知らない。
もっと、彼のことを知りたい。



「あなたと結婚はしたいと思っている」
「お互いまだ分からない部分もある」
「もっと知りたい。だから、結婚を前提に付き合おう」


と言った。
これは嘘偽りない私の本当の気持ち。


私も20代半ばだ。
決して、彼と遊びで付き合っている訳ではない。


あなたと真剣に将来を考えたいと思ったから、11も離れた年の差の事なんて関係なく付き合った。


あなたの事を好きではなかったら、まず第一に年の差が壁となって、そもそも付き合ってなどいない。年齢を最初に聞いた時点で、恋愛対象外であったに違いない。
私は彼の内面も含めて素敵だと思えたから、こうして付き合っている。
私たちにはまだ時間が必要だ。
と真剣に伝えた。


黙って聞いていた彼は、その時どう思ったのだろうか。




ある日の休日。
テニスの試合中に、彼が怪我をした。


過去のテニスで一度傷めていた箇所が、今回の怪我で取り返しのつかない事になった。


即入院、手術となり仕事を休まなければならなくなった。
彼が主体となって動いていたプロジェクトが白紙になった。