せりかです。
久しぶりに読書感想文です。笑
ナミヤ雑貨店の奇跡、映画化もされてたので
いつか読みたいと思っていました。
さて、ざっくりあらすじをかくと
盗んだ車が古すぎて、ある3人組の少年は車を捨て、住宅街のとある古びた民家に入る。
足がつかないように朝まで不審な行動を取るのはやめよう!リーダー格のお兄ちゃんがコンビニなどでの食料の買い出しを禁止、籠城?を決め込むと、ひょんなことから封筒がポストに投函される手紙を発見する。
あけてみると、オリンピック出場権をかけた女性が余命わずかな恋人の看病と練習とどちらに注力したらいいだろうか…という悩みが書かれているではないか。開けちゃったし…って変な義理から回答をする3人との奇妙なやりとりが開始された。
実は彼女が出場しようとしているオリンピックとは今度の東京五輪でもなんでもなく、1980年のモスクワオリンピック出場の時代だと判明するのであった。
不躾に、あんたは馬鹿です、なんて書くところがちょっと笑っちゃうけど、私は東野さんの書くファンタジーな話も好きなんだなぁ…
ちょっとこころが温かくなる感じ。
ミュージシャン目指して挫折するお兄さんの2話目も、少しひねりがきいていて、叶わぬ夢がこんな形で叶ったのかーって(ネタバレになるので詳細もろとも避けますが)気持ちは受け継がれるんだなぁ…(感想が陳腐🤣)
オムニバスになっているから、時間がなくてもキリがよく読めるのがまた素敵。
そして、登場人物がすこーしずつ繋がっていくから読み進めたくなる。
プラチナデータみたいな最先端の技術の行く末をかく時もあるし、こういう話を書かれる時もあるし。
やっぱり読みいっちゃいます。
そして最後はほっこりする。
家族や人との繋がりを大切にする作家さんだなって思います。
すっかりあらすじを忘れた手紙もそんな温かい印象だけが残るので、また読みたいと思います😊
好きな一節
人と人との繋がりが切れるのは、何か具体的な理由があるからじゃない。いや、見かけ上はあるとしても、それはすでに心が切れてしまったから生じることで、後からこじつけた言い訳みたいなものではないか。なぜなら心が離れていなければ、繋がりが切れそうな事態が起きた時、誰かが修復しようとするはずだからだ。それをしないのは、すでに繋がりが切れているからなのだ。
(夜逃げを親から実行すると言われた少年が映画レットイットビーを見た時の感想。)
虚無感にも似て、なんとも切ないけれど。壊したくない関係性で、修復したいなら、自分が時には折れてでも早く動き出すべきですなぁ…