山頂で救助ヘリコプターを見た時は


びっくりしました。


何があったのか、その方の安否はどうなのか

とても気になりました。




ただ、崖などはなくなだらかな斜面であり

滑落などの大事故が起きたわけではないこと


すぐにヘリコプターが去ったことからも

救助がスムーズに行われたことは


何となく想像していました。




軽傷だといいなぁと、
考えていました。



雲が出てきて、山肌に影を落としていました。








もし私が同じように救助されることになったら
もう二度と山には登りたくないと思うのかなぁ。




答えが出ないと知りながらも


ぐるぐると考えていました。



平標の家を通りすぎた後は、ひたすら階段を下っていきました。


段差の少ない階段はとても降りやすく、テンポ良く進んでいると、後ろからもっとテンポの良い足音が聞こえてきました。

道を譲ろうと端に移動してその方が通りすぎるのを待っていると


追い越し様に声をかけられました。





『気を付けてね!』


ありがとうございます!と返すと

『さっきのヘリコプター見た?あれ、うちの⚪⚪!』


思わずえーっ!と声を出して驚く私に

『骨折!これくらいの段差で』と片手で示した高さはわずか10cmほど。


さらに驚くとともに、命に別状はなしと分かりほっとしたのも事実です。




『本当に気を付けてね!』

最後にその方がかけてくれた言葉は
心の底からのメッセージに聞こえました。

常に何が起こるか分からない恐さは
感じているつもりでしたが

目と鼻の先で起きた事故、
さらに身内の方の話を聞いたことで
ますます現実味が増しました。


その後、いつもより一歩一歩慎重に下っていきました。

山道を下り終え、駐車場までの平坦な道のりがあまりにも長くてつまらなかったこともあり

私だったら…と悶々と考えずにはいられませんでした。

そしてその答えはまだ出ないままです。


怪我をされた方が早く回復されることを願います。