「言ってはいけない中国の真実」橘玲
■中国の社会には信用という資源が枯渇しているということだ。その理由はものすごく単純だ。人があまりにも多いのだ。
■水田というのは農業における巨大なイノベーションで、養育可能な人口を一挙に増やした。アジアの人口が多いのは、稲作によってたくさんの子供を育てることができる豊かな社会だからだ。
■システム化(工業化)によって生産力を増大させる産業革命industrial revolutionに対して、日本では豊富な人口を活用した労働集約型の金言革命industrious revolutionが起きたのだ。
■江戸時代は余剰人口を、年という蟻地獄で処理することで、外見上は定常状態を維持できたのだ。
■人口が多く流動性の高い社会で生きていくには、人的ネットワークを張り巡らせて情報を集め、少しでも有利な場所にライバルに先んじて移動し、宗族のような共同体を利用して暮らしを立てるのが最も効率的な生き残り戦略なのだ。
■朋友やその家族が訪れた時は、自分ができる最高のもてなしをする。自分の思いが今も変わらないという友の証なのだ。
■幇は自己人(ズージーレン)ともいい、最も根源的な人間関係だ。家族同様それ以上に絶対的な信頼を置く。
■中国人の行動文法では、裏切ることで得をする機会を得た時に、それを躊躇なく実行することを道徳的な悪とは考えない。
■中国ではグワンシのある人から依頼されれば会社のルールはあっさり無視されてしまう。
■朋友の依頼を断ればグワンシという社会資本を失い生きていくことができなくなってしまう。
■社員の転職を祝福すれば、会社を離れてからもグワンシは続く。
■組織ではなく、個人単位で物事を考えるから、競争や信賞必要罰に抵抗がない。考え方が論理的で納得できないことには従わないから、上司は全てを理詰めで説明しなければならない。
■器が小さい、細かな規則が多すぎる、無意味な残業を強制させ得られる、根回しのような暗黙のルールがある、年功序列で昇進昇格のキャリアアップが遅い、日本人は終身雇用だが中国人には雇用の保証がないなどの不満がある。
■経済政策に対して、地方政府は中央政府から独立して意思決定をする。
■地方政府自らが投資を促し、銀行に融資を強要し、株を保有する。
■垂直分裂型、開発から販売までの間に様々な企業が関与する。
■最適戦略は、成功しているビジネスモデルをそのままコピーし、法やルールを無視しても商品やサービスの価格を下げてライバルを駆逐することなのだ。
■中国全体の地下総額は5054兆円で、GDPの6.6バイになる。バブル最盛期の日本の地下総額は2136兆円に達し、当時GDPの4.4倍出会った。それと比較しても中国の不動産バブルは以上で、人類最上最大と形容されるのも無理はない。
■都市と田舎の間には数世紀の開きがある。
■農民から重税を取り立てるのは税金で生活する役人、公務員の数が多すぎるからだ。
■賄賂のような経済犯罪で死刑になるような国は中国以外にはほとんどない。
■腐敗の原因は、端的に公務員の給料が安すぎることだ。
■アジアだけではなく、アメリカのサブプライムバブル崩壊も、ヨーロッパの不動産バブル崩壊も全ては人口動態の変化という長期の波の上で踊らされたダンス
■日本の生産人口比が最大2.3倍になったのはバブル崩壊の年の1990年。アメリカは07年2.0倍でサブプライムバブルが崩壊した年だ。
■2020年、人類史上最大のバブルが崩壊する。
■中国の経済発展は、インフラへの大規模な投資で不動産の付加価値を上げることによってもたらされた。この成功体験を海外に輸出すべく、世界中でインフラ投資を行っている。
■中国の台頭が強国主義との批判を受けるのは、ソフトパワー(文化)を欠いたままハードパワー(経済援助と軍事力)で国威を示そうとするからだ。
□語り口はいつも鋭いが、結構信憑性がちゃんとあると思っているので、この人の読む本はそこそこ好きです。
□2020年はどうなるこっちゃ。
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