art business | ミュージシャンとビジネスマンのパラレルライフ

ミュージシャンとビジネスマンのパラレルライフ

外資ITで広告プロダクト担当をしながら、ミュージシャンとして音源リリースやライブを15年続けています。

「現代アートビジネス」小山登美夫


■通常現代アートの展覧会で作品が売れた場合、代金の半分がギャラリーの売上となります。
■考えてみれば、「良い作品」だけが売れるというのもおかしな話です。アート以外の分野の売買でも、良い品物だけが売れるわけではありません。安いものや粗悪なモノだって買う人はいますし、売れるわけです。そう考えればどんな作品でも何らかの理由で売れるし、またそれが現実なのです。
■「よい作品なのに売れない」というアート関係者は多いですが、「良い・悪い」「好き・嫌い」と「売れる・売れない」は全く別の話なのです。つまり、どんな作品でも交換が成り立てばマーケットが出来、お金の流れが生まれる。
■作品が、美術館というパブリックな場所で展示されたり収蔵されたりすることは、マーケとを大きく左右します。アーティストにとっても作品にとってもプラスです。もちろんギャラリストにとってもです。
■これからはプレスと同様に、ギャラリーでもアートを歴史化するアーカイブ構築が必要となってくるでしょう。作品がマーケットに定着することで歴史が作られますが、逆にマーケットを作ることもあるのです。
■確かにギャラリーはアーティストにとって収入を得る場所になります。でもアーティストとはそもそも職業なのでしょうか?何かもっと大きなものに向かって表現している人であって欲しいです。展覧会によっては、作品を売ることが出来ずアーティストもギャラリーも収入がないこともあります。でも、それが自分にとって大事な作品ならば続けることです。時代が追いつくこともある、ということです。
■村上隆さんの真似をしてはいけません。並みのアーティストが下手にまねを仕様としたら危険極まりない。彼にしか超えられないリスクを負って活動していますから、そんなことをしたら大怪我してしまうだけです。彼ほどの完璧主義で、しつこくて、妥協が出来なくて、反骨精神が剥き出しの人はいません。村上さんのことを「戦略的なアーティスト」という人がいますが、戦略といっても短期的なものではありません。日本/西欧の歴史を考えた上での、死に物狂いの戦略なのです。
■ダミアン・ハーストは一貫して「生と死」というテーマを扱いながらも、鮫や牛、羊を切断してホルマリン漬けにした作品から、分かりやすい8番ドットや蝶々といった、似たようなイメージを出し続ける方法へとプレゼンテーションの仕方を変えました。
■特にアメリカでは、批評にプロテスタンティズムのような「高潔さ」が求められて、非常に判断が公平で信頼できます。その信頼できる評価が、アーティストや作品を価値付け、マーケットの動向も左右します。「いい・悪い」の評価が影響を与えるマーケットというのは、ある意味、とても健全だといえるのではないのでしょうか。


□読んで損は全くありません。と思います。



現代アートビジネス (アスキー新書 61)/小山 登美夫

¥780
Amazon.co.jp