2日連続のお出かけ。ガイド仲間のTさんに誘っていただき、草間彌生美術館へ。
その前に、午前中はTOKYO TOILET PROJECTの、デザイナーズトイレを探訪する。渋谷区の17ヶ所で、トイレが生まれ変わっている。
恵比寿で待ち合わせ。駅近に4つのトイレがある。まずは佐藤可士和。2021年「WHITE」
前から見ていたけど、トイレだとは思わなかった!多方向から入り口がありましたが、これだと、どこに並んで良いかわからないね。
アーティストコメント
「清潔」「安心」恵比寿野駅前交番横のトイレは、毎日見る駅前店のシンボルとして、極端に目立ち過ぎない方が良いと考えました。入りやすく、使いやすく一歩引いた清潔な佇まい。恵比寿駅を利用する人々の気持ちが、少し明るく、清々しくなるように。トイレとして「当たり前な配慮」のひとつひとつに向き合ってデザインした「真っ白なトイレ」です。
コメント読んで、納得です!素敵!
駅から7分。
片山正道 「Wonderwall®️」
コンクリートには、木目が浮き彫りになっている。どおやって、つくるのかな?!
アーティストコメント→念頭に置いたのは、建築的なものから距離を置き、遊具やベンチや樹木の用に何気なく公園にたたずむオブジェクトとしての在り方。日本におけるトイレの起源は川に直接用便する「川屋」(厠の語源)と呼ばれるもので、縄文時代早期に遡る。土で固められたもの、木材を結び付けて作ったものなど極めてプリミティブで質素であった。そんな佇まいをイメージしながらコンクリートでできたカバーを15枚いたずらに組み合わせ、トイレでありオブジェクトでもある"曖昧な領域-現代の川屋(厠)"を構築。壁と壁の間を男性用/女性用/ユニバーサル•トイレという3つの空間 の導入とするなど、人々が不思議な遊具と戯れるような、ユニークな関係性をデザインした。
少し戻ってきて線路の脇の小さい三角のスペースに、鮮やかな色のトイレ。田村奈穂。「TRIANGLE」上手にデザインしたものだ!朱色が綺麗。
アーティストコメント→抜粋
年齢や性アイデンティティ、国籍屋宗教、肌の色に関係なく、誰にでも訪れる生理現象を満たす場所。(中略) 大切なのはプライバシーと安全です。それを念頭に、個人の空間を再定義して3つの空間をデザインしました。
左から右に横から入るので、配慮されていますね。
次は渋谷川の近く。
槇文彦。「タコ公園のイカトイレ」
中央に木を抱き込んでいて、中庭になっている。
アーティストコメント→(抜粋)単なるパブリックトイレとしてだけでなく、休憩所を備えた公園内のパビリオンとしたら機能する公共空間としたいと考えました。子どもたちから通勤中の人々まで、多様な利用者に配慮し、施設ボリュームの分散配置によって視線を制御しながら、安全で快適な空間の創出を目指しました。ボリュームを統合する軽快な屋根は、通風を促し自然光を呼び込む形態とし、明るく清潔な環境と同時に、公園内の遊具のようなユニークな姿を生み出すことを意図しました。
中も綺麗で、美しいタイル張りになっている。
大人用と子ども用の洗面。外向きに緩やかなカーブのベンチまであります。
見た中でここが一番好き。
槙さんの思いが溢れている素敵なトイレでした!!
歩く途中、恵比寿は、ビーガンレストランもあり、何かのときに覚えておこう。ハラルも対応。
次は渋谷へ。明治通りに面した、安藤忠雄のトイレ。「あまやどり」
雨宿りするような、長い庇が、日本らしい。中は、ステンレスでカッコいい。ところが、通路を歩くと、地面が傾いていて、まっすぐ歩けない!!と、不安感に。排水のために?!危ないなぁ。。。というトイレでした。
アーティストコメント→(抜粋).小さな"あずまや"なりに、公共トイレという機能だけでない、都市施設としての意味、パブリックな価値を持つものでありたい。(中略)外壁は風と光を通すたて格子とし、利用者が円形を描くその壁に沿ってグルリと通りに抜けられるようになっています。
次は鍋島松濤公園。少し離れているのでタクシーで向かう。
12月に訪れた松濤美術館の近く。高級住宅地の真ん中の少し窪んだ場所に池がある公園。手入れ不足で、ちょっと荒れてる公園。
現れた隈研吾。「森のコミチ」
え?!切りっぱなしの材木が、ザクザク外側に貼り付けてあるデザイントイレ。材木の資材置き場みたいな。扉を開けると、木が貼り付けてあるデザイン。中は綺麗。ワンコ連れてきても、リードを掛けられる犬型のフックもありました。
アーティストコメント→(抜粋)緑豊かな松濤公園に、集落のような、トイレの村をデザインした。ランダムな角度の耳付きの杉板ルーバーに覆われた5つの小屋は「森のコミチ」で結ばれて、森の中に消えていく。多様なニーズ(子育て、身だしなみ配慮、車いす等)にあわせて、村を構成するひとつずつのトイレの、プラン、備品、内装も異なる。(略)
外からの見栄えがあまりにも悪くて、え?!と思ったけど、森の中でも存在感を消したかったのですね。
無事に6個デザイントイレの見学を終え、まだ時間があり、近くの戸栗美術館へ。松濤公園の隣の豪邸など、素晴らしい建築でした。
戸栗美術館は、創設者 戸栗氏のコレクションを鍋島家屋敷跡の地に1987年11月に開館。
「千変万化-革新期の古伊万里-」という展覧会中。一点、一点に、時代、様式、製法など詳しく書いてある紹介文があり、興味深く、焼き物の勉強になりました。↓紹介文より抜粋。
染付→釉薬の下に絵付けを施す技術で、素地の白と絵付けの青色の調和が特徴です。
色絵の登場→伊万里焼史上、技術で革新期に釉薬の上に絵付けを施す色絵の技術が登場。中国磁器や画譜などから影響を受けた、個性豊かな作風の 古九谷様式 が成立。
釉薬の趣向→伊万里焼きはほとんどは透明の釉薬を用いるが、金属化合物を加えた青磁、瑠璃、銹(さび)といった色釉を施した作例も。
10年くらい前にお仲間と 有田を訪ねて、陶土を取る場所、窯元を見学した景色も思い出しながら。
館内撮影禁止でしたが、1階は、製造方法をわかりやすく解説して撮影可能な部屋もありました。
思った以上に時間をかけて見てしまいました。
渋谷駅に歩く途中で、渋谷区立松濤美術館。12月に訪れた須田悦弘展は、2/2に終わっていて現在は閉館。
建築研修で習ったばかりなので、建物の はじっこに、あ!明かり取りの天窓がある!ここから階下に光を入れているのね!などど、知ったかぶり。、
途中で和食の昼食をいただき、渋谷駅から地下鉄で早稲田駅。歩いて草間彌生美術館へ。
3時15分ごろ到着。ぎりぎりセーフ。
「私は死を乗り越えて生きてゆきたい」
館内撮影禁止でした。
松本市の種苗店に生まれた草間彌生は、幻覚を見たりトラウマがあった。
1957年に渡米後、幻覚に由来するモチーフの制作で評価を得ることになる。
死を意味する銀色のオブジェがいっぱい並んでいたり。ハプニングという裸の男女に水玉を描きつけた、当時の写真も展示されていました。人体、生命の美しさを強調して反戦を唱えていたそう。
自己消滅。死を乗り切るための制作。色の洪水。
5階、6階は撮影して可能でした。
歌っていました。
屋外に黄色いかぼちゃ。
窓の外の景色も。
あれが早稲田大学。右にサンシャイン。左斜めに渋谷スカイ。
草間彌生作品は、やはり難解ですが。生きるために描き続けて、独自の世界観を持っている。
帰りのエレベーターは、赤い水玉模様でした。
帰りは、神楽坂駅方面に歩いて、AKOMEYA食堂でお茶して帰りました。ここも、来て見たかったので良かったです!
とても楽しい一日!Rさん、ありがとうございました。