今から30年ほど前の話。かつてそれぞれの歴史を辿っていた別々の世界は順当にそれぞれの主人公とともに時間が流れていた。


戦うにしても平和に過ごすにしてもそれぞれが思うがまま過ごしていた中、一人の願望がその世界の歴史を止め、そして世界をめちゃくちゃにした。


名をガデス。自らを魔王と語った男は瞬く間に世界を強引にくっつけそしてあらゆる世界と英雄たちに挑戦状を叩きつけた。


ガデスの力は凄まじく英雄たちは瞬く間に敗走。持ち前の軍を武器に8割の地域を支配した。


だが反乱を起こすことすら予知していたガデスは英雄たちの挑戦を受けて立った。

 

圧倒的な力を持ったガデスだったが団結した英雄たちの前に打ち破られ、その世界は終わりを告げられたと思ったがガデスが死んでもなおその世界は終わらない。


ガデスの代わりに英雄たちに語り掛けたハウルの言葉により、英雄たちはガデス軍に対しての刃を閉じた。


入れ混じった世界はガデスがいなくても戦争を起こし、毎日起きる闘争に人々は恐怖を抱きながら毎日を過ごしていた…

 

ハウル統治の国は闘争にあふれる他の世界とは違い平和な毎日を過ごしていた。


寧ろ他の世界から避けられているというべきか。蚊帳の外にされたかの地は兵士が警備中なのに欠伸をするほどのんきな国と化していた…

 

「俺らいつまで警備する気だよ。他の世界は物騒になっているんだろ?」

 

「わがまま言うな。逆に俺らが避けられているだけ感謝しないとな。ハウル様がいるから手を出せないのだろう」

 

警備する必要がないという一人の兵士をなだめるもう一人の兵士。


遠方からの爆発音やその影響による地震は多々起きており人々はいつ戦争が起きてもおかしくない。そんな気持ちになっていた。


扉の外で警備していた兵士たちの後ろの扉がゆっくりと開いて行き、そこには別の兵士二人がいた。

 

「交代の時間だ。変われ」

 

「へーい」

 

「てかお前ら聞いたか?最近俺らと同盟関係にあるベジータ王国が他の軍に攻められたみたいでよ。とんでもなく強いらしいぜ」

 

「それがどうした。同盟している各国にはこちらは手を出さない約束をしている」

 

「俺らの中では覇王が一番興味があるんじゃないかって思ってよ」

 

 警備の兵士の一人である戦神覇王。18歳と成人したばかりの新米。


武術の腕は兵士の中では群を抜いており、担当していた兵士もからかうかのように呟いていた。


何か覇王は一言いおうとしたがその隣の人物が言葉を遮るかのように「関係ない」とだけ言って他の兵士二人をその場から去らせた。


覇王ともう一人の兵士が扉を閉め、警備を再開。その最中に覇王からもう一人の兵士に質問が飛ぶ。

 

「なあ双諒。最近では幻想郷が月なる国に攻め込まれたって…」

 

「それでも俺たちは手を出してはいけないんだ。手を出せばガデス様が起こした過ちの二の舞になってしまう」

 

 覇王の右側の双諒は覇王の教育係であり、幼馴染みたいな存在だ。ハウルが各国と結んだ同盟の事を誰よりも重要視していた。


最近物騒になっていることを知っていながら。今日も耳を澄まさないと行けないような距離から轟音が響き渡る。


今扉の外にいる自分達にしかそれは聞こえてこない。覇王は冷や汗を流しながら息を吞んだ。心臓がバクバクと少し早くなっているのが実感できる。大きく息を吐きながら外を見つめると…

 

そこにはこちらに向かって馬を歩かせる無数の軍隊。旗は挙げておらずこちらに軍を起こしているとは感じられない。

 

「双諒!あれ他の国の!?」

 

「いや…旗を立てていない…攻勢の軍なら旗を上げるはずだ…」

 

「織田軍が将。柴田勝家と申します。ハウル様と面会させていただきたく」

 

「織田軍…?確か信秀さんの…」

 

「面会するのはそなた一人のみか。質問に答えよ」

 

 織田軍と名乗った将は双諒達の視界の前で馬から降り、そして覇王たちに近づいてくる。


緑っぽい鎧を身に着けた青年は鎧兜を取り、敵意が無いことを伝えるかのように頭を下げる。急なことに驚いたのは覇王たち。


二人は一度顔を見合わせる。敵意が無いことを確認した双諒は自分だけ中に入り、覇王に外で待つように待機。その間に柴田という人物は覇王に語り掛ける。

 

「ハウル様の護衛か?」

 

「いえ…この国の兵士です。戦神覇王と申します」

 

「…成程君が…」

 

「え?」

 

「あ、いや我々の尾張にとんでもない武術を持つ兵士がいるとの噂が流れていたのだ。ハウル様の国にいると思っていたが案外存在感がないものだな」

 

 柴田のサラッとした言葉は覇王に何かを突き刺す言葉だった。


何も言えなくやり場のなさすぎる怒りとストレスに歯を食いしばるしかない中で、覇王は「元服したばかり」と言い返すしかなかった。


柴田が軽く微笑む中で扉が開いて行く。そこにはハウル軍幹部のルルデスの姿があり、ルルデスは柴田に軽くお辞儀をしたあと…

 

「ハウル軍幹部ルルデスです。柴田殿、ぜひわが領内に。おい覇王。お前も同行しろ。客人だからくれぐれも無礼の無いようにな」

 

「は、はい!」

 

 ルルデスに織田軍は同行し覇王も別の兵士と変わってもらう形でハウルの居城にへと足を進めていく。


覇王が元服してから初めての客人。息を吞んだ覇王はこの後柴田からの驚かせられる一言を耳にすることになる…

 

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見てくださりありがとうございます。今回は文章練習を書かせていただきました。野球の方はあっさり敗戦でしたが明日は頑張ってほしいです。


ちょっと試したかった作品でして。こんな感じになるんかって印象です。もう少し話を練りたいですね。ではお疲れさまでした。

とんでもないクロスオーバー作品の予定ですが出演作品はある程度しか決まっておりません。

また練りたいです。