ここは新宿の片隅、淀橋
 今はもう無い地名だが
 真夜中にはこの地に
 モデラーたちが集まるという

 地獄の天才モデラーヒカルが
 HGジオングを作り始めたと聞いて
 今日も誰かが訪れる

 プラモデルは哀しき大人の人生観

 非定期連載小説
 淀橋ミッドナイト
 
 この物語を読んで
 ひとつでも多くの押入の中のガンプラが
 製作されることを祈ります
 
 

 


塗装もした

汚しもやってデカールも貼った

いよいよ組み立てだ




ええ、接着しながら組み立てていきますヨ




でも新キットなんだから

接着しなくても

カタチに出来るんじゃないのか?




いや、ぼくはそれでも接着するんです

完成したら二度とバラさない

ピリオドを打つ、そんなイメージです






胸の内部フレームに
前後中央のパネルを接着



小型化した首元のヨダレ掛け部分を取り付け
胸のロケットユニット部分も接着しちゃいます




胸の4つのロケットノズルも接着
胸の青い部分は、前後の合わせ目が出ますが
0.5mm幅程度の段落ち加工であえて残してます

お腹の部分は胸に差し込むだけです
少しだけボールジョイントのおかげで
ユニバーサル可動します


コクピットハッチのある中央のパネル両端は
ハの字形をしてるんですが平行ラインにしてます

つや消しクリアによるトップコートで
良い具合に落ち着いた色調になりました

右肩のジオン公国章はRG用なので小さめで嬉しい
コクピット搭乗ハッチには黄色のマーキング
青と黄色は補色なのでワンポイントが映えます

この胸部分はいったん11分割し小型化
ウエストは細くしてひと節追加して延長

自作したり加工した箇所は
そうと分からないとこまで仕上げられたと思います


腕は黄色い部分が接着です
他は差し込んでるだけ




肩アーマーには
プラ板の貼り込みによるRG風ディテールを再現




なかなかに表面処理が難しくて
完璧とまではいかない感じでしたが
仕上げとしました

肩は少し小型化したことで
RGジオング用デカールがうまく流用できました

HGジオングは
脇の下部分にプラモっぽさがあるので



こんな具合に簡単ではあるけど粗隠し

前腕部分は2mm延長



延長した部分はわざと段落ち?
というより一段低い面を作ってアクセントに

それ以外のディテールは
スジ彫り含めいっさい追加せず
その代わりマスキング塗装で
そこはかとない変化を付けてます

RG風なテイストで改造をした腰の部分は
黒に非常に近い色で塗装


グレーバイオレットに黒を加えたもの
印象としては黒に見えると思いますが
微妙にグレーですし、紺かもしれません
限りなく紺に近い黒ではなく
限りなく黒に近い紺です愛してください
グラデーションも微妙に入れてます
スカートと接する下側は
スカートとのコントラストがキレイに出るよう
ハイライトなどは入れてません

メガ粒子砲は赤で塗装
本来は紫なんですが、紫だとボケる気がして(笑)
前面の形状を変更して輪っかのフチドリを付けたので
メガ粒子砲部分の赤の色分けに
構造感、必然感が生まれたと思います

表面処理が大変で最後は少し妥協しました

 

スカートは拡げてワイドにしてスジ彫りを引き直し
既存のスジ彫りやディテールはほぼ埋めて消してます
腰のメガ粒子砲近くの部分に
宇宙戦艦ヤマト的な3連ダクトモールド追加


サイドの特徴的な縦ダクトは
位置を上へ移動してシャープにディテールアップ


上にダクト(スリット)位置をあげたことで
スカートの裾近くにRG風に入れたスジ彫りとの
位置関係も良好になりました




スカート後方にふたつあるダクトは生かしました
造形がキレイだったのとHGとしてのアイコンです

兵器的な雰囲気になるように
戦闘機用のグレー塗料(300番台複数)を使用
エアブラシでグラデーション塗装し
水性塗料でウォッシング、デカールを貼って仕上げ

やっぱり腰部分とのコントラストは
はっきりしていた方が見映えが良いと思う
プラ板貼り付けなどの凸モールドは
いっさい加えてません

凸凹したディテールはありませんが
塗装で表情をつけたことで
広い面ですが間延び感はしないと思います



スカート内部はジオングの見せ場ですし
今回のジオングで1番大変だったところですが
完成してしまうとほとんどの部分が
見えなくなってしまいます

ですので
この組み立て工程でよく見て欲しいところです!

まずプラ板で作ったスカート裏の補強の裏骨を
マスキングしまくって必死に塗り分け
燃料タンク的な造形を作った部分は接着

スカート左右の大きなダクト裏部分には
ラジエター的ディテール追加



スカート内部のメカ、サブノズルユニットの仕上げ
各サブノズルまで伸びる燃料パイプを
スプリングで表現してみました、これが完成形です


なかなかの立体感と金属感




サブノズルユニットの取り付けは
キットの取り付けダボの後ろ2つを利用

次にフンドシ部分の順に取り付け
これはキットの取り付け部を流用してるので
ポリキャップが仕込まれてますから
差し込むだけで取り付けられます




奥行き感と立体感が出るように
完全に作り直してみました




メインノズル、サブノズル取り付け
ノズル関係は色指定では緑色ですが
黒鉄色とシルバーとオリーブグリーンを混ぜた
緑味を感じるガンメタで塗ってます


ちなみにキットそのままだとこう
“変わった”という意味では
1番変わったところだと思います

メインノズルの噴射口は
プラパイプの輪切り7個を接着してディテールアップ
ちょっと目新しいと思います

ボディ(外装)ではないということもあり
やや派手めなグラデーションをつけてます



最後に頭、顔

削り込みによる小顔化をしてます




具体的にはモノアイより下の部分の
ボリュームをほんの少し減らしてます
あまり面長にすると、モアイ像感でるし
好き好きではありますが、むさ苦しくなるので


直線的だったモノアイの上側ラインは
微妙なアールをつけて旧キット風を演出


モノアイはシンプルに自作して
左右のみですが可動します




レンズ部分は3mm径のクリアランナーから製作
HGジオングのモノアイは3mm径ですね
大きくするとマヌケになるので要注意です

アンテナは白立ち上げのキャラクターレッド
影色はあずき色です

シャープにとか削ってません
面倒くさかったのではなく
アンテナをシャープにして改修した気になる前に
もっとやるべきことがあるんじゃないかという
アンチテーゼです



これで各ユニットが組み上がりました
あとは接続するだけなので
次回でとうとう『完成』です



全身にまとめあげた時にどう見えるかが
問題だから楽しみだナ

のっぺりしてると言われるHGジオングの
既存ディテールさえ埋めてまで
シンプルに作ったヒカルジオングver.1.0

時代に逆行してるよナ



楽しいじゃないですか

プラモ作りに慣れてきて
改修のひとつでもしようと思うと
上手い人から学ぼうってなりますよね


謙虚で、真面目なプラモ作りの姿勢

でもそこで・・・
考えることも忘れちゃいけない


ぼくも他の人から学ぼうって思いますヨ





だからぼくは
どんな改造が称賛を得ているのかは見ない

あくまで自分なら
どうするかを考える



つづく


この物語はフィクションです

登場する人物、場所、セリフ、思考は

すべて架空のものです



次回、感動の最終回!


HGジオングverヒカル1.0が

いよいよベールを脱ぐ