【淀橋ミッドナイト10】HGジオングver1.0を作る『スカート3』 | LESSON 2 衣食遊
ここは新宿の片隅、淀橋
今はもう無い地名だが
真夜中にはこの地に
モデラーたちが集まるという
地獄の天才モデラーヒカルが
HGジオングを作り始めたと聞いて
今日も誰かが訪れる
プラモデルは哀しき大人の人生観
非定期連載小説
淀橋ミッドナイト
この物語を読んで
ひとつでも多くの押入の中のガンプラが
製作されることを祈ります
全身ひとまわり手を入れて
いよいよ表面処理か
いえ、まだですョ
まだ残ってます
どこ残ってる?
2周目とか始まるとまた完成しないぜ?
2周目じゃないです
残ってますョ、ジオング最大の見せ場が
最大の見せ場?
ええ、ここ↓です
スカートの中か
ええ、
ジオング的にもプラモデル的にも
ここは最大の見せ場、素通りできません
そうだな
RGジオングがある今となっては
HGジオングのスカートの中は
ちょっと寂しいと言えば寂しいかもナ
いや・・・
RGジオングを持ち出すまでも無いです
80年代に作られた小田版ジオング
これを見て刷り込まれてますからね
HGジオングの造形では物足りないですし
小田版ジオングを知ってれば
別にRGジオングのスカート内部の造形だって
驚くに値しないんです
小田版ジオングを見たときは
ぶっ飛んだよナ
ええ、まだ小学生でしたけど
眠れなくなりましたよ
この奥行き感、たまらないでしょう
そうだな
HGジオングには
奥行き感がまるで無い
ぼくなりにやってみますよ
HGジオングは
メインノズルが付くフンドシ部と
5つのサブノズルが
平面のパネルに取り付けられる構造
平面パネルには、
それなりにディテールが入ってますけど
仮にここにさらにディテールを
ごちゃごちゃ追加していったとしても
元々の奥行き感の無さは変わらない
だからこの平面パネルは
使わないことにします
完全に作り直すってことか?
もちろん材料として使う部分はありますが
作り直し気分でいきますヨ
まずスカートはワイドに拡げちゃったので
メインノズルがキットそのままでも
バランス取れるのか、合わせてみます
大丈夫だろ
たかだか2カ所、くさび入れただけだもの
あまく見ないでくださいョ
ホラ↓
うっ!
案外スカスカになっちまうもんだな(笑)
そうなんです
ホントはここでメインノズルの径自体を
大きくしたいところですが
使えそうな適当なものが無かったので・・・
このフンドシ部の幅を広げて
メインノズルを外側にマウントすることで
スカートの中いっぱいに見えるようにします
これで何ミリ拡げたんだ?
1.5mmが2枚の3mmですね
これでひとまずバランスさせます
まぁこれで少しは見られるかな
ええ、今回はこれでいきます
そして実際にもこんな感じで
スカート底面パネルは使わず
スカート奥の部分にフンドシ部を
取り付けようと思うんですよ
それで奥行き感出すってことか
そうですね
そうなるとスカート内側は
下から覗いた時によく見えることになるので
スカートパネルの裏に補強パネルを
入れていってみようかと・・・・
トラス的なか?
トラスというのとは違います
どちらかというと“裏骨”
クルマのボンネットの裏にある
こんな補強が1番イメージ近いです
作っていきます
0.5mmプラ板をこんな感じで切り出して
スカート裏に貼り込んでいくんですよ
あまり骨を細くし過ぎなくて良いですし
細かくし過ぎなくても大丈夫です
こういう補強の形状は
応力の掛かり方を想像すれば決まりますし
工業デザイン系の勉強をすれば
ソフトなどは使わずともだいたい決まります
そんな補強の入れ方はしねーョ
って感じにしちゃうと痛くなるので
パネルにリブを立てるときの法則とか
少し勉強すると良いかもナ
ヒカルはそんな勉強をしたと?
してないですよ
ぼくはセンスだけでやってます(笑)
それでもイケるってコトです
はい、これで裏骨が貼り込めました
これだけでも随分と印象変わるでしょ
確かにナ
お!ってなる
左右対称と、
スカート表面に彫ったスジ彫りとの
整合性を合わせて作っていけば
それっぽくするのは簡単です
一瞬は『お!』ってなるんですけど
ひとつひとつのカタチをよく見れば
そんなに複雑なワケじゃないし
別にキレイに作ってるわけでもない
まぁここをジーっと見られることもない
あくまでチラ見えしたときに
やってる感が出れば良いんです
理に適ったディテールであれば
あとは見た側が脳内で
勝手に良いように変換してくれます
楽しようと思わなければ
誰にでも出来るディテール追加
ってコトだナ
RGジオングもあることだし
今は参考にできるものがたくさんある
思い付かなければ、
自分でカタチが考えられないならば、
マネしたって良いと思うヨ
コレやってるのあまり見ないけど
なんでなんだろうナ(笑)
やれば見映えが上がるのわかってるのに
これもちょっとだけ面倒ですし
このスカートパネルの裏を見せたいなら
キットの平面パネルは使わないってコト
さらなる面倒が待ってますからね(苦笑)
でもとりあえずやり遂げましたヨ
まぁ正直誰でもやろうとは思うよナ
でもやろうと思うコトと
やったというコトではまるで違う
誰かが何かをする
すると必ず声がする
そんなコトは知っていた
とっくにやろうと思ってた・・・
やらない奴はいつもそう言う
他の世界は知らねぇが
ことプラモの世界じゃソレは通じねぇ
自分の手で、自分のカラダで
やり遂げた者だけが
ブログに書けるわけだから
つづく
この物語はフィクションです
登場する人物、場所、セリフ、思考は
すべて架空のものです