ここは新宿の片隅、淀橋
 今はもう無い地名だが
 真夜中にはこの地に
 モデラーたちが集まるという

 地獄の天才モデラーヒカルが
 HGジオングを作り始めたと聞いて
 今日も誰かが訪れる

 プラモデルは哀しき大人の人生観

 非定期連載小説
 淀橋ミッドナイト
 
 この物語を読んで
 ひとつでも多くの押入の中のガンプラが
 製作されることを祈ります
 
 

 

次は肩か?



ええ、肩やりますよ



肩はわかるぞ

RGジオング風の肩にするんだろ?



なんでわかるんですか(笑)



前に『RG風SDジオング』のときに

RGジオングの肩はカッコいいなって

言いながら作ってたじゃないか



そこまでわかってるなら説明不要ですね

HGジオングの肩アーマーをRG風に

作っていきますよ



ここまで、けっこうRGジオングに対して

否定的な感じだったのに

肩に関してはすんなり受け容れるんだな





この肩アーマーのアレンジは好きですよ


ぼくは思うんです

世の中のハヤリというか

新しいコトをいつまでも

追っかけてるオヤジは見苦しいよな・・・て





自分は旧キッターですけど

新キットを敵視してるわけじゃないし

すべてのディテールを否定してはいない



じゃ問題はそのRG風のデザインを

HGの肩に落とし込めるかどうかだな



そうですね

ひとまず今回はver.1.0なんで

大改造をするんじゃなく

貼り込みでライトに作っていきますよ






プラ板を切り出してきて
ブロックごとにHGジオングの肩に
馴染ませつつ貼り込んでいく




うまくいったら次のブロックへ
同じことの繰り返しです




左右対称にも気を付けないといけない


けっこう面倒だな


ええ、ある程度は面倒です
でも元の肩を切断もしてないですし
凸モールドを貼り込むだけで作るので
時間はかかるかもしれませんが
ライトな改造ですヨ




ジオングの肩なんて三次曲面だろ?

真っ平らなプラ板を

うまく貼り込んでいけるもんなのか?



案外いけるもんですよ

貼り込む前段階で

出来るだけ捻ったり曲げたりしながら

なるべく曲面を作っておくのがコツです


接着しながら密着させようとすると

けっこう難しいんですけどね


貼り込みさえ出来れば

あとは目指す形状に

ひたすら仕上げていくだけです





なんとかなりそうです


ここから表面仕上げしていくんだナ


ええ、大変そうな予感です(笑)
でもプラ板の細切れを貼っただけとか
適当にスジ彫り入れただけよりは
面白い仕上がりになると思いますョ
手間をかければ作品は応えてくれるはずです

あ、それから・・・
HGジオングの肩には
このプラモデルの
最大のプラモデルっぽい部分が
あるんですよ


最大の?
どこだ?、それは




ここ↑です

HGジオングでは肩にパーツの 合わせ目が
出ないように一体で作られていて
この胴体への取り付け軸を
下からスリットに差し込むように
なってるんですよ

この差し込み部のスリットは
組み立て後も丸出しなんです

仮にどんなにリアルな塗装が出来ても
ここがそのままじゃあ・・・
プラモデル丸出しでしょ




そんなワケでこのスリットが
隠れるような造形にしてみました


ここだけ見てもイメージ湧かないかな


ですよね(苦笑)
頭の片隅にでも置いといて
完成したときにまた見てください



それとほんのちょっとのことですけど
この画像↑のマルで囲った部分に
1.5mm分プラ板を挟んで
肩の位置を1.5mm上げています

キットのままだと肩と腕が干渉するんです




かと言って、そんなに不自然じゃない
こんなもんですから

むしろここで別のこと思い浮かびました



別のこと!?
ホント、仕方ねーな
旧キッターってヤツは(笑)



肩アーマー、デカすぎるでしょ?
胸をコンパクトにしたからというのも
あるかもしれませんが


それが良いポイントだったりもしないか?


そうかもしれませんね
でもぼくの中のジオング像って
最大左右幅はスカート部であって欲しい
HGジオングでは肩ですけどね


肩アーマーを小型化すると?


ええ、ちょっとやってみます
スカートは拡張加工したことで
最大左右幅は100mmくらいになったんです
だから、出来れば肩部分の最大左右幅を
なんとか100mm未満に・・・




でも肩アーマーが変になっては本末転倒
形状破綻しないレベルで小さくしました


やっぱり表面仕上げ大変そうだナ

ひとつ聞いてみたかったんだ
こういう自作部分に限らず接着線にしても
最後の最後でなかなか合わせ目が
消えないことってないか?

あと少しなのに、そこからパテを盛っても
瞬着流しても、ヤスリがけしてみると
合わせ目が残ってる、みたいな


それ、いつまでやってても
合わせ目消えないですよ?


そうなんか?


ええ、
よーく見てやっとわかるくらいの
うっすら残った合わせ目を消すのに
残したいパテの量って
髪の毛1本分くらいなもんですよね

それじゃ下地との接着強度なんて
望みようもないですから
ヤスリがけしちゃえば剥がれますよ
それに硬化したパテの上にパテを盛っても
同化はしませんしね


じゃ、そんなときはどうしたら? 


サフェイサーを吹いちゃうんですョ
ディテールの心配が無いなら500番とか
そうじゃなくても1000番とかでも良い
サフの上にならパテは食い付きます

ディテールが潰れる心配があるなら
別に普通の塗料でも良いです



ぼくも ある程度まで詰めたら
サフ吹いて最終仕上げをしますョ


なるほどな


また、肩アーマーは
裏側が良く見えるので・・・




プラ板から
こんなカタチの物を切り出して・・・




チラ見え対策しておきます

これで肩は改造完了・・・・



ん?

ここまでやっておいて

浮かない顔してるな(笑)



ええ・・・


HGジオングの肩アーマー

根本的にカタチが好きじゃないのかも

でも今回はver.1.0だから

ひとまず仕上げたというか・・・




良いんだよ、それで







つづく


この物語はフィクションです

登場する人物、場所、セリフ、思考は

すべて架空のものです