19歳になったばかりの5月。
日本での最後の夜を
上京してまだ一ヶ月の大好きな彼のアパートですごし
眠ることさえもったいなくって
街があかるくなるまで
ずっとずっとふたりでよりそってた。
うまれたてのひな鳥のように。
ずっとずっと・・・・。
3年間ずっと一緒にいた大好きな彼。
小学校からライバルで
同じ中学校へ通って
同じクラスに2回なって
中3の秋に
「好きです。つきあってください!」って
なんともストレートな言葉で告白してくれた彼。
それから私たちは
同じ学校にがんばって進学して
毎日毎日同じ電車にのって通って
部活の後も待ち合わせて一緒に帰ったよね。
3年間ずっと一緒にいたあなたと
これから違う国で暮らすようになって
一緒にいられなくなって
どれほど
どんなにどんなにさみしい思いをするのかなんて
私たちはまだ、
きっとこれっぽっちも
分かってなかったんだろうね。
少なくともあのときのあたしは
これから待ちに待ったアメリカへの留学でわくわくしてたのも半分あって
遠恋がどんなにつらいかなんてきっとほとんど考えてもなくて
ただ・・・
「3年間も高校時代を付き合ってきたあたしたちなら
なにも心配することなんてない!」
そう思ってたんだよね。
あたしだけじゃなくて、
彼も。
新宿まで送ってくれた彼が見せる涙目。
あたしなんて涙やら鼻水やらでヒドイ顔してんだろうな。。。。
「冬休み、7ヵ月後には絶対すぐ帰国するからね!!!」
いっぱいいっぱい泣いて
いっぱいいっぱい約束して
いっぱいいっぱい気持ちを伝え合ったのに、
たりない
離れたくない。
いきたくないよ。
それでも空港行きのリムジンバスにのって
窓の外に必死で何か言ってる彼を見て
「あぁ・・
あとちょっとで、7ヶ月もみれなくなっちゃう・・・・」
そんな思いでさらに胸を締め付けちゃったりしてるうちに
バスが動き出す。
最後に手をふる
「あいしてるよ
がんばるからね」
「まってるから
がんばれよ」
声はもうきこえない
口パクだけだけど、まだみれる
のに・・・・・
バスが走り出す・・・・
やだよぅ・・・・
彼が走って追っかけてくるのが見える・・・・
あたしは窓に張り付いて彼を目で追う
走ったのを急に止めた彼は・・・・
腕で目をぬぐって
いきなり180度向きをかえて走っていった・・・・
泣かないで、トモクン。
あなたはいつも、強くてやさしい。
あんなにも強いあなたが、
涙を見せてくれるほど、
あたしと同じように寂しがってくれてるのかと思うと、
あたしね、涙が止まらないよ。
あたしがんばるからね。
アメリカの大学に4年も留学することに全く反対もせずに応援してくれたあなたを
あたしは絶対にかなしませないから。
待っててね。
すぐ帰るからね。
そうやって無理やりダラス行きの飛行機に乗りこんだ、
まだ離れることのさみしさを予想もできなかった子供の19歳の初夏でした。