大好きだけど出来ないこと。
厳密に言うと出来ないわけじゃないけど
様々な理由で「やりたくないこと」かも。


飲み会




サラリーマンってストレスがたまります。
 (サラリーマンだけじゃないけど)


そんなたまったストレスを吐き出すのに
お酒の力を借りることはよくありました。


楽しい仲間との語らい
美味しいつまみを食べながらバカ騒ぎ
時には真剣な人生相談…


笑ったり
泣いたり
叫んだり
喜んだり
呑んで、食べて、喋って、聞いて…


これ大好きでした(過去形も変だけど)
今でも「行きたいな(^^)」とは思いますが
あの苦痛な時間が続くのかと思うと
「うんざり」してしまうようになりました。


この病気がわかって、
聞こえがどんどん悪くなってる自覚もあり
普段の生活は「補聴器」でなんとか。


有難い機械です。


こんな小さな機械を耳につけるだけで
無いとほぼ判別することのできない人の声を
なんとか聞こえるレベルまで
「補って」くれる、まさに補聴器。


性能は素晴らしい進化を遂げてはいるけど
万能ではないのです。


沢山の「音」の中から
聞きたい「音」(声)を抽出して
うるさい環境でも会話の出来る耳って
実はものすごく高性能で、機械には
太刀打ちできない部分もあるんです。


大好きな仲間は目の前にいるのに
話したいことは山ほどあるのに
聞きたいこともいっぱいあるのに
…できないんだよな。


たくさんの人がいればいるほど
ポツンと1人きり。


寂しくて泣きそう。


随分遅めですが明日は会社の新年会。
ノンアルコールで行くつもりですが
あの時間が苦痛に感じます。


それに、同じ円卓についた人たちにも
申し訳ない気持ちもあるしね…


 
電話




営業の仕事をしていた時は頻繁に使って
やり取りする大切なアイテムでした。


でも僕の装着している補聴器は
耳にかけるタイプのもの。
本体(聞き取る部分)は耳の後ろにあります。


だから電話の時は、なるべく耳の上の方に
補聴器の近くにギューっと押し付けて
音も最大限に大きくしてますが
全ての話を聞き取ることは困難です。


大事な要件を話ししてるのに
お客さんのクレームを聞いてるのに
伝えたいことも沢山あるのに
完璧なやり取りは難しくなりました。


今の部署に移動して、
僕の前にも電話があって
誰もいなくて僕が出ないといけない場面も
あったりするんだけど、やっぱり全てを
理解することは出来ず失敗したことも。


だから
電話が鳴っても出ません。


周りは「出ろよ!」と思ってるでしょうけど
迷惑をかけることになるくらいなら…って
消極的になってしまってます。


もちろん
仕事ですからやる事やらないとって意識は
あるし、キチンと貢献したいとは思ってるけど
無理をする事で迷惑をかけるといけません。


仕方ないけど…ね。



会話




前述の全てのことにつながるんだけど
会話(人の声)の判別が出来なくて
何度も聞き直すことが多いです。


聞きやすい声とか
聴き辛い声とか
マスクのこもった声とか
遠くから呼ばれた声とか
他の音と混ざった時の声とか…


正直、聞き取れないから適当に笑顔で
誤魔化すことも結構あります。


はい?
えっ?
なんて言った?
ごめん聞こえない…
って繰り返すと何度かは
言い直してくれるけど
「あっ!まぁいいや…」って諦められる…。


これ悲しい。悔しい。
でも
どうしようもないんだよな。


聞こえるフリして
わかったフリして
うんうんって笑顔でうなづいてても
きっと伝わってないことはバレてて
話しかけてくる頻度も減っちゃいました。


本当は
沢山話したいのに…
沢山聞いて欲しいのに…
沢山いろいろ聞きたいのに…


仕方ないと言えばそれまでだけど
聞こえの悪さが進行するに従って
日に日に感じることでもあるんです。



いろいろ書いたけど…


この際だからネガティヴなことを
沢山書いたけど、正直な今の気持ちを
フィルターかけずに吐き出すとこんな感じ。


目の障がいは
「人」と「モノ」との間に
耳の障がいは
「人」と「人」との間に壁を…なんて
言われたりもするんだけど、
なかなかこの状況ってわかってもらえない。


だって見た目普通だもん。


補聴器はめてるの気づかなかったら
何をふざけてるの!
って思われかねないくらいなんです。


じゃあ筆談すればいいじゃん!
そうなんだけど、それに応じてくれる人が
面倒くさいと思ったらおしまい。


じゃあメールやLINEは?
確かに便利で、僕も仕事でよくチャットを
使ってやりとりするようになりましたが
忙しい相手に、目の前にいる僕がチャットを
送っても気づかれず放置ってよくあります。


僕は脳腫瘍のせいで聞こえが悪くなる
病気だけど、聴覚障害って人それぞれで
聞こえ方や
耳鳴りや
人の口の動きを見れる方や(読話)
手話や
持ってる障害も能力も千差万別。


そして
それは見た目では全く判断できない。


もし興味があったらやってほしい。
100均でも売ってる耳栓を24時間ずーっと
つけ続けて生活してみると、聞こえないって
こんなに大変なんだって
理解してもらえるかもしれません。


そして
聞こえないだけでなく、耳鳴りや痛みや
聞こうとするストレスやいろんなものを
抱えてるってことをわかって欲しい。


もちろん自分自身の努力も必要で
聞こえないことを理由に「出来ないこと」を
増やしていったら人生の楽しみが
どんどんなくなっちゃいますからね。


でもね。
見た目でわかんないから誤解されること
本当に本当にいっぱいあるから。


この人なんで笑顔なの?


実はその人は笑顔で本心を隠して
「泣き顔」を見せないようにしてるのかも。


そんな風にも思えるんです。