8月6日~9日に行われた舞台『合観版・南太平洋』を見てきました。
見てきたのは7日の昼・夜と千秋楽の計3回ということで多いか少ないかは微妙なところではあります。
簡単な内容として、太平洋戦争末期、日本軍が宣教不利な状況になった頃の南太平洋に浮かぶ小さな島。
そこには日本軍捕虜収容所があるが、日本軍から忘れ去られてしまった小さな島。
しかし、そこは戦争まっただ中だというのに弾薬や大砲の音すら聞こえない、日本兵、捕虜アメリカ兵、原住民が楽しく過ごしていた笑いの絶えない島が舞台になります。
簡単な上の説明では戦争中と書いてはいますが、舞台は戦争が終わってから約20年後(ストーリー上詳細な時代は出てきてはいませんのであくまでも自分の推測)、新婚旅行でやってきた2人純子と力がその島にいた谷中を訪れるところから始まっていきます。
谷中のところに二人がやってくる少し前にある男がやってきます。
平岡と名乗るその男は太平洋戦争中この島に不時着をし、少しの間ここで生活をします。
その男が谷中のもとに訪れて昔話をしますが、レコードを流し暗転とともに姿を消してしまいます。
レコードは坂本九さんの『見上げてごらん夜の星を』です。
接客(?)をしていたヒナは覚えていなかったため、もしかしたら谷中の見た夢だったのかもしれません。
このシーンではひとつ笑いとして、平岡は谷中にお土産を渡そうとしますが、上から出てきたヒナに一目ぼれ。
ササッとヒナの前に片膝立ちをした平岡は手土産をヒナに差し出します。
『土産はたくあんだよ』と言って…たくあんかよw
明るくなると上からモノイ(原住民の案内人)が走ってきて登場。
あとから2人の男女が登場しますが、女性は激怒。
どうやらあまりいい案内をされていなかった様子。
下にいたヒナにかくまってもらって走って退場します。
取り残されてしまった男女2人は話しかけてきた原住民のヒナの挨拶がわからずたじろいでしまいますが、実は日本語も話せるということでビックリ。
実は2人はこの島に住む谷中という人から話を聞こうとやってきたカップル。
このチチ平岡の話を聞いて戦時中この島で何が起こったのかを知りたかったため、谷中のところに訪ねて来たという。
また、平岡は少し前に他界をしたということも戦友であった谷岡に伝えるため。
そして暗転とともにもう一つの舞台となる戦時中の話が進んでいきます。
その島は戦時中だというのに島にいる人々はドンチャン騒ぎのお祭り状態という当時としてはあり得ないようなその島。
捕虜となっていたアメリカ兵も自由にしていて日本兵とも原住民とも仲良く過ごしていました。
しかし、この島には日本兵は実は1人しかいないというまた奇妙な現実があります。
もともとこの島は日本軍捕虜収容所として使われていたところなのですが、この島はあることがきっかけで島にいた人々は大半が死んでしまいます(後に原因が島特有の熱病とわかります)。
そんな楽しい毎日を過ごしていたある日、ガードナー中佐はある瓶をもってべろんべろんになって登場してきます。
その瓶の中身は泡盛で、この島にはないはずのお酒。
ガードナー中佐はお酒がまわり倒れてしまい、宴は中止になり、解散します。
解散をした後、1人の日本兵が島にやってきます。
この日本兵が平岡です。
右足から出血をして満足に動けない平岡は机の上に置いてあった食べ物をつまみ食い。
その時、上からアメリカ兵2人と鉢合わせしてしまい、勝ち目がないと悟った平岡は立ち去ろうとしたところ、水を汲んで来た原住民のニワレカが来たので、銃で人質を取って逃げ出そうと企てます。
その騒ぎを聞きつけた人たちが集まってきましたが、集まってきたのはアメリカ兵や原住民たちばかりで、日本兵がいなくて困惑状態に陥ります。
そこへ唯一の日本人谷中がやってきますが、谷中はすぐさまアメリカ兵に(自分から)捕まります。
そして谷中はニワレカを解放すれば自分は助かるから早く解放してください、でないと自分も平岡も殺されてしまいますと説得しますが、怪我をしているうえに困惑状態に陥っているため、殺されるぐらいなら道連れにと爆弾で死のうと爆弾を取り出しますが、スキをついて爆弾による被害はなく爆発をし、気を失った平岡の怪我の手当てを受けることになります。
怪我の手当てを受けたとはいえ、昨日まで殺し合いをしていたアメリカ兵。
平岡はなかなか受け入れることができません。
怪我はアメリカ看護兵ヘレンに手当をしてもらい、ヘレンは名前を名乗りますが(正確な名前は忘れたけど、ヘレン・マッカートニーだっけ?)を、平岡は『変な便所紙』と聞き間違えて平手打ち食らいます。
ヘレンは平岡に名前を聞きますが、誇り高き日本兵ということで名乗ろうとはせず、逆に礼儀を諭されるという場面が…
平岡平蔵(もしかしたら平岡(一等)兵曹かも)と名乗りますが、ヘレンはヘゾと認識・浸透します。
そして登場してきた谷中にも名前を聞かれ、ヘレンはすかさず代わりにヘゾと代弁。
ヘレンが薬箱をもって退場してからなぜ平岡がここにやってきたのかを谷中は質問しますが、大波に遭い船を投げ出されたと。
数日は波も穏やかで島付近では大波は起こっていなかったのに、自然の驚異とは凄まじいものです。
そしてアメリカ兵や原住民たちが集まってきて、いろいろなものを見つけたからまた潜ってくるということで、お宝探しへいきます。
また、ガードナー中佐が泡盛の入った瓶を持ってきたのを見た平岡は『それ俺の』と言って、ガードナー中佐すかさず『まだ残ってますか?』と。
4・5本あるはずだという言葉に大喜び。
また、近くで飛行機を見つけたということで、平岡は自慢げにサヨリと名付けた飛行機を自慢します(船から投げ出されたと?)。
ちなみに泡盛などが見つかったのは砂浜ではなく滝底とのこと。
平岡に数々の不審点を覚える中谷、対して捕虜収容所に日本人は中谷しかいないことに不信感を覚える平岡。
平岡は本来の目的のためにある人物の名前を口にします。
『相田中尉』
この島の最高位にいた人物で平岡は相田中尉に会いに来ていました。
それに対して中谷は『相田中尉は熱病で死んだ』と告げます。