面積
414平方度
肉眼星数
79個
主な星
α星アルゲディ。星名の意味は『小ヤギ』
主な天体
二重星のα星。肉眼で3等星と4等星の二つが寄り添って見える
備考
黄道星座で12月23日~1月20日生まれの人の星座
へびつかい座が入った13星座では1月19日~2月15日生まれ
占星術では♑と表され、磨羯宮と表記され、地の宮(クール、ドライ)、活動宮、女性格に分類されます。
パニックの語源慌てものの牧神パン
やぎ座は牧神パンがナイル川のほとりで神々と宴をしている最中、突然現れた怪物テュホンに襲われた時、慌てて姿を変えて逃げた時の姿だとされています(金星の太陽面通過…台風参照
)。
しかしあまりに慌てていたため、変身に失敗し、上半身が山羊、下半身が魚と中途半端な姿になってしまい、後にゼウスが面白がって星座にしたと言われています。
ここでは牧神パンについて書こうかと思います。
パンはいつもニコニコと飛び跳ねたり、歌ったり踊ったりするひょうきん者でしたが、彼はとにかく鼻だけは大きな鷲っ鼻で、ぼってりした唇は飛び出し、皮肉な笑いを浮かべると口は耳まで裂けていました。
格別とがった耳も、もじゃもじゃの赤毛の上に突き出た雄羊のようなごつごつした二本の角をうまく隠す事ができず、ヤギ髭で顔が長く見え、身体は腿と足は大きな雌山羊でした。
そんな彼は夜間に無鉄砲に走り回ったり、森の中で木陰から飛び出したっり、あるいは人里離れたところに潜んで悪ふざけをして人や獣を驚かせていました。
そのため、わけのわからない恐怖に取り付かれた人は彼のせいにしてました。
こんな話が広まったため、臆病者の恐怖心が『恐慌(パニック)』と呼ばれるようになりました(パニックは『パンによって引き起こされた』と言う意味)。
そんな彼にもはかない恋物語があります。
それは、彼が旅から帰ってきた時、シュリンクスという一人の妖精に恋に落ちてしまいました。
彼はシュリンクスを追い続けました。
しかし、彼女は捕まりたくないと思い、水の精に助けを求め、ラドン川に飛び込み、そのまま姿を消してしまいました。
パンはすぐさま駆け寄って彼女を水から引き上げようとしました。
引き上げた瞬間、彼が掴んだ物は、軽やかな風にそよぐ、一束の葦でした。
夢にまで見た甘い暮らしが消え去った事に嘆いて、パンは七本の葦を抜き取り、長さが少しずつ違うようにそれを切り、斜めに並べてロウで固定して笛を作りました。
この笛から彼は甘美な楽しい、シュリンクスの優しい声を思わせる妖音を奏でました。
彼はこの楽器を彼女の思い出のために、バカにされながら一生追い求めた彼女の思い出のためにシュリンクスと名づけました。
大いなる不幸を慰めようとパンは家畜の番をすることにしました。
そして彼は最愛のシュリンクスを思い起こさせるこの楽器を絶えず吹き鳴らしていました。