12年ぶりの再演です。
実は初演のチケットも持っていたのですが、諸事情で行けなくなったのでした。
初演は東京でしか公演がなかったのですが、再演は地方もある。
というわけでリベンジです。

初見ですが原作を読んでいるので結末は知っていました。
知ってはいたけどツライ、めっちゃツライ。
そしてそこで終わるんだ?と思った。
そこで終わるということはやはりこの物語はシドニー(井上くん)の物語なんだと感じました。

全体的にはグランドミュージカルでありながらどちらかというとストプレ寄りだなと感じました。
だからレミゼやミス・サイゴンと違ってどこか地味な印象は否めない。

井上くんが振られる役というのも珍しいなと思いながら観てました。
舞台始まってもなかなか出てこないし、出てきたと思ったら酔っ払いだし(笑)。
ただ、話が進むにつれて(ルーシーと出会ってから)段々変わったというのを丁寧に演じていたと思います。
逆に変わらなかったのは浦井くん演じるチャールズ。
この変わらなさをまた丁寧に演じていたと思います。
舞台的にいえばチャールズの方が見せ場なくて損だろうと思うし、実はこちらの方が難しい役なんだろうと思いました。
初演ではW主演と謳っていながら明らかに井上くん主演だったとの感想を読みましたが、そう感じなかったのはソロ曲が増えたから?
ヒロインルーシーの潤花さんは初見です(宝塚で観ているかもしれないけれど意識して観たのは初めて)。
お歌は…でしたが、佇まいがヒロインでこういう役は宝塚娘役の人にぴったりと感じました。
セリフ回しも自然で聞きやすく演技は良かったです。

いちばん印象に残っているのはドファルジュ夫人の未来さん。
この役初演は濱田さんだったんですね、すごく想像がつく(笑)。
歌がうまいのは色んな舞台で拝見しているので知ってはいたのですが、ここまでたくさん歌っているのは聞いたことがなかったので改めてめっちゃうまっと思った。

そしてミュージカル界のイケおじパラダイスやんと思ったw
岡さんでしょ、W福井さんでしょ、宮川さんにそしてさとしさん。
なんて贅沢な布陣なんだ(笑)!

気になったのは青いスカーフ。
シドニーがルーシーからもらった青いスカーフがものすごい伏線のようだったんですけれど、結局入れ替わる時にスカーフをチャールズに渡さなかったんですよね。
てっきり渡すもんだと思ってた。
最後までシドニーの手元にあったという点がまたこの物語はシドニーの物語だったんだと感じました。