だいもんさんのストプレというのも気になったのですが、共演者に池松日佳瑠ちゃんの名前を見てチケット取りました。
コンサートの活動は以前からされているけれど、本格的商業舞台は久しぶりじゃないだろうか?
私はSOMのリーズル以来だったので13年ぶりでした(数えた)。
マリア・カラスは名前だけは聞いたことがありました。
20世紀最高峰のソプラノ歌手であったけれど、全盛期は10年くらいしかなかったと。
ジュリアード音楽院で行われたマスタークラス(公開授業)を通して彼女の半生を描く作品。
観客を公開授業の見学者(聴講者?)に見立ててまずはカラスが語り掛ける構成が面白かったです。
感想はというと、だいもんさんが9割しゃべっていたw
他キャストはいるものの一人芝居を見ている感覚でした。
他の登場人物は3人の生徒、伴奏者、道具係のみ。
とにかくだいもんさんが圧巻でした。
スターのオーラ、セリフの説得力、そして弱さを表現するのがうまい。
今まで観た役の中でいちばんの当たり役ではないかと感じました。
彼女は一貫してテクニック面については教えていないのですね。
曲に描かれている登場人物がどのような心情であったか。
それは作曲家が教えてくれている、曲を聞きなさいという指導が印象的でした。
また、芸術に対する姿勢は生徒たちだけでなく観客(聴講者)に対しても訴えかけている(訴えかけられたと感じた)。
指導する合間に回想シーン(ここは完全に一人芝居)が入るのですが、彼女の挫折や弱さを浮き彫りにしてこれもうまい構成だなと思いました。
生徒は女性2人、男性1人。
テナーの男性は彼女の指導で上達し、彼女も素直に彼の歌に対して「感動した」と述べるのですが女性2人に対しては違っていたのは同じソプラノ歌手だったからか。
同じ曲を歌ったことがあるだけに厳しく感じました。
日佳瑠ちゃんはその内の1人でしたが、厳しかったのはもう1人の方に対して。
結局彼女は「自分がもう歌えないからって」と捨て台詞をはいて退場します。
ところで、日佳瑠ちゃんの衣装がロりっぽかったのですが一体いくつの設定だったんだろう?
3人の内2人は本物のオペラ歌手で日佳瑠ちゃんだけ違っていた(声楽は学んでいたとはいえ)のはキャスティングにどういう意図があったんだろう?
あと、道具係役・雅登さんを歌わせないのは贅沢な使い方(テナー歌手役のアンダーだったみたいですけど)。
演奏家さんがいい味出していた(音楽監督であって役者さんではないんですね)。
オペラをもっとわかっていたらより面白かったかも。
だいもんさんのマクベス夫人も観たくなりました。