この演目が発表された時には絶対観たいと思ったのですがコロナ禍でいったん延期になっていました。
もう観る機会がないかと思いましたが今回幕が開いて本当に良かったです。

観たいと思ったのはニール・サイモン作だということと、佐藤B作さんとの初共演ということの2点。
なんかめっちゃ共演しているイメージがあったのですが初共演なんですね。

あらすじは。
元ヴォードヴィルの大スターコンビであった主人公は現在なかなか仕事にありつけない。
そんなある日、マネージャーの甥が元相棒と名作コントをやってほしいという仕事を持ってくる。
どうやら過去に色々あったらしく、出演拒否するも稽古のために相棒がやってきてそれからどうなる?という話。

ほぼ2人芝居(+甥)という構成。
他の出演者は2幕からしか登場しません。

コントの話なので大笑いするような話かと思いましたが、2人の言動にくすっとするような話でした。
人間の可笑しみを描いたところがニール・サイモンっぽいなと思いました。
「お入り」と「どうぞ」の2つのセリフだけで最後まで引っ張れるのすごいわ。
腐れ縁って愛おしいなという話でした。
しかしながら、これを下手な人が演ったら1ミリも笑えなさそうで難しい戯曲だなと思います。
ドタバタでごまかせないから。
例えば、レイ・クーニーの「パパ、I LOVE YOU」なら割とごまかしききそうだなと思った。

50年前に作られた戯曲なので現在だとちょっとひっかかるところ(黒人やセクシーナース)などありましたが、やはりよくできた戯曲だなと思いました。

カテコでカトケンさんからちょっとだけ挨拶。
東京千穐楽ではまんぼうが終わる頃だったので人数制限があったようで、今回ほぼ満席の劇場見て皆さん感動していたようでした。
B作さんが特に感極まっていたようでした。
舞台はやはり演者と観客で作り上げるものだなと改めて思った次第です。
パンフレットに舞台の映像を販売していない理由(TV放送以外では確かに見たことなかった)が書かれていましたが、記憶にしか残らないからこその芸術を大事にしたいとのこと。
こだわりを感じました。