今年初観劇です。
「スルース」は四季で2回観ているのでストーリーは知っていたのですが、
なにぶん観たのがはるか昔だったもので覚えているかなと思いながら観ていました。
意外に覚えているものだった。
ちなみにその時のアンドリューが日下さん、ミロ(今回はマイロという表記)が下村さんでした。
今回はアンドリューが吉田鋼太郎さん、マイロが柿澤勇人くんで演出も鋼太郎さんということで気になったので足を運びました。
登場人物は裕福な推理作家アンドリューと貧しいが美貌のイタリア系青年マイロ。
アンドリューの妻の愛人であるマイロが彼の邸宅を訪ねる事から話ははじまります。
アンドリューの妻は金がかかる女、よって貧しいマイロに自分の宝石を盗ませ、それを金に換えればいい、
自分は保険金が入るからという計画にマイロが乗り・・・というお話。
やはりよくできた戯曲だなというのが最初の感想です。
一幕より二幕の方が面白かったのは、カッキーが良かったということ。
あの鋼太郎さんと渡り合えるカッキーいい役者だなと思いました。
で、一幕が乗り切れなかったのが「自分の宝石を盗ませる」というゲームをマイロが乗るというところが無理矢理だなと感じたところ。
うーん、あのアンドリューの誘いではマイロがこのゲームに乗ってこないだろうと思いました。
四季版ではそんなとんでも設定でも謎な説得力があったと思うのです。
吉田版スルースはなんだろう?一言でいえばベタな演出なんですよね。
一幕はバタバタしているのでおかしみがあって笑いがあるのはわかるんですけれど、
不穏な空気が同時にあるので笑いとあわさってぞくぞくするはずがそこがなかった。
カラッとしているんですよ、もう少し緊迫感が欲しいなと思いました。
二幕で面白くなったのはカッキーのターンに入ったからかもしれません。
一幕よりも自由に演技をしていたような気がします。
あと、四季版との大きな違いは・・・というとネタバレになってしまうので言えない(笑)。
明らかな違いはおいといて。
アンドリューがマイロにゲームを仕掛けたのはプライドを傷つけられたからだと思うのですが、
どの部分のプライドかが2人のアンドリューでは違うと思いました。
日下アンドリューは人種家柄が明らかに下に思っていた相手に妻を取られたという点、
鋼太郎アンドリューは男の機能が働かないという性的な点でプライド傷つけられたのかなと。
マイロ(ミロ)は単純にカッキー若いっ!と思った(笑)。
いや、下様はあまりツバメに見えなかったから(おい)。
しかし、リアルイタリア人には見えましたね。
観客の数は2階席はわからなかったけど、1階席は8~9割は入っていたように思います。
鋼太郎さんが「外に出るなと言われているのにこんなに来ていただいてありがとうございます」と言ってた(苦笑)。
カッキーは、「大阪大好きなのに口にしたのホテルのハンバーガーとカレーだけ」と。
次に来る時は美味しいもの食べて帰って欲しいものです。