芸文へは「チャイメリカ」以来です。

というわけで、3月以来のカトケンさん。
年1回の関西公演で、前日は京都でありました。
なぜか前回公演よりもずいぶん前にチケットを発売していたので取っていました。
本多劇場分が発売遅いのか(今回の公演も本多劇場分は地方公演よりもずいぶん後に発売だった)。

舞台は第二次世界大戦後のドイツ・ベルリン。
ナチ協力者として戦犯の疑いをかけられる偉大な指揮者フルトヴェングラーと、彼を尋問する連合軍取調官アーノルド少佐を中心とした話。
セットはアーノルド少佐の執務室から転換はなく、丁々発止な会話劇が見ごたえありました。
以前、筧さん(少佐)と平幹さん(マエストロ)で公演があったようでそれも観てみたかったな。

本人ばかりでなく周りからもマエストロは特別な人間だからというのに対してあくまでも同じ人間として裁こうとする少佐。
なぜそこまで少佐が執拗にマエストロを責めるのか、そして本当にマエストロがナチに協力していたのか。
色々な謎は解けるものもあり、観客に委ねられるものもあり、なかなか咀嚼できないところもあってもう一度観たいと思うものでした。

それぞれの思惑、新年、全くかみ合わない少佐とマエストロが最後まで噛みあわないながらもどこか共感できるところがあったのかと思わせるラストが印象的でした。

少佐役はカトケンさん、マエストロ役は文学座の小林勝也さん。
そして、オーケストラの第二バイオリンをやっていて最初はマエストロに敬意を払っていたが結局はマエストロを裏切る役が今井朋彦さん。
2人の迫力もさることながら今井さんの狡さがまた見事。
何度もカトケンさんの舞台に出ているイメージだったのが初出演なのが意外でした。
今回6人中カトケンさん舞台に初出演が4人(初出演ではない唯一の出演者は弟子の忍ちゃん)という座組みだったのでまた違った雰囲気だったようにも思えます。

筋肉は裏切らないがカトケンさんも裏切らない。

本当にここのプロデュース公演はハズレがないので観たことない方は是非観て欲しい。
カテコで来年もこの劇場で公演あるとお知らせしてくれたのが嬉しかったです。

年に一回でも来てくれるのは嬉しい。