ビクトル・ユゴー原作、韓国で制作されたミュージカルを輸入日本初演、ワイルドホーン音楽。
予備知識はこれだけ。
日本初演ということでチケット取る時点では評判などわかる筈もなくとりあえずこういう場合はB席で。

感想は。
B席で正解でした(苦笑)。
そして、無性にノートルダムの鐘が観たくなった。

唐突にシーンが変わりどういうこと?と戸惑い、逆に延々とソロがあって長いわ!と思ったり。

リズムが合わない。
何よりもこの話のテーマは何なの?ということか。

お伽話と思えばいいのか?
「永遠の愛」と言われてもそこまで強い絆を感じず、「貴族と貧民」「貴族の楽園は貧民の地獄」と言われてもそこまでの葛藤を感じず、
そして「笑う男」の醜さに対してのコンプレックスも感じられず。

美術や衣装は美しかったです、見せ物小屋のシーンも幻想的で美しかった。
絵本的な美しさですね。

しかし、「フランケンシュタイン」を観た時と同じような置いてけぼり感を感じました。
決して悪い出来というわけではないのだが中身が薄い、特に人物造形が。
好きな人は好きかもしれませんが「Not for me」でした(この言葉便利ね)。

特に何をしたかったんだ?と思ったのが浦井くん演じる主人公だったのですがね。
感情移入できない登場人物はデスノとかスリルミーなど色々いますが、感情移入できないなりにもこの人物はなぜこういう行動をしたのかは話が進むにつれて納得いくのです。
ただ、この主人公はさっぱりわからん。

わからないといえば結局禅さんは何をしたかったのか、何をたくらんでいたのかも最後までわからず。

また一幕まで観た限り主役が朝夏さんのようでした。
彼女の役がいちばんキャラ立っててぶれない。
彼女視点での話も面白いかもと思ったくらいでした。

祐一郎さんは祐一郎さんだった(いつも同じような感想になるが)。
しかし、彼の役も一貫してグウィンとデアをわが子のように愛した姿にぶれがなくて良かったです。
まあ、歌は(略)。

アンサンブルが実力あるのにこの舞台でうまく生かせていないなと思ったのはプリンシパルソロの時は本当にソロでコーラスがないんですよね、だからソロが長く感じる。
清水さんが良かった、というかデアを演じればいいのにと思った。

でも一度観たかったので観られて良かったです。