きゅうじゅうきゅうね~ん♪が頭から離れない。
というわけで行ってきました「スリル・ミー」。
土曜日が初演ペアの松下・柿澤ペア、日曜日が新ペアの成河・福士ペア。
元々土曜日はソワレ、日曜日はマチネだけだったのですがそれぞれマチネソワレと公演が追加されました。
でも同じ日に同じペアでマチソワって鬼のようだ(笑)。
私はその元々あった土曜日ソワレと日曜日マチネを観ました。
まず、土曜日の柿松。初見のペアもこのペアでした。
シャッフル公演があったけれどもやはりこの組み合わせがしっくりくる。
まず思ったのは柿彼めっちゃ松私好きやーんということ。
松下私が執着しなくてもハッピーエンドになれたはずなのにと切なくなる。
松下私はずっと片思いだと思っていたのだろうか、彼が自分のことを思っている以上に好きだったことに気付いてなかったのだろうか。
両想いだったことに最後まで気づいていない切なさがありました。
以前観た時はなぜ私があんなめちゃくちゃな彼を好きだったのかさっぱりわからず99年で腑に落ちたところがあったが、今回は最初からなぜ彼を好きだったのかわかるような演技だったな、2人とも。
柿澤彼はずっと愛を求め続けていて松下私に甘え依存していた、そして松下私もそんな柿澤彼を止めることができず依存し続けていた。
だからこそ、松下私があの計画を仕掛けたという流れは非常にわかりやすかったです。
「完璧だ」は以前の方がわかりやすかったけれど、今考えるとあそこがいちばんわかりやすかったのは万里生くんの私だったのかもしれない。
松下私が以前観た時より99年のところが狂っていて怖かった。
そして柿澤彼が松下私よりも以前観た時と印象が違う。
更に幼くなったからか、可哀想に思えるようになった。
ラストの「待ってたよ」はやっと2人が通じ合えたかのようなある意味ハッピーエンドに感じた。
松下くんの演技もカッキーの演技も改めて好きだなと思いました。
特に松下くんの底知れなさが好き。
そして成河・福士ペア。
演者が違うとこれほど違うものかと思う程別物でした。
もちろん台詞演出は全く同じなのに解釈が全然違う。
福士彼は清々しい程全く愛がない(笑)。
「私」のことは駒としか考えていない。
どこまで自分の言うことを聞くか試している、あくまでゲームのよう。
すらりとした容姿、その傲慢さゆえの色香が「私」を惹きつけるのもわかるなと思う。
ただ、福士彼は大人すぎて理知的すぎてああいった行動しかもすぐばれるような殺しはしなさそうという違和感はあった。
柿澤私は父の愛が自分に向いていないという弟へのコンプレックスで拗らせているのがよくわかるけれど、福士彼の場合そこまでコンプレックスを感じてなさそう。
そう、あくまでも「彼」は「私」から見た「彼」。
つまり本当に「彼」が主犯だったのかという疑いを持たせるうさんくささが成河私にはあったような気がする。
「私」が果たして真実をすべて語っていたのか。
福士彼に愛はなかったと書きましたが、かといって成河私に愛があったのかというとこちらもゲームだったんじゃないかと思う。
松下私はじわじわと狂っていたのに対して、最初から成河私は狂っていたのではないかと。
福士彼も成河私も自己愛の塊でベクトルが違いすぎる。
どうやっても重ならない気がします。
この2人だと絶対にハッピーエンドにならないし、自分たちのやったことを全く悔いてないと思う。
ある意味史実に近いのはこちらなのではないか。
結論は私は柿松の方が好きでした。
2人のハモリも美しかったし、改めて松下くんが好きだと思った。
ただ、どちらも見られて良かった。
違いがありすぎて面白かったです。
そして両チームのCDが欲しいです。