初ナイロンです。
ずっと気になっていた劇団でしたが、以前ケラさん演出の「8月の家族たち」が至極気に入っていつかは観たいと思っていました。
今回は再演作品でしかも評判のいいものだったので初めてをこの作品に。

休憩を入れて3時間半超えでしたが、全く長さ感じず。
過去未來行ったり来たりなのですが混乱することなく、どう話が転がっていくのかわからないという面白さであっという間でした。
長編映画や大河ドラマを観た濃厚さ、それでいて演劇でしか味わえない満足感がありました。

家族の歴史、継承、つながりを庭にある楡の木が見守っている。
そして、登場人物それぞれ色んなものを抱えていてそれぞれの人生が描かれている。
人物造形の細やかさがとてもいい。
個人的には大倉孝二さん演ずるエースがああまで堕ちていったのはこういうことだったのかという説得力が印象的。
本当にお母さん思いで妹思いで優しい男の子だったのに、それからの堕落ぶりが切ない。

主人公の犬山イヌコさんと峯村リエさんは12才から78才(別役として主人公のひ孫である4才児も)を見事に演じ切っていてすごかった。
12才の女の子は12才にしか見えなかったもの。

個人的には今のところ今年ベスト作品(今年まだあまり観ていないけれど)です。