京都会館時代から近くは何度も通っていましたが初めてロームシアター京都に来ました。
関西公演がここだけだったからなのですが。
せっかく岡崎まで来たのでちょうど近代美術館でやってたゴッホ展を午前中観に行きました。
東京で見逃していたのでいい機会でした。

さて、ジャン・アヌイ作「アンチゴーヌ」。
あらすじはさらっと予習してはいましたが初見です。
今回1階席は舞台が十字になっていてそれを囲むように4つのブロックに分かれた座席。
ある意味ステージシートで臨場感ありました。
見切れは結構あったので複数回観るなら2階席でも観たかったです。
そして途中からの入場はできない、またやむを得ず途中退出となっても元の席には戻れないという注意が何度もありました。
セットは椅子が2つだけというとてもシンプルなもので芝居だけで魅せる、というのが栗山さんらしい。

生瀬さん演じる法に縛られる王と、蒼井優ちゃん演じる法から自由な姪の王女アンチゴーヌ。
脇を固める役者さんも素晴らしかったし、何よりもこの2人のどちらも一歩も引かない丁丁発止な芝居に目が離せなかった。
蒼井優ちゃんは生で観たのは初めてなのですがなんて華奢で可憐でそれでいてなぜあれだけの強さを出せるのか。
そして10代の少女にしか見えない。
生瀬さんはいつも飄々としたイメージなのですがこういった芝居が出来るんだなと改めて感嘆。
声がいいことにも改めて気づきました。
絶対的な権力を持っているのにいちばん自由のない王の苦悩がすごく伝わってきていちばん感情移入できる人物。
逆に全く感情移入できないのがアンチゴーヌなのだが。
この悲劇はアンチゴーヌ自らが全部引き起こした悲劇。
ただ、感情移入できないが彼女の信念はダイレクトに伝わってくる。
2時間10分休憩無、面白い芝居でした。

ところでアヌイといえば四季ファンからしたら野村玲子さんのイメージ。
元々四季はアヌイやジロドゥの戯曲を演じていた劇団だったんですよね。
最近でも浅利事務所で玲子さん版アンチゴーヌを上演していましたが観たかったなと今回の舞台を観て思いました。
玲子さんがアヌイ女優だと言われるのすごくわかった。この役めちゃハマるだろう。