評判は聞いていましたがなかなか観る機会がなく今回やっとのことで初見です。
「あしながおじさん」の話は子供の頃読んだと思うのですが細かいところは覚えてなかった。
出演者は井上芳雄さんと坂本真綾さんの2人のみ。

演出を以前と大きく変えているとのことですが初見なので違いがわからない。

それでも十分心に沁みる温かいお話でした。
下手な人が演ったらかなり退屈な話になりそうですけれど、2人しかいないのに色んな登場人物が生き生きと動いているのが見えました。

真綾さんはエポニーヌで一度観たくらいでそのイメージが強かったため第一声を聴いた時「えっこんな感じの歌い方する人?」と思うくらいイメージが違いました。
歌声も素直で綺麗でしたがとにかく芝居が自然でうまい。
少女から大人の女性になる変化がわざとらしくなく間合いが絶妙。
何よりもこのヒロインがとても魅力的で彼女に感情移入しながら観られるのが心地よかった。
この役を彼女以外の人が演るのが想像つかないと思うくらいはまり役。

この作品は彼女あってのものだと感じました。

井上くんが「受け」に回るのが新鮮でした。
真綾さんとのデュエットでハモリに回っていたのがああ、こういう歌い方ができるのねという発見がありました。
ただ、井上くんが抑え気味な時は綺麗なデュエットなだけど、ところどころ前に出てくる時があってそこはもっと抑え目でもと思ったりも。
いちばんの聴かせどころである「チャリティー」はとても良かったのですが。
あそこの部分は井上くん以外の人が歌うのが想像つかない。
あと、ジミーに嫉妬しすぎ(笑)。
今まで観た井上くんの役の中でいちばん可愛い役でした。

2人の愛だけではなく、施しを受けるものと与えるもの、そしてそれぞれのプライド、また女性の自立についても考えさせられる作品であったと思います。

とにかく2人が可愛かった♪