8年ぶりのWSSで新演出版は初めてです。
観たのは同じ京都劇場。
正直この演目に対しては苦手意識が強かったので行くかどうか迷っていました。
でもせっかく京都でしかも割と長い期間やっているしなあと思い、月曜のキャス変を確認してからチケット取りました。
シンバ以外のあっきー観たかったし、美南ちゃんがステイだったので。
結論から申しますと行って良かったです。

苦手というのはラスト救いがないやん、トニー(とマリアもか)が余計なことしなければ、収まるところに収まっただろうにというイライラ感からです。
あとはいつも思うことですが、メインキャスト5人中2人が1幕で死んでしまう舞台って一体・・・(笑)。

ただ、今回はそうなるのも仕方ないねと思わせられたし、普通に歌とダンスを楽しむことができた。
新演出といっても細かく具体的にどう変わったのかは前観た時がなにせ8年前なので覚えていないのですが、 登場人物の心情をそれぞれ丁寧に描いていたからそう思わせられたのかなと思いました。
そんなわけで新演出の方が私には合っていたみたいですが、Overtureがないのは戸惑う!
あれはあかん(断言)!
あれがあるからこそ舞台の世界に惹きこまれてわくわくできたのに。
あと覚えてる限りの違いといえば、なぜかドックの店の中でのシーンがほとんど外だった。
なぜ?

また思春期が持つ閉塞感よりも人種差別、そして男女差別に対する閉塞感を今までより強く感じました。
前者に関しては演じている人が若さあふれるというものではないからというのは以前からでしたが(8年前敬二ベルナルド観ましたしw)、後者を強くうちだしてきたのかな。
特に女を下に見ているところが今までよりも強く感じた、だからこそ最後のマリアの強さが生きてくるように思いました。
アニタの例のシーンが直截的になったと聞いていましたが、昔の方がもっとえげつなく感じたのは記憶違いかな。
それよりもエニィボディズに対する扱いの方が気になりました。

メインを中心にざっくり役者感想。

あっきートニーが思ったよりいい。
シンバ以外ではスカイでしか観たことがなく、その時はシンバにしか見えないスカイだったが今回はそうでもなく。
トニーに対しては「あんたが悪い!」としか思えないのだが、あっきートニーはなんか仕方ないねと初めて思えるトニーだった。
歌は時々厳しい音域があったが、キャラ的に合っていたのかも。

そして山本マリアが良かった、特に2幕が。
ラストシーンで劇場全体に流れる緊迫した空気を1人で締めるところが素晴らしかった。
今更気づいたのですが、1幕の衣装は白で2幕は「Somewhere」のシーンを除くと赤なんですよね。

美南アニタは想像していた通り際立ってうまい。
有名なナンバー「アメリカ」よりもいつもは特に意識していなかった二幕のマリアとのデュエットが印象に残りました。

リフの上川くんはこういったキャラで観るのは初めてでしたがキャラは意外に合っていたように思います。
ちゃんとリーダーに見えたし、華がありますからね。
ただ、「COOL」はどうしても物足りないかな。

萩原ベルナルドは堅実な演技。
少年の焦燥感というより、人種差別により何もかもうまくいかないもどかしさというものが伝わってきたと思います。
美南ちゃんとのラブラブぶりを見るとボビーとポリーでも観たかったなあ。

あと印象に残ったのは松出ベイビージョンと林チノかな。
アクションは岩﨑さんより前観た西尾さんの方が印象強い。
松出くんは声に特徴あるのと踊りがしなやかなので遠くからでもわかる、お坊ちゃんぽくなくしっかりものベイビージョンでした。
あのシーンの後の悔やみ顔が印象的、とその前のクラプキナンバーのオネエぶり(笑)。
チノはね、この作品の中でいちばん可哀想な人だと思う(断言)。
大好きなマリアには振り向いてくれないどころかないがしろにされて、そのマリアが愛するトニーを撃ったもんだから自分だけ捕まっちゃうんだよ(あとはみんな死んじゃったから)。
可哀想すぎるよ、林さん(ではなくチノ)。

以上まとまりがありませんがおしまい。