加藤健一事務所公演を観るのは2年ぶりです。
以前は毎公演関西でもあり近鉄小劇場でやっていた頃はほぼ毎公演観に行っていた時期もありましたが、ここ最近、関西公演は年1回程(演劇鑑賞会での公演を除きます)なのでご無沙汰気味。
昨年はライフのアドルフと日程がまるかぶりで行けず。
今回もまだ大阪に近い芸文での公演はあったのですが、グランドホテルのチケットをとっていたので京都のアルティまで足を運びました。
一般公演ながらも客層は地元の演劇鑑賞会関係の方が多かったように感じました。
はい、とても年齢層高かった、私なんてまだまだひよっこだ(笑)。
原作はケン・ラドウィグ。
カトケンさんのところでは「レンド・ミー・ア・テナー」と「バッファローの月」を観たことがありますがそれとはまたちょっと違ったテイスト。
「クレイジー・フォー・ユー」の作者でもありますが、こちらに近いかな。
美術が乘峯さんということでトーマと同じ。
ポップな雰囲気でまた違ってましたが、白を基調とした感じが似ていたかな。
演出は鵜山仁さんで「モスクワからの退却」と同じ。
プログラムに載っていたカトケンさんとの対談では芳樹さんの名前もちらりと挙がっていました。
ああ、そういえば芳樹さんが出た公演分のバックナンバー売ってたの全部買っちゃったわい(笑)。
ストーリーは、子供ができなくなった若い夫婦の代わりに、彼らの親代わりでありながら犬猿の仲である男女が養子を引き取りにいってそれから・・・というもの。
まあ、結末はよめちゃいますがそれでいい(笑)。
テンポが最初はゆるやかで、以前はコメディだったらもっと最初からフルスロットルだったなと少し戸惑っていましたが、 徐々にテンポアップしていってなんとかのれた。
あいかわらず笑わせでもしんみりさせ、そして最後に大団円。
ほっこりとした気持ちになれる上質な舞台でした。
熟年カップル(カトケンさんと阿知波さん)が赤ちゃんをかすがいに徐々に心開いて寄り添う様がうまいなあ、そしてまたキュート。
阿知波さんが特に可愛かった♪
なので、1点だけ難を言えば若夫婦が下手ではないだけにもう一味欲しい。
グロリアがあんなにわがままでもなんだか許してしまうような可愛げ、そしてなぜクリスティがそこまでグロリアにべたぼれなのかという説得力がもう少しあったらなあと思いました。
若夫婦を演じていたのはカトケンさんの息子義宗くんと、高畑淳子さんの娘こと美ちゃん。
この二人を観ていたら「セイムタイムネクストイヤー」観たくなった(カトケンさんと高畑さんの2人芝居です)。
義宗くんも久しぶりに観たがまあしゅっとした男前になってー(親戚のおばちゃんかw)。
そして脇の2人は男性9役、女性8役。めまぐるしく演じ分けていてすごい。
男性は文学座の粟野さん、女性はカトケンさんといえばという加藤忍ちゃん。
特に粟野さんは本当に誰一人同じではなく本当に同じ人が演じているの?って思うくらいすごかった。
忍ちゃんも本当に器用。個人的にはナースが好き(笑)。
20代の頃から観ているけれど全然変わりなく可愛くてああ可愛い。
数年前ならこと美ちゃんの役がまわってきただろうなと思うとこういう役もできるんだという発見がありました。
終演後、アフタートークと交流会がありました。
これはチケット取ってから知ったんだけど(笑)。
そして、席で待っていたらみんな次々出ていくのでなんで?と思ったら会場はロビーだった(笑)。
アナウンスしてよー。
アフタートークは出演者が6人と少人数なので全員登壇。
司会者からの質疑応答に続いて、観客からの質疑応答で20分くらいだったかな?
司会者からの質疑応答で印象に残っているのは
・こと美ちゃんは自分の役について「動物のように演じなさい」と演出家から言われてキスもハグも動物的に演じた。
・義宗くんが自分の役についてなぜここまで受け身なんだと思っていたところ、ツアー中に動物園に行った際ライオンを見た。
雌ライオンの様子をじっとうかがっている雄ライオンを見てこれか!とわかったとのこと(笑)。
・忍ちゃんは8役というプレッシャーからか初演ではどう面白くしようか考えすぎたが今回は主役の2人との関係性を考えながらというのを心がけたそう。
観客からでは、
・映画ではカット割りがあるが舞台では場面の切り替えの時にどうやって気持ちを切り替えるかという質問。
カトケンさんは、長い時間稽古を重ねて段々気持ちが切り替わるようになるとのこと。
そして「皆さんへ」という質問だったので続いてこと美ちゃんが答えていたが、こと美ちゃんが答え終わった後「全員答えていたら少ししか質問答えられないでこれからは1人だけにしましよう」と仕切るカトケンさんさすが(笑)。
・阿知波さんに「ストレス解消法は?」という質問。
大きいお風呂に入るのとお酒が好きなので、スーパー銭湯などに行ってからお酒を飲むのがいちばんいい。
だから終わった後それができるマチネが好きだそう(笑)。
今回はソワレですよね、という話からカトケンさんが1公演しかない時はソワレしかできないんですよーと。 仕込みがあるから朝からやっても夕方までかかるので、マチネをするには複数公演が必要とのこと。
複数公演ができればいいですね、というまとめでした。
・義宗くんには親子関係についてだったかな?
昔は抵抗があって役者になるつもりはなかったけれど、同じ道を進んだ今は尊敬していますとのこと。
・忍ちゃんには「セクハラになるかもしれませんが」という前置きつきで「ナースの時はどこまでが自前ですか?」。
セクハラですね(笑)。
ナースの時は胸やお尻につめものをしていたのですが、忍ちゃんはにっこりと「全部自前です」。
終了(笑)。
アフタートークが終わってから交流会。
軽食や飲み物(有料)が用意されていて30分ほどとのことでしたが、知り合いもいないしどうすりゃいいんだ?とうろうろ。
俳優さんが順繰り回ってこられていたのでとりあえず握手だけして帰ろうとカトケンさんと握手。
「大阪での公演がなくなって寂しいです」には「適当な小屋がなくなって僕らも残念なんです、でも西宮はまだ近いですよね」と。
確かにまだ芸文があるのはありがたい。
で、聞いておきたかったことが1つあった!
「審判はもうやられないんですか?」それには「もう年だからね、死んじゃうかもしれないですよ、あははははは」だった(笑)。
アンケートに答えたら抽選でとらやの羊羹とか京都のホテルの宿泊券とか当たるとのことでくじひいたのですがはずれだった。
とらやの羊羹欲しかったー(笑)。