今年も軽井沢演劇部による智美術館のナイトミュージアムに行ってきました。
昨年の感想はこちら。
とても幻想的な雰囲気が素敵で気に入ったもので再訪。
今年のテーマはガリヴァー旅行記。
小人の国に迷い込む話で有名な第1章以外にも続きがあったようで、第1章から第3章は軽井沢で公演済。
今回、最終章である第4章の公演でありました。
受付でいただいたプログラムにはこのように載っていました。
プロローグ 山本芳樹
第4章「馬の国」
ガリバー 坂本岳大/矢代朝子
馬の主人 岩﨑大
海賊、水夫、船長、馬(青毛、栗毛、議員の馬、月毛 他) 山本芳樹
エピローグ 山本芳樹
もうこのキャスト表を見ただけで芳樹さんが何やらかしてくれるか期待大(笑)。
しかも、馬だよ、馬w
始まる前に展示物を観覧しました。
これは観ていて正解だったな。
小さくて愛らしくてまた神秘的な雰囲気がありました。
それがこの朗読劇にぴったりはまっていたように思います。
プロローグとエピローグは訳者原民喜によるあとがきを芳樹さんが朗読されていたのですが、赤い部屋の展示物の中からひらりひらりと現れる芳樹さんがとても美しかったです。
そして照明に照らされている赤い装丁の本をそっと取り上げて読み始めるという画が本当に美しかった。
肝心のストーリーですが、前述の通り小人の国の話しか知らなかったのでこういった話が続きにあるとは
知らなかったです。ただの児童文学ではなく、色んな風刺が効いていて深いなと思いました。
ただ、最初は単調だなと感じたのも事実。
ガリバーは地の文パートを矢代さん、会話パートを岳大さんが担当されていたのですが、地の文が続いたので昨年のチェーホフよりも少し間延びする感はうけました。
話が進むにつれてこの話の深みを感じることができましたが。
そしてなぜか、椅子が3つしかなくて矢代さんと岳大さんはずっといるのですが、最初は芳樹さんしかいなくて途中から大さんが入ると交代っていう感じの不思議な構成でした。
あまりにも大さんがなかなか出てこないから今日大さんいなかったっけ?と思ったくらい(笑)。
で、馬です。
昨年のフナに続いて人間じゃないものシリーズですか(笑)?
色んな馬を演じているのですがすべて演じ分けているのがすごいです。
なんなの、この人www
「やーふー!」「やーふー?」「ひひーん」など色んな声色使って演じ分けていました。
しばらくこの馬のいななきが頭から離れない(笑)。
月毛くんがとても可愛くて少年のようなお馬さんなのがつぼでした。
朗読劇は1時間くらいでした。
その後、アフタートーク。
美術館の学芸員さん司会でそれぞれ感想をということでしたが、最初に「イワサキガクダイさん」と呼んだことにうけました。
誰やねん(笑)?
どっちだろうと思っていたのですがどうやら岳大さんの方を呼びたかったみたい。
岳大さんには軽井沢では出演できなかったので今回初めてのガリヴァーであることへの感想、大さんには馬の主人という役柄について聞かれていたかな。
芳樹さんには色んな役を演じたこと、軽井沢ではガリヴァーを演じたことなどなど一気に聞かれたので、
「何からお伝えしたらいいのか」と戸惑う芳樹さん。
しかしですね、ここからが長い。
芳樹さん饒舌すぎて何しゃべっていたのか覚えていないくらい(おい)。
普段あんまりしゃべらないけれどしゃべり始めたら長いんだ、この人(笑)。
饒舌といっても途中で考え始めて時間止めるからまた長いのだwww
本当に「何からお伝えしたらいいのかわかない」状態でありました。
おそらく色んな想いが詰まっているんだろうなと感じました。
覚えている限りでは、
・展示物の間を練り歩きたかった。朝子さんに頼んでこの部分を入れてもらった。
プロローグとエピローグは軽井沢の時とは違う。
・何百年も前の話だけれど岳ちゃん(この呼び方可愛い、大さんには大ちゃんだった)が話したように(先に岳大さんが話していた)、 まったく古臭くなく現在にも通じる話だ。
・(色んな役を振られたことについて)軽井沢では今回よりも更に多かったので全部で30役くらいあった。
香盤表を見た時、無理だーって言いましたとのこと。
しかも馬ってwww
矢代さんが無茶ぶりしたのか(笑)。
・こういう時代だからこそ確固としたものを持たないと、という話は以前トーク&ライブで冨田さんが話されたことだなあと思いながら聴いていた。
というのを考え考えながらしゃべっていたのでご本人も「収拾がつかなくなった」(笑)。
しかしですね、「収拾つかなくなったからもうとばしてくれていいですよ」と言いながら「まだ話すことがあるんですけれど、いいですか?」と言うもんだから岳大さんが「1つだけにしておきましょう」とも(岳大さん、お兄さんみたいw)。
で、結局どんなことしゃべったんだっけ?
着地点が見えなかったwww
とにかくその後、司会の学芸員さんが芳樹さんの話したかったことをうまくまとめてくれたなあということしか覚えてない(笑)。
最後に矢代さんが今回この作品を選んだ理由、そしてあえて原民喜の訳を選んだ理由を語った後、軽井沢高原文庫館長でもある加賀乙彦さんを紹介。
関係者席に座っていらっしゃる上品なおじさまは誰なのかなと思っていました(笑)。
加賀さんのお話の後、終わったのは8時過ぎくらいだったと思います。
昨年同様幻想的な雰囲気で、しかも声の響きがとてもよく素敵な空間を味わうことができました。