KAAT版を観てからのStudio Life版観劇。
初見の感想です。

台本がドイツ編と日本編と特別編と3本あるという役者泣かせな構成(笑)。
そして特別編を除いてカウフマンとカミルがそれぞれWキャストなので5パターンあるというおそろしさ。
今回はYG→YJのマチソワでした。
この演目でマチソワきつい(笑)。
MGはこの後大阪で観る予定ですが、MJとS(特別編)が観られないのが残念。
せっかく年1回の大阪公演なのだから全部来てほしかった(涙)。

チームごとのキャストは公式見てください(手抜き)。
チーム名に含まれている「Y」は芳樹さん、「M」は松本さんがカウフマン役で「G」がドイツ編、「J」が日本編です。
結局他に深い意味はあったのだろうか?

最初と最後は同じで枝分かれするエピソードが違うとのことでしたが、 最初から違ってたんですけど(笑)。
原作を読んでいなければドイツ編の方がわかりやすいと思いました。

補完する意味で日本編。
それぞれの良さはあるが、カウフマンの変遷がしっかり描かれている点においてはドイツ編の方が私は好み。
日本編でのみパレスチナシーンを繰り返していたのですがその意味合いが私には良くわからなかった。

どちらを観ても話はまとまっているということでしたが、やはりこれは2本観てやっと1本になると感じました。
それぞれで省略されているエピソードが別編で補完されているため。
秘密文書の謎についてやアドルフ以外についての人間ドラマが描かれているのが日本編なのですが、いちばん描かれるべきは3人のアドルフが戦争によってどのように運命を狂わされたのかということだと私には思います。
ドイツ編が好みと書きましたがその意味でドイツ編でももう少し深化したものを観たかったなと。
ただ、どちらも2時間程にまとめているので見やすくはなっています(初演では3時間程あったとのことですので)。

舞台セットはシンプルかつ尖ったイメージ。映像が映し出される画面が三角形、八百屋舞台も三角形、カブト虫の木のモチーフも三角形ということで、3人のアドルフを象徴しているのでしょうか。
しかも正三角形ではないところが歪さを表しているのか。
あの八百屋舞台は非常に動きにくいだろうと思います。
そして床に咲いている花は遺産の時の使い回し(笑)?

ラストシーンはKAAT版より救いがあります。

甘いといえばそうなんだけど、少年時代のシーンリプライズという構成は泣ける 。
この頃はあんなに幸せだったのに、とても仲良しだったのにというのがとても伝わります。

KAAT版ではあまり二人の友情部分を掘り下げていなかったように感じたのが物足りなかったので。
ただ、カミルが自分の父親を殺したのが誰かわかったというところが省略されているとパレスチナの対決シーンの意味がよくわからないと思うのですが。
最初にカウフマンが人を殺したのが良く知っているカミルの父親であったというのが彼の人生にとっていちばん大きくそこから段々周りに染まっていくんだと思いますし。

芳樹さんは無垢な子供時代から教育という名の洗脳をうけ、段々周りに染まっていく経年変化を繊細に演じているのがさすがだと思います。
「アリさんだー」の可愛さ異常!

ますます若返っていて怖い(笑)。

半ズボン姿全然違和感なくて実年令を考えると怖すぎ(怖がりすぎ)。
いや、イベントとかでお見かけする時はやはり年相応だなと感じるのですが、化けるなあと思うわけで。
ほわんほわんとした子供時代からまだ染まりきっていないAHS時代でも微妙に歩き方やしゃべり方など変わっているんですよね。
そして、中尉になってからのレストランのシーンで最初に登場した時一瞬誰かわからなかったくらいの変わりよう。

ミーハー的にはサスペンダー半ズボンのカワイコちゃん、軍服姿の酷薄さ、スリーピースにトレンチコートという大人のかっこよさなど全部似合っていて素敵♪

「道化でござい」は芳樹さんの本領発揮。
居場所をなくした叫びでした。
由季江の「親子3人で」というセリフは本当に残酷だなと思う。

カミルはカウフマン程多く描かれてないため難しい役だなと感じました。
奥田さんはさすがにうまいんだけれど、なぜか今回少し物足りない。
Wの緒方さんをまだ観ていないのでどのような違いがあるのかを比べたい。
ただ、芳樹さんとの演技の相性はいいと感じました。2人の関係の変遷もきっちり描かれている。
だけにラストシーンが哀しい。

曽世さんもセリフ回し滑らかでさすが締めるところは締めるんだけど、狂言回しとしての立ち位置と登場人物の峠としての立ち位置が難しい役だなと感じます。
あと、漫画的な動きは笑っていいんでしょうか(笑)?
1人漫画チックでどうすればいいんやら。
追いかけっこのところは追いかける側も漫画風にした方がいいんじゃないのかと思ったり。
あと公式ブログでうさみるが描いた略図の意味がようやくわかった(笑)。

甲斐さんのヒトラーはヒトラーそのものですね。写真から抜け出したよう。
しぐさなどものすごく研究されているのがよくわかります。
ヒトラーとエヴァ・ブラウンの関係、そしてヒトラーの心情についてはKAAT版の方が細かく描いていたのでこちらの方が好みでした。

もう一人の「アドルフ」であるヒトラーにももう少しスポットが欲しかったなあと思った。

女性陣はKAAT版の方が演出的に記号のような感じだったので、宇佐見くん演じる由季江の可憐さ、久保くんのエリザの凛とした美しさがそれぞれ魅力的で良かったです。
すぅさんの小城先生がまたいい味出していていい!

他、若手の成長ぶりが目を見張りました。
本当に何役もやっていて早着替えとか大変だったと思うんですが、私は特に澤井くんが印象に残りましたね。

あと、仲原さんの芳男も良かったけれど、教官やナチ軍人の硬質さが非常にはまっていて良かった。

ランプとミッシェがどちらも倉本さんだったのはちょっとややこしい。
ミッシェといえば山を逃げ回ってミッシェに見つかった時の芳樹さんの顔芸はいかがなものかと。
あれ、おっさんやん(笑)。

なんか書き足りないけれど本編はこのへんで。
次観るのは来月の大阪なのでどれだけ変わっているか楽しみにしています。

さて、ソワレ後トークショーがありました。
タイトルが「レストラン・ズッペを救え! ?求む!節約と耐乏を旨とした低コストレシピ?」。
なんじゃこりゃ(笑)?
つまりは節約レシピ紹介です。
カテコ後、間髪入れず始まるトークショー。余韻も何もあったもんじゃない(笑)。
司会は峠夫妻でした。
このタイトルいうのに何度もカミカミだったけれど(笑)。

全員参加でしたが、全員披露する時間もないので披露したのは仲原さん・江口くん・久保くん・芳樹さん・大村さんの順。
みんな舞台上で思い思いの位置に座り込んでいましたが、芳樹さんだけ椅子が用意されていたのは金曜日に腰を痛めた影響のよう。
マチネではあまり感じませんでしたが、ソワレでは少し腰をかばっているような気はしました。
早く良くなりますように。

芳樹さんは少年時代の恰好なのでほわんほわんとした歩き方で登場。
「ママー。ケーキ作ってー」と司会のうさみると即興掛け合い(笑)。
か…可愛い(お約束)。
その後「山本芳樹です」と普通のテンションで自己紹介したので、「テンション違いすぎー」とつっこむ曽世さん。

レシピは馴染みの飲み屋さんのパパが「ヨッキー、これ食べてみて」と出してくれたのが美味しかったので教えてもらったとのこと。
ヨッキー再びということで「今あなたなんて言いました?」とつっこむ曽世さん。
ちゃんと拾ってくれるところが優しい(笑)。

作り方は油揚げとベーコンをかりかりに炒めたものをご飯に乗せる(ベーコンはカリカリが好きって言ってた。油揚げとベーコンなので油をしかなくてもいい)→豆腐を切らずにスプーンですくって入れる→めんつゆをかける→できあがり。
シソを入れても美味しそう。

飲んだ後の〆にぴったりで胃もたれしないそうです。

タイトルは〆丼。

そのまんまや(笑)。

話している途中終了時間を知らせるベルが鳴り、すかさず「もしもーし」というのも可愛かった♪

芳樹さんのレシピは好反応でしたが、最後の大村さんの中華クラゲの和え物ということで実際作ったものをタッパーに入れて持ってきたため皆どよめく。
「言ってくれていたら俺も作ったのにー」という芳樹さんが本日のハイライトであった(笑)。

すねるのもまたかわゆす♪
勝手にみんな食べ始めて、遠い位置にいた甲斐さんなんて舞台横切って食べにきたりフリーダム(笑)。
拍手でどれが良かったか決めましょうということになったのですが、これ大村さん優勝やろ?という流れでそのまま優勝。
HPにレシピが載るらしいです(笑)。

ちなみに仲原さんは鶏鍋。劇団の鍋番長らしい。
材料はすべて肉のハナマサで買い、スープも全部そこ。
倉田さんに味を褒められた時に「頑張って出汁取りました」と自分の手柄にしたらしい(笑)。
江口くんは二品紹介。「ペペロンチーノ風もやし」と「じゃがカレーケチャップ炒め」
「もやし?」とつっこむ宇佐見くんに「パスタが良かったらパスタにしてください」、
「それって結局もやし炒めだよね?」とつっこむ甲斐さんに「ペペロンチーノ風ですから」と返す江口くん。
先輩たちに負けてないのがすごい(笑)。
久保くんはエリザの衣装にエプロンつけて登場でとっても可憐でした。
でも低く小さい声で「エリザです」と出てきたので、声ちっさーとつっこまれてた(笑)。
「くぼゆうじです」と言い直した声も低くて格好とのギャップが…。
レシピは片栗粉餅。
「皆さん、片栗粉ってご存知ですか?」の第一声に「お客さん敵にまわしたね」とつっこむ曽世さん。
水で溶いた片栗粉をお湯に入れるとおもちみたいになるのでそれにきな粉をかけたりシナモンパウダーをかけたりして食べたら美味しいとのことでした。

これらのレシピもリクエストがあったら載せるかも?とのことでした。

最後に公演日程の案内。「梅田芸術劇場シアタードラマシティ」という時の宇佐見くんの「梅田」というイントネーションに総つっこみ(笑)。
おそらくネイティブが主となっていたと思われる(関西人多いもん)。

どうやら前日もつっこまれていたらしいです。
うん、あのイントネーションはあかんw
「うめだ」の「う」が上がるイントネーションなのでした。

本編とギャップ有りすぎなトークショーで楽しかったです(笑)。