もう忘れかけそうですが備忘録としてジョン・ケアード演出「十二夜」の感想さっくりと。
意識しないでチケット取りましたが大千秋楽の日でした。

なので、小西さん、中嶋さんから続けて音月さんの挨拶あり。
そこで締めかと思ったら音月さんが橋本さとしさんに投げる。
無茶ぶりされたさとし挨拶グダグダ。そこも可愛い(笑)。

で、本編。
全体的な感想としては非常に上品で美しい舞台でした。
舞台セットも森の息吹を感じるような美しさであり、演出が非常に品がある。
2階席から観たので全体が良く見えて特に美しく感じました。
逆に1階席の方が位置によって見切れが多いセットのようにも感じましたが。
弦楽器の調べから始まるのも素敵だし、悲哀あるラストも綺麗にまとまっている。
この話で報われないマルヴオーリオ・アンドリュー・アントーニオが最後に残されるというところがなんともいい。
忘れがちだけどサー・アンドリューも全然報われないですしね(笑)。
上品すぎて一幕の展開がまだるくてちょっと冗長な部分もありましたが、二幕はテンポアップで楽しく観ることができました。

物足りない部分はトキメキかな。
まあ、本自体が無理矢理ってところもあるけれど(オーシーノ侯爵→ヴァイオラ、オリヴィア→セバスチャンとかね)、それでもそれぞれのキャラクターの恋情があまり見えなかった。
ヴァイオラがいつオーシーノ侯爵に恋したのかもよくわからなかったし、サー・トービーとマライアはただの熟年カップルにしか見えなかったし(聡明なマライアが悪だくみに加担したのはサー・トービーが好きで好きで仕方ない切なさからなのに、ただの悪いおばちゃんにしか見えなくて切なさを感じなかったので)。
いちばん恋しているのがわかりやすかったのがマルヴォーリオだったという(笑)。

で、マルヴォーリオが愛らしすぎてなんだか可哀想だったなあ。
そこまでいじめなくてもいいのにーって。
本当にさとしさん可愛いわー。

黄色い靴下うけていたから大丈夫(うけるかどうか不安だったと挨拶されていたのでw)。

そしてこの舞台完全にフェステが主役でしたね。
それぞれの登場人物がフェステの手のひらの上で踊らされているように感じました。
フェステ役の成河さんは初見でしたが、話をひっぱっていく力があり、歌もうまい。
どんな色にも染まりそうで他の舞台でも拝見したいなと思いました。

主役の音月桂さんも初見。あまり男役のイメージが強くなくて普通に女性に見えるけれど(日本語変だけどなんとなく言いたいことわかってくださいw)、女性が男装しているヴァイオラと本当の男であるセバスチャンの演じ分けは見事でした。

で、今回の舞台は双子が一人二役。

途中まではいいけれど、再会のシーンをどうするんだろうというのが気になっていました(というのは皆さんそうだったんでしょうが)。
もう舞台は終わっているのでネタバレいいかな。
前述通り、私は2階席だったためセバスチャンが登場する前のドタバタの間ずっと音月さんの動線チェックしていましたが下手の壁のあたりでさりげなく入れ替わったのがよくわかりました。
双子ダミーはアンサンブルの方だったんですね(この方も元宝塚なのか)。
そして、シザーリオが黒、セバスチャンが赤のたすき(?)というお約束だったのが、二人ともたすきを外したのでどっちがどっちなのかわからなくなるというのが面白い。
重要なセリフを言う方が音月さんということでシザーリオ(ヴァイオラ)になったりセバスチャンになったりと忙しかったですが観ている方戸惑う(笑)。

他に気になったキャストは。
禅さん安定の可愛さ。
西牟田さんのおばちゃんぷりが何気にショック(笑)。
ヒロイン役の印象が強いもので。
スンラさんがどこに出ているのかよくわからなかったが(私は目が悪い)、声でわかった(笑)。

で、私は「十二夜」はLife版のDVDでしか観たことなかったのですが、
どちらも翻訳(松岡和子さん)が同じなのでセリフが完全に一緒なところ多々あり。
ずっと脳内では違う映像が流れて困ってしまいました(笑)。