何度目?の再演スリル・ミー。
大阪公演は2回目で2年前と同じく1日マチソワのみです。
でも2年前は平日マチソワだったのでまだ土日休みの社会人には優しい日程(笑)。
元々NHK杯を観ようと思っていた日なのですがチケットが全く取れなかったので、こちらに予定チェンジしてました。
そんなわけでギリギリにチケット取ったため、プレイガイドではすでにソワレは売り切れ。
マチネのみの観劇です。

前回は柿澤松下ペア。今回は伊礼田代ペアということでまたがらりと雰囲気が違っていました。
ちなみに前回の感想はこちら


2回しか観てないため細かい考察はできませんので(それは他に任せるw)、ざっくりとした感想。

この演目は「私」が肝だと思うのですが、今回の組み合わせだと特に万里生くんの「私」が色んな意味で強かった。
ある意味一人芝居のようでした。
その強さを引き出していたのが伊礼くんの「彼」だと思うのですが、ただ本当に触媒的な役割に見えた。
なので、オリジナルパートナーの新納さんだとどのような感じだったんだろう、観たかったなあと思いました。

同性愛を取り上げているという部分で「春のめざめ」とかぶるところはありますが、それ以外に関しては全然違うと思っています。
「めざめ」は思春期の衝動といっても殺人や放火までいかないもん(笑)。
思春期独特の痛みにおいて「めざめ」では多少なりとも感情移入できるところはあってもこの演目にはないですから。
そんな全く感情移入できない物語にどこまで観客を惹きこめるかというのも大きいと思うのですが、その意味では最初に観た時よりは、最後まで目が離せない感じは受けました。
これは次にどうくるかわかっているというのもあるかもしれませんが。

柿松の時は彼の計画に乗っかって私が仕掛けたように見えたから二人の関係がガラリと大きく変わる瞬間というのを感じたけど、今回のペアは彼の計画自体私が仕組んだように見えて最初から私が主導権握っているように感じた。
本当に最初から筋書通りという感じで。
「完璧だ」という部分とメガネ落とすくだりは松下くんは伏線があるのを結構わかりやすく演じていたけど万里生くんはさりげなかった。
初見だと見落とすレベル。

そして護送車に乗って勝利を確信している時もまだいつもと変わらない調子で実に怖い「私」でした。

だからあまり二人の「愛」は感じなかったな。
柿松も前半はなぜこの「彼」に惹かれているのかさっぱりわからなかったが ラストでこの「彼」だから惹かれたんだろうなというのを感じることができたんだけど、今回はあまりそれを感じなかった。

色んな組み合わせで観たらまた違ったんだろうなあ・・・なんで大阪一日だけやねん(笑)。

歌は聞きごたえありました。
他のペアは観てないけれどおそらく3ペア中ではいちばん安定感あるペアだったと思う。
メロディーはあいかわらずキャッチーで頭から離れない。

離さない、離れない(笑)。
ピアノは前の時の方がより不協和音を感じたんですが、ペアによって弾き方が違ったりするのかなあ。

しかし、音楽の力も大きくていまだに色々ひきずる作品ですね、これ。