まずはこの週末の遠征スケジュールについて。
いちばんの目的は「Friends on Ice」(これも改めて感想書きたい)。
毎夏恒例なのですが昨年行けなかったので2年ぶりでした。
元々日曜日の昼狙いで土曜日は何か四季を観ようかなと 思っていたらチケット取れず。
なんとか土曜日の昼を譲ってもらったためスケジュール組み直し。
日曜日はちょうどJCS楽だったので予定入れて土曜日ソワレはもともとLMを入れてました。
まあ、諸事情で手放しましたが(お察しください)、さて土曜日夜どうしようと思ったらなんとまあ気になっていたこの朗読劇がちょうどこの日にある!
はまりたての私のために(笑)。きっと「うんめえ」なんだわ。

既に満席とあって諦めていたのですがもしかしたらキャンセル待ちあるかも?と背中押されてダメ元で電話したらなんとか入ることができました。

で、このナイトミュージアムとは閉館後の美術館で軽井沢演劇部の皆さんが朗読をするという企画でした。 軽井沢演劇部のメンバーは矢代朝子さん中心に坂本岳大さん、そしてスタジオライフから山本芳樹さんと岩崎大さんの4人。
矢代さんはお名前からして毬谷友子さんと姉妹かなと思っていたらやはり毬谷さんのお姉さんなんですね。
岳大さんはDVDでは拝見していたけれど生では初めてでした。

会場の智美術館は虎ノ門にあり、ホテルオークラの近く。
地図を見ると最寄駅がたくさんありすぎて全く土地カンない私にはどう行けばいいかよくわからん(笑)!
とりあえず駅を降りていちばん道がわかりやすそうなルートを選んだら全く迷わずに行けました♪

朗読劇が始まるまで展示物を観覧することができ、じっくりと味わうことができました。

さて、朗読劇はチェーホフの「かわいい女」を原作とした「かわいい」だけの予定だったのが短編2作も追加してくれて18時半から始まり約1時間半の公演でした。

普通こういう企画は併設されているホールなどで催されるものですが、今回展示室そのものを舞台と客席にするという今まで経験のないものでした。

展示室は赤い壁の部屋と緑の壁の部屋があり、アーチでつないでいるという間取り。
緑の壁の部屋に客席を作りアーチを背に真ん中が舞台。
後ろの赤い壁の部屋が借景となって奥行きある不思議な空間の中での朗読劇は異空間に来たようで趣ありました。
そして展示物はそのままで展示物に囲まれた中で朗読を聴くというのもこれまた不思議な感覚。

最初の「お婿さんとパパ」は娘を結婚させたいパパと結婚したくなくて嘘を重ねていく男の話。

パパが岳大さん、男が大さん。
どんなに結婚できない理由を並べても諦めてくれないのが面白かったです。
芳樹さんは近所の人などの役でちょこちょこ入ってくるのですが、最後の医師役でのオチの付け方が見事でした。
最初に観た時の印象も大きいのですが締め方がうまい役者さんだなと思う。

次の「魚の恋」では始まる前に「ふな」役の芳樹さんが大さんと岳大さんにストールでぐるぐる巻かれてなすがままになっていたのがめっちゃ可愛くて可愛くて♪
ふなが人間の少女に恋するという話でしたがあまりにもふなが濃すぎ(笑)。
途中芳樹さん、自分でやっていて吹き出していたやろw
というわけで結局なんだったのかよくわからんまま終わってしまった(笑)。
ふなが猪木だった←
オチがかなりシュールなのはロシア文学だからなのだろうか。
それは最初の「お婿さんとパパ」もだけど。

芳樹さんはナレーションとふなの役をくるくると演じ分け方が鮮やかだと感じました。
誰でもない、役が入っていないナレーションの時のニュートラルな語りは本当に絶品だと思う。

最後の「かわいい」は結婚するたび(付き合うたび)に全てその男に依存する女の半生を描いた作品。「こんな女実際にいたら嫌だと思うが、矢代さんが演じると可愛く思えた。
矢代さんが最初に赤い壁の部屋の奥からふわふわと登場されたのがとても幻想的でした。

猫の鳴き声と「かわいいっ♪」のガヤは今でも思い出すと笑えてくる(笑)。

アフタートークではふんわりお姉さんに弟達という雰囲気でなごなご。
芳樹さんはやはり人の話を聞いているのかどうなのか基本的に表情変えないのだが、真顔で面白いことつっこんでいるのを見てああ、聞いていたのね?と発見(笑)。

矢代さんが展示物に囲まれて登場する時お客さんからどのように見えたでしょうね?という話から岳大さんが「後ろだから僕たちからは見えなかったけど」と話していたらそれまで話に参加していない芳樹さんが突然「可愛かったと思いますよ」と棒読みで言って爆笑を誘っていました。
表情変えずに言うから面白いんだ。

あと、軽井沢でも今回の美術館でも奥行き使った演出になったため、矢代さんが「今年のテーマは奥行き」と言ったことに対して「理由は後付けですけどね」とこれも真顔でツッコミいれてるのも面白かった。

やはりこの人関西人やわ(笑)。

しかし、話前後しますが司会の美術館の担当の方に「教会や他の美術館との公演とで違いがありましたでしょうか?」と真っ先に話ふられた芳樹さん。
「僕、教会は出ていないんですけど」と返し、これまた爆笑を誘っているボケっぷり。
つっこみもボケもできるのね(笑)。
「いや、他は出てるじゃないですか?」と岳大さんにフォローされていてどちらがお兄さんなのかわからんw

そして最後に「そろそろ8時になったので」と締めようとする司会の方に「もうちょっといいでしょう」と伸ばしてくれた時の笑顔がきゅんきゅん。
はああ、きゅんきゅん(何か壊れている)♪

男性陣は白いシャツにベージュのパンツにサスペンダーというのが制服なのかな。
トーマの時よりも髪を短くしていてとてもお似合いで素敵。
はああ、きゅんきゅん(もうええっちゅうねん)

朗読劇は石丸さんが退団して初めて出た「イノック・アーデン」くらいしか経験なかったのですが(余談ですが、この舞台本当に素敵だったので再演して欲しい)、普通の舞台より更に観客の想像の余地が多いのでそれがまた楽しかったです。

今回の作品展の作者さんも同席されていてどういったコラボレーションになるかと思って楽しみにしていましたが本当に素敵でしたとおっしゃっていました。

軽井沢演劇部の皆さんは演技プランがまたそれぞれ違っていてそれでいてバランスが良くて本当に素敵でした。
矢代さんのふんわりとした優しい演技、岳大さんの朗々とした語り、大さんのまっすぐな演技(「かわいい」の時の少年がいちばん好き)、芳樹さんの七変化ぶり(笑)。

来夏は本拠地の軽井沢にも足を運んでみたいなと思いました。