東京では春やっていたのにこちらでは夏真っ盛り(笑)。
やーっと観られました。
Wキャストでの今日の出演者は画像の通り。
私の方針としては東宝ミュージカルの場合、基本的に1回全力投球。
気に入ったらリピート。
ということでその1回のキャストを誰にするかを吟味するのも全力投球。
決め手は…
まずは当然石丸さん。
あとは四季退団以来観ていない梨絵ちゃんが観たい。
そしてロビンとフェリペは歌唱力で(笑)。
最後にべスということで花總さんは以前モンテクリスト伯で
観たから観たことのない平野さん。
ということで今日になりました。
結果的に歌は皆さん上手ですし、クンツェ・リーヴァイの音楽は心地よく満足でした。
ただ、色々もったいないなあというのがいちばんの感想です。
チューダー朝の歴史に関しては世界史で習ったなあという遥か遠い昔の記憶しかなく。
生涯独身を貫いたエリザベス1世が少女から女王へどのように成長していったのかを描きたかったんだろうというのはわかるけれど、色々欲張りすぎて何か散漫な印象を受けました。
なんといってもこの話に入り込めないいちばんの要因は主役であるべスがいったいどういう思想と信念を持っていたのか、そしてどのように女王への責任を自覚し始めたのかというのがきっちり描かれていないことのように思います。
一幕は常に流されていて(プロテスタントの思想を固持しているところだけはわかったが)、全体的な流れとしても「レデイ・べス」という記号としての存在感にすぎなかった。
まだ一幕ではそれでもいいと思ったのですが、二幕でのべスの成長ぶりというのがあまり感じることができず。
これは平野さん自身の演技プランなのか脚本のせいなのかわからなかったのですが、主役の視線で舞台を観られないのが結構つらい。
平野さんは歌うまかったし可愛らしかったんですが、いい意味でも悪い意味でも庶民的な可愛さで高貴な感じが見えなかったのも・・・。
こういうのは絶対花總さんがずば抜けているだろうなと観てないけれども思いました。
そしてロビンですよ、いちばんの問題は。
唯一架空の人物です。なのでもっとちゃんと人物設定を練り上げてください(笑)。
行動破たんしまくりです。彼はいったい何をしたかったんですかね?
というくらい流されっぱなしで。
これも育三郎君の演技プランなのか脚本のせいなのか(すべて脚本のせいにしているw)わかりませんが、ベスに出会ってどこで惹かれて恋に落ちてそしてベスのことをどう想ってどこで諦めつけたのかいまいち流れがわからないので、二人の恋の行方などどうでもいいや(笑)となってしまうのでダメなんではないかと。
いちばん印象に残ったのは梨絵ちゃんのメアリー。
京都でピコ観て以来だからいったい何年ぶりだろう?というくらいお久しぶり。
歌も迫力あるし、誰にも愛されなかったという悲哀を感じてすごく魅力的な・・・というかメアリー主役にしても面白かったのになと思うくらい感情移入してしまいました。
ベスとの和解が唐突な感じがしましたがこれは明らかに脚本のせいだろう(笑)。
梨絵ちゃん他の役でも色々観たいなあって思いました。
ドナ客演とかどう(笑)?
フェリペはおいしいよなあ(笑)。この中でいちばんおいしい。
バカばっかりやっているけれど実はすべて色々わかっている知的さがあるという点でフィエロを彷彿いたしました。
平方くんは良くも悪くも清廉な感じがするのでもっと毒があってもいいかなとは思いましたがこの役はおいしい(リプライズw)。
禅さんと圭吾さんはベテランならではのお遊びあり(笑)。
面白いなあ、悪役なのになんて和むペア。
禅さんの死にっぷりがあっけなさすぎて涙出ました(笑)。
この二人も役不足でもったいないけどいちばんもったいないのは
涼風さんだなあと。この役涼風さんでなくてもいいんでは?と思うくらいの出番の少なさ。
きっちり舞台を締めているところはさすがだなあと思いましたが。
和音さんのアン・プーリンの出番はもう少しポイントを絞った方が印象的になったんではないかと思いました。
以前一度だけ観たことがあるけれどあいかわらず綺麗な歌声だなあ。
で、最後に石丸さんのアスカム先生。
冒頭から美声を聴かせてくれて素敵!やっぱり素敵(リーズル風で)♪
最初に歴史の説明的な歌だったので狂言回しとしてのポジションなのかなと思ったけれどそうでもなく(笑)。
出番は思った以上に少なかったけれど物語のキーになるところは抑えていたので良かったかな。
穏やかで優しいだけではなく、「ベスを女王に!」という野望も見え隠れして良かった。
全体的には美術(星占いのセットが素敵)や衣装も綺麗で、音楽も良くて色々楽しかったんですが。
言いたい放題ですみません(最後は謝っておく)。