4周年ありがとう企画 千紘さんリク柳SS | 肝っ玉かあちゃんのひとり言

肝っ玉かあちゃんのひとり言

妄想の世界に逝っちゃってるヤツの戯言

蓮ニの顔がグッと迫る。

あまりに近い距離に身を引こうとしても、後ろの壁が邪魔してそれ以上下がる事ができない。


薄く開いた瞼から覗く瞳。

真っ直ぐに向けられた視線。

唇にかかる自分のものではない吐息。



いったいどうしてこんな状況になってしまったんだろう・・・・・・?




ちっちゃい頃からずっと一緒で、私の隣にいる事が当たり前だった存在の蓮ニ。

言わば幼馴染ってヤツだ。


そんな蓮ニの様子が最近おかしい。


無視するわけじゃないけど、今までみたいに蓮ニから寄ってこないって言うか・・・・なんとなく避けられてるような感じ。




「ねぇ蓮ニ。今日の放課後だけど・・・・・」

「悪いが千紘。今日も予定があってな。一緒には帰れない。」

「また?」

「気をつけて帰るんだぞ。」

「・・・・・・わかった。」




朝早くても、帰りが遅くても、登下校は必ず一緒だった。

それがここ最近はいつもこんな感じで断られてばかり。

「用事って何?」って聞いても教えてくれないし、私が寂しそうにしてるのに気づいてるくせになにも言ってくれない。

前だったら「すまないな。」なんて言いながら優しく頭を撫でてくれなのに・・・・。


そう言えばよく撫でてくれていた頭も全然撫でてくれなくなった。

迷子になったりこけないようにと繋いでいてくれていた手も繋いでくれなくなった。

家に行っても今までのように部屋に入れてくれなくなったし、私の家にも滅多に来ない。

この間「勉強を教えて」って言ったら、図書室でならかまわないと言われた。

どちらかの家ですればいいじゃんと言えば、リビングでもいいならと言う。


私何か嫌われるようなことしたかな?と不安になったけど、ご機嫌取りに作って持っていったクッキーは嬉しそうに受け取ってくれたし、風邪気味で咳をしていた時は、喉飴と加湿器をもって来てくれた。


そういう優しさを向けてくれる辺り、嫌われているわけではなさそうだ。

じゃぁあの態度はなんなの?


そんな蓮ニのよくわからない行動のせいで悶々とした日が続き、それが段々苛々に代わり、今日もまた一緒には帰れないという言葉を残して去っていこうとする蓮ニに、ついに私の怒りが爆発した。




「なんなのいったい?どうして急に突き離す様な事するわけ!?」




そうやって感情のままに気持ちと言葉をぶつけた。


その結果。

なぜか私は蓮ニと壁の間に挟まれ、鼻先が触れそうなほど顔を近づけられるという状況になってしまったわけである。




「れ、蓮ニ・・・・・近い。」




視線をどこに向けていいのかわからなくて右へ左へと彷徨わせながらそれとなく顔を逸らす。

そんな私の動きがおかしいのか、ふっと笑う蓮ニの息が頬に当たった。

笑われた事にムカッとしたけど、頬に当たった息の熱さが恥ずかしさを湧き起こさせて蓮ニの顔を見る事ができない。

動揺しまくりの私とは反対に、蓮ニはこの状況を楽しむかのようにわざと耳元で話しかけてくる。


「俺達はいつまでも子供じゃない。」

「な、なに急に。そんなことわかって・・・・・」

「いや。お前はわかっていない。」




赤く染まっているだろう頬に蓮ニの手が振れる。

触れて欲しいと思っていたのに、優しく撫でられて心臓が痛いくらいに暴れだす。





「千紘と手を繋げば、その手を引いて腕に閉じ込めたくなる。頭を撫でて嬉しそうに俺を見上げる顔を見ると口付けしそうになる。2人っきりになれば男を抑える自信がない。そんな俺の気持ちを千紘はまったくわかっていない。」

「え・・・・?」




それってつまり・・・・・・私に欲情しそうだから近づかないようにしてたってこと?

思わぬ蓮ニからの返答に、きょとんとしてしまう。



「それって・・・・・どう解釈すればいいの・・・?」

「お前にはどう聞こえた?」

「私が聞いてるのに・・・・・。」

「言ってしまえば止まらなくなる。それでもいいんだな?」




それでもいいかって?

それは『好き』って気持ちをぶつけてもいいのかってこと・・・・だよね?


そんなの聞かなくったって、蓮ニはわかってると思ってた。

私の気持ちなんて蓮ニにはバレバレだと思ってたから。

その上でこう言う関係を、幼馴染としての関係を望んでいると思ってたのに・・・・。


本当は蓮ニも幼馴染から卒業したいと思ってたんだ。

それならもっと早くに気持ち伝えればよかった。




「止めなくていいから・・・・・早く言ってよ。」

「フッ。そう急かすな。」

「もう!焦らさないでってば!」




怒る私を宥めるように、蓮ニの唇がこめかみに触れる。

そのまま唇は肌の上に吐息の熱を残しながら耳まで滑り、耳に口付けながら甘く囁いた。




「ずっと千紘が好きだった――――」




抜け目ない男の恋
(もしかしてこうなる事を読んで最近避けてた?)

(さぁな)


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世の中全てそううまくはいかないぞ。←


花粉症が段々猛威を振るってきました。

鼻水がヤバイ。

蓮ニが花粉症だったらどうなるんだろう?

すかした顔してピットストッパーとかするんだろか?←



千紘さん遅くなりましてすみません。

リクありがとうございました!!