クリスマス企画 【仁王雅治】 | 肝っ玉かあちゃんのひとり言

肝っ玉かあちゃんのひとり言

妄想の世界に逝っちゃってるヤツの戯言



リンリンシャンシャンとクリスマスメロディの鳴り響くアーケードの中には

眩しいほどのライトアップと、賑やかな飾り付けが施されていて見ているだけで楽しい。




「口開いとる・・・・」

「へ?」

「そんな口開けとっても食いもんは降ってこんぜよ。」




憎たらしい事ばかり言うくせに、人ごみに流されぬように繋がれた手も、

微笑を浮かべたその瞳も優しくて、全てを許してしまいそうになる。



クリスマス・イブなだけあって、どこもかしこも人だらけ。

人ごみが嫌いな雅治にとっては息苦しい場所だろう。


それでもクリスマス気分を味わいたい!と言った私の為にこうして付き合ってくれている雅治。


別にどこに行きたいわけでも、何がしたいわけでもないけど、

せっかくのイブなんやし、家に閉じこもって動物的な過ごし方だけなのももったいない気がして、

目でも耳でもクリスマス気分を味わえる待ちの中までやって来た。


溢れる人にうんざりした顔を見せても、私にそのような顔を向けてくる事はない。

そんな優しさが嬉しくて、いつも以上に笑顔になった。




「あ、なぁちょっとだけ服みていい?」

「あかん言うても見るんじゃろ?」




当たり前やん。

とはさすがに言わず、ヘヘッと笑いだけ浮かべ店内へと入る。


新しいコートが欲いねよな・・・・・。



店内の中ごろのマネキンに着せられたコートが目についた。


あ・・・これいいかも。

けどその横のヤツもええな・・・・。




「なあ、これとこれどっちがいいと思う?」

「俺はこっちの方が好きじゃのう。」

「うーん。せやけどなんか可愛すぎひん?」

「そうでもないじゃろ?」




見ただけじゃな・・・・って事で、店員さんに頼んで試着させてもらう。


鏡の前で二つのコートを順に着てみて、鏡越しに雅治に声をかけた。




「こっちの方が細く見えへん?」

「変わらんように思うがのう。」

「んじゃどっちが似合う?」

「俺はさっきからこっちじゃ言うとる。」

「こっちね・・・・うーん。やっぱこっちにしよう。」

「・・・・・・・。」

「なに?」

「最初から答えがきまっとるなら聞かんでもええじゃろ?」

「いやいや。参考にね。」




「それじゃこっちで!」と、店員さんにコートを手渡し、バッグから財布を取り出している私の横で

呆れたように大きく溜息をつく雅治。


確かにある程度決まってたけどさ・・・。


「あはは」と、笑って誤魔化して、ショップのロゴがデカデカと書かれた紙バッグを

店員さんから受け取ろうとした所で、雅治が何も言わずそのバッグを奪っていってしまった。


持ってくれるってこと・・・・なんやろな・・・?


さきさきと歩いていく雅治の背中を見つめていると、

後ろ手に私を呼ぶように手が動きだした。


照れてるんか意地悪してるんかわからんけど、

雅治の可愛い優しさに笑みが零れる。


ニヤけた顔を隠しもせずに、雅治の後姿に駆け寄り、その腕にギュッと手を絡め身を寄せた。




「雅治・・・。」

「なんぜよ?」

「好きやで。」

「・・・なんじゃ急に?」

「べっつに~。言いたくなっただけ。」




着込んだコートの上からじゃ雅治の体温なんて感じられるはずもないけど、

触れ合った場所がほんのりと温かい気がした。






時間が経つにつれ人も増えてきて、疲れが見えだした雅治。

何も言うてけーへんけど、かなり疲れてるはず・・・・。




「そろそろ帰ろか?」

「もう満足したんか?」




本当はもう1つ行きたい所があったんやけど、まぁそれは来年でもええか・・・。

無理に連れてっても仕方ないし。



そう思って雅治に「うん。付き合ってくれてありがとう。」と、笑みを向けると、

「ならこれからは俺に付おうてもらうぜよ。」と、私の手を引いて歩き出した。




「ちょ、どこ行くんな!?」

「行けばわかる。」




えー!?なになに?どこ行く気!?

その意味深な笑みが怖いんですけど!?



5時前になると一気に日が沈み、辺りのイルミネーションがキラキラと光って見えた。


そんなイルミネーションを堪能する間もなく、ライトアップされた並木通りを雅治はどんどん歩いて行く・・・。



マジでどこへ向ってんの?

この先って何があったっけ・・・?

なんか人通りが少なくなってへん?


ちょちょちょちょっと~!!??


この先に見えるネオンは、クリスマスのイルミネーションのようにキラキラではなくギラギラじゃないですか!?

なんか全てがピンクに見えるんですけどー!!!!



まさかね・・・?とは思いながらも、雅治ならありえるし!!と、

だんだんと顔が引きつってくる。




「ま、雅治?私らまだ学生やし・・・・。」

「やから?」

「そういうとこ行くのはまだ早いんちゃうかな・・・?」

「もう少しで着くから我慢しんしゃい。」




着いてもうたら終わりやろうが!!!!


どこでシようがヤル事は変わらんけど、

やっぱまだそういうところに入るのは抵抗があるって言うか・・・。


なんとかして雅治の暴走を止めんと!!

そう思って足を踏ん張りかけると、ピタリと雅治が足を止めた。




「ほれ、見てみんしゃぃ。」

「へ?」




指差された方へ視線を移すと、眩しいほどの光を放つ巨大ツリーが聳え立っていた。




「うわ~!!めっちゃ綺麗~!!!!」




普段は大道芸や弾き語りをする人たちが集まる特に何もない広場。

こんなところにツリーがあったなんて・・・・・。




「穴場じゃろ?」

「調べてくれたん?」

「でかいツリーが見たい言うとったからのう。」




やっぱせっかくのクリスマスやし、この時期しか見られへんツリーを見たかった。

そしてどうせ見るならでっかくて綺麗なのがいいな・・・・って思ってたんやけど・・・・


まさか雅治が自分で調べて連れて来てくれるとは・・・・



大きなツリーは、まるで空に浮かんでいるように見えて、

その幻想的な風景に、魅入るように空を見上げ続けた。




「俺以外に視線を奪われるなんて・・・ちぃと妬けるのう・・・。」
「・・・・自分で連れてきたくせに?」




背中から包み込むように抱きしめられて、耳元で雅治の呟きが聞こえる。


すこし拗ねた口調にクスクス笑うと、「お仕置きじゃ。」と、耳をぱくりと食べられた。




「ちょ、何してんねんな!」

「なんじゃ?感じてしもたか?」




背中越しに雅治を見上げると、やっと自分の方に視線が向いた事が嬉しいのか、

からかいの言葉を口にしながらも、満足そうな微笑を浮かべている。


その微笑があまりに優しくて・・・・嬉しそうで・・・・・

心がじんわりと温かくなって、雅治の胸にもたれるように身を預けた。




「イルミネーションってさ、1年中あればいいのにって思うけど、たまに見れるから綺麗やと思うんやろうな・・・」

「ま、そうじゃろな。」

「こういう感動も薄れて飽きてしまうんやろな・・・・」

「毎日見とっても飽きもせんし、綺麗やと思うもんもあるがのう。」

「へぇ・・・どんなん?」

「雪のはだk「うぉぉぉぉぉ!!!!」




いくら人が少ないとはいえこんなとこで何言い出すねん!?

せっかくいい雰囲気やと思ったのに・・・・。



慌てて後ろを振り返って両手で雅治の口を防ぎ睨みつければ、

ククッと、喉で笑いを洩らした後、ふいに真剣な目になって、

口を塞いでいた私の手を口元から外し、ギュッと握り締めてきた。




「雪となら年中一緒におっても飽きんし、ずっと見つめていたいと思うのは冗談じゃなか。」

「雅治・・・・・」




イルミネーションが雅治の瞳に映りこんで、また違った美しさに目を奪われる。


2人の距離が縮まり、軽く唇が触れ合った。


それでもその瞳から目を離せずにいると、雅治がクスリと笑った後、コツンと額をぶつけてきた。




「目くらい閉じんしゃい。」

「だって・・・めっちゃ綺麗でもったいない・・・・」

「そんな可愛いこと言われたら止まれんようになるぜよ?」

「家に帰るまで我慢しろ。」




お互いに笑いあう。

私達にロマンチックなんて雰囲気なんて無理みたい・・・・。


それでもそんな雅治やからこそ、、どれほど長く一緒に居たってお互い飽きる事もないのかもしれん。




「また来年も連れて来てな。」

「それは今夜の雪次第じゃのう。」

「アホか・・・・」




ザワリと辺りが騒がしくなって、合わせていた額を離し辺りを見れば、

真っ白な結晶が、ふわふわと空から舞い降りてきた。



ツリーの周りを揺らめきながら静かに舞い落ちる粉雪。



私達はお互いの温もりと存在を感じあうように寄り添いながら、

しばらく空を見上げ続けていた・・・・・・




「メリークリスマス・・・雅治。」

「・・・メリークリスマス。」




Merry Christmas, my love




*オマケ*

「そろそろ帰るか?」

「うん。」

「なんならこの先で泊まってもええがのう?」

「はぁ?そんなお金ないし。」

「金の心配はいらんぜよ。」

「んじゃそのお金でアイス買って帰ろか?めっちゃ買えるな!!」

「・・・・・・鬼じゃな。」



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侑莉ちゃんのクリスマス企画に参加させてもらいました!!


甘さより、雪&仁王カップルらしいクリスマスにしてみました。

はい。自己満足です。ww


仁王の誕生日辺りからLOVE度が最高潮をキープしてて

自己満足な夢しか書けなくなってきた気がしますww


ま、いっか・・・。←


侑莉ちゃん、企画に参加させてくれてありがとう!!


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