誕生日企画で書いた『背中合わせ』 の番外編です。
ちょっとだけアダルティ?かもしれません。
ま、私からすれば全然ですけどね。←
火照った身体に冷えた空気が心地よい。
だけどその心地よさはあっという間に消えてしまい、
すぐに寒さが襲ってきた。
足元に丸められた毛布と掛け布団を引き上げ、身体を包む。
「1人だけとはええ度胸じゃのう。」
「雅治まだ暑そうやから。」
まぁあんだけ動けば熱くもなるやろう。
うっすらと滲んだ汗が、暗がりの部屋の中でもはっきりと見えた。
「雪のその冷たさに心が凍えそうじゃ。」
「なんでやねん。入りたいなら入ればええやん。」
「大胆なセリフじゃのう。」
「?・・・・・っ!?ちゃうわ!!アホちゃうの!!」
何を言うてるんかと思ったら・・・・ホンマにどこまで脳内まっピンクやねん!
なんで終わったばっかりや言うのに自分から誘わなあかんねんな・・・・。
擦り寄ってくる雅治を押しのけて毛布で身を覆い、背中を向けて寝転べば
毛布ごとすっぽりと腕の中へと抱きしめられた。
「あんだけ俺を焦らしといてまた焦らすんか?」
「いやいや。今盛大にハッスルしたやろ?」
「ハッスルて・・・。雪、古いぜよ。」
「やかましわ。」
もうこれ以上なんて身が持たん。
なんとしても雅治の欲情が湧き出てくるのを阻止せねば!!
毛布を剥ぎ取ろうとする雅治と、必死で身を守る為逃げ回る私。
ベッドの上でさっきまでとは違う色気もクソもない声が飛び交う。
「今日は俺の我が侭に付き合うって言うたじゃろ?」
「もう十分付き合ったやろ!」
「どんだけ我慢しとったと思う!?1週間以上逢えんし、今日は寒い屋上に置き去りにされて・・・」
「それは謝ったやん!!」
「言葉やのうて態度で示して欲しいもんぜよ。」
「だからさっき示したやろ!?」
「あれじゃ足りん。」
うわ・・・こいつ「足りん」って言い切りよったで。
もう呆れるを通り越して感服してしまう。
私を組み敷きながらにやりと笑った雅治に、降伏の意を示すように
毛布を握る手を解いた。
「なんじゃもう降参か?」
「降参って言うかさ・・・」
「そんな難しい顔しなさんな。」
額に落ちてきたキスは、瞼の上、目尻、頬と順に落とされて
最後に唇に辿りついた。
「んっ・・・・・」
「あと1時間ほど俺の誕生日は残っとるんじゃから、我が侭聞いてもらわんとのう」
「誕生日やなくたって我が侭なくせに。」
「それは雪が悪い。」
「なんで私が悪いねんな?」
「俺をこんなに狂わせたから・・・・・」
「やっ・・・んっ・・・。」
剥ぎ取られた毛布から姿を見せた素肌に、雅治の手が這う。
唇にもう1度合わさった唇が、首を滑り胸元へと下り、
すでにもういくつもの跡が付いた場所へ、また赤い跡を残す。
独占欲と支配欲。
後は嫉妬と・・・・・不安。
雅治が執拗に身体を求めるのは、不安で仕方ないからじゃないかと思う時がある。
肌を重ね全身で私を感じる事で不安を満たしているんじゃないかと・・・・
そんな事せんかって私はどこにも行かんのに・・・・。
欲情の色を灯し熱く私を見つめる雅治の頬に手を沿え
上半身を少しだけ起こし、私からキスをした。
「身体で感じるより心で感じてや。」
もう1度唇を重ね、熱い舌を絡める。
漏れる吐息に乗せて、溢れる想いを伝える。
「私かて雅治に狂ってるよ・・・・」
「雪・・・。」
「抱かれるのが嫌なんじゃない。やけど、身体じゃなくて他の方法で雅治に伝えたい事もあるねん。」
「例えば・・・・・?」
乱れた髪に指が絡む。
頬に触れた手は冷たいのに、触れられた場所は熱い・・・・
「目とか・・・態度とか・・・・」
「俺が欲しいと言うとるように見えるがのう?」
「ギュって抱きしめる腕の力とか・・・・」
「俺を誘っとるんじゃろう?」
意地悪い事を言いながらも、もっと言って欲しいと先を促すように、
優しく頬を撫で、顔中にキスが降ってくる。
「あとは・・・・・言葉とか。」
「なら・・・・聞かせてもらおうかのう?」
誕生日おめでとう。
生まれてきてくれてありがとう。
これからもずっと傍にいて。
また来年も・・・再来年も・・・その次も・・・・ずっと一緒に誕生日を祝わせて欲しい。
いっぱいいっぱい言いたい事があって、喉元まで想いが溢れてくる。
だけど口から出た言葉は、シンプルな私の想い。
「雅治・・・・好きやで。」
いつも突き上げられながらうわ言のように言うことはあっても、
なかなかこうして真っ直ぐと伝える機会はない。
静かな部屋に、冷たい空気に震わされるように声が響く。
「ちゃんと心で感じてくれた?」
「しっかり感じたぜよ。」
「そりゃよかった。」
嬉しそうに細められた瞳と、少しだけ早くなった雅治の鼓動。
心から伝えたかった想いが届いたようで、私の心も満たされる。
「って事で、今度は身体で感じさせてもらおうかのう。」
「え?」
「心の次は身体じゃろ?」
「もう~!!!全然わかってへんし!!!」
結局そうなるんかい!!
ここは「それじゃあ寄り添ってゆっくり眠ろか・・・」ってなるんじゃないの?
雅治が私を求めるのは、不安なんじゃなくただ性欲が強いだけ!?
誕生日が終わっても、激しい身体で伝え合う愛の儀式が終わる事はなく、
結露で窓に水滴が流れるほど、長い長い夜は続いた・・・・
Happy Birthday!
My heart is filled with the love I feel for you.
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うん。ただの自己満足!!ww
更新ラッシュが続きましたが、これにて一応終了です。
あとは企画閉会のご挨拶をさせていただきます。
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