真田お誕生日おめでとう。(夢) | 肝っ玉かあちゃんのひとり言

肝っ玉かあちゃんのひとり言

妄想の世界に逝っちゃってるヤツの戯言


~ 特別な日限定 ~




本日真田の誕生日前日。


真田が自分の誕生日を喜んで祝うようなタイプじゃない事も、

他人に祝われて喜ぶようなヤツでもない事も、そんな事百も承知だ。


だけどやっぱりこれでも一応好きな男。

その真田を祝いたいと言う気持ちは抑えられない。



「ねぇ。今日の夜は日付が変わるまで寝ないで起きててよ。」

「なぜだ?」

「なんでも。」



0時ちょうどに「おめでとう」って言いたいから。


そんな事言ったら絶対「そんな下らん事で遅くまで起きていろというのか!?」なんて言いかねない。


別に0時ちょうどに拘る必要もない気もするけど・・・・・

別に1番に言いたいとか思ってるわけじゃないけど・・・・・

なんとなく・・・・。

そう、なんとなく・・・・・・・真田が誕生日を迎えた時に、同じ時間を過ごしていたい。


納得がいかないとでもいうように眉間に皺を寄せて私を見下ろす真田に、

「いい!0時まで寝ちゃダメだからね!!」と念を押すと、

私の気迫に押されるように「あ、ああ。わかった」と了承の言葉を口にして、

その返答に私は満足げに頷いた。











夜も更け、もうすぐ日付が変わる頃、私は静かな住宅街を足音を顰めながら歩いている。


目指す場所はもちろん真田の家。


電話だけでも・・・・・・と、思っていたけど、

会いに来たと知った真田の驚く顔を見るのもいいな・・・なんてイタズラ心が沸き、

いそいそと家を抜けてここまでやって来た。



だけど思った以上に静寂の広がる夜の住宅街に、少しだけ弱気になってきた。



家の前で電話したら声が響くだろうか?

少し離れた場所で電話して呼び出そうか?

こんな場所で怒鳴られでもしたら、ご近所迷惑もいいとこだ。


やっぱりどこかに呼び出す方向で・・・・・・・・?


いまさらゴチャゴチャと考えながら、とりあえず真田の家まで向かっていると、

後数歩で真田の家というところで、塀に背をもたれさすように立っている人影に気付いた。


不意に足を止めると、その人影も私に気付きこちらに向かって歩いてくる・・・・・。



「え?なんで・・・・?」

「まさか本当に来るとはな・・・・・。」



な、なんで~!?

目の前に立つのは私が「おめでとう」を言いに来た張本人。

でもまだ私呼び出してないし・・・・それに今「本当に来るとはな・・・・」って言った?



「真田が私の行動を読んだ・・・?」



まさか真田が!?

この真田が!?


いや、落着け私。


「起きてて」って言っただけで、ここまで予想できるはずがない!

どうして起きてて欲しいと私が言ったのかさえわかってなかった真田だよ!?

ありえない。

となると・・・・・・・・・・



「幸村と蓮二に今夜お前が必ず来るから外で待っているようにと言われてな。」



やっぱりー!!!

やっぱりヤツらか!!


けどここは感謝するべきかもしれない。

呼び出す手間が省けたわけだし・・・・・。



「えっと・・・・。」

「それでお前はこんな時間に何をしに来たのだ!?」

「・・・・・・・え?」

「幸村達に聞いても自分で考えろといわれてだな・・・・。」



マジですか?

ここまできてまだわかんないの!?

どこまで鈍いんだよこのオッサン!


でもまぁ・・・・・・・真田らしいかもしれない。


私は鞄から箱を取り出し真田の手にその箱を握らせた。



「なんだこれは?」

「開けてみて。」

「いいのか?」

「いいから渡してんでしょ。早く開けて。」



ちまちまと包装紙を開ける真田に、ビリビリいきそうな顔してんのに意外だわ・・・・と思いながら

箱を開けるのをそっと見守る。


やっと箱の蓋を開けたと思ったら、真田は中の代物を見て固まってしまった。



「これは・・・・・・・」

「真田が女なら料理くらいできて当たり前とか言うから・・・・。」

「しかしあの時『そんなのは偏見だ』と、怒っていたではないか!?」

「そうだよ!女だからってみんなが料理できるわけじゃないし、女らしいわけでもない。」

「ならどうして・・・・」

「好きな人の誕生日くらい、作ってあげようかな?って思ったの!」



今が夜でよかった。

強がって喧嘩口調だけど、私の顔はきっと赤いと思う。


料理なんて本当にやった事なかったし、「将来困るわよ!」ってお母さんに言われる度に

「いざとなれば料理できる人と結婚するからいいの!」なんて言い返してきた。


真田に料理ができないのか聞かれた時も、普通に「できない」って答えたら

「女の癖に料理もできんとは!女なら料理くらいできて当たり前だ!!」などと言われ

「女の癖にって何!?当たり前って誰が決めたの!?そんなの真田の勝手な偏見でしょ!?」

と、本気で腹が立って平手打ちをしたくらいだ。


『料理なんてできなくたっていい。』 


今でもその考えは変わっていないけど、

真田が喜ぶのなら・・・・・特別な日限定でしてあげてもいいと最近思いだした。



「み、見た目に文句は言わないでよ!それでも1番綺麗にできたんだから!」

「・・・・・・・・。」

「味見はしたからまずくはないと思うし・・・・・・。」

「・・・・・・・・。」

「ちょっと!何か言いなさいよ!!」



いつまでも黙ったまま箱の中身を見続ける真田に、少しは何とか言えよ!と、腕を掴むと、

ゆっくりと視線を上げた真田は今まで見た中で1番柔らかな表情で



「ありがとう・・・・・げん。」



と、一言お礼を言うと、そのまま私を自分の胸へと引き寄せた。


夜風で少し冷えた肌に、真田の温もりが心地よい。

だけど真田からこんな大胆な行動をするのは初めてで、胸がドキドキと鳴り響く。



「真田・・・・?」

「幸せとはこういうことを言うのだろうな・・・・・。」

「な、なに急に!?」

「今自分の心が満たされているのがわかる。」

「そんな大袈裟な。」

「大袈裟などではない。」



両手で頬を挟まれ上を向かされる。

目の前の真田の瞳はいつになく真剣で、その思いの強さが伝わってきた。



「げんにそこまで努力をさせて、俺が逃げてるわけにもいくまい。」

「逃げてる?」

「こういうことは苦手なのだが・・・・・・・・・俺も特別な日くらい努力してみる事にしよう。」



真田が言わんとする事がよくわからなかったけど、

ゆっくりと近づいてきた顔に、なるほどそういう事かと納得し、

そっと瞳を閉じて、重ねられた唇を受け止めた。



「あ、そうだ。大切な事忘れるとこだった。」

「まだ何かあるのか?」

「うん。プレゼントより、もっと大切な事・・・・・。」



真田の温もりの残る唇に乗せて、1年に1度の特別な日に伝える言葉を・・・・・




――――  真田。お誕生日おめでとう  ――――









*オマケ*

「ところでそのプレゼント何かわかってんの?」

「無論だ。」

「じゃあ何か言ってみて。」

「煎餅だろう?」

「クッキーだよ!!」


*******************************************


真田ハッピーバースデイ!!


実は今日は真田の誕生日でもあり、私が初めて夢を書いた日でもあります!!

私の夢書きデビュー日!!

初夢が真田っていうのもある意味すごい!!ww


1年前に書いた真田夢は私の憧れの女性、げんさんからのリクで書いたんですよ。

あのリクがなかったら私は夢書いてなかったかもしれませんね。

そう思うと本当にげんさんに感謝です!


げんさんは真田と同じ誕生月で、先日お誕生日を迎えられたので、

そのお祝いと感謝の気持ちを合わせまして、この夢を贈らせていただきます。

返品不可なので、嫌でも持って帰ってください!(なんでやねん!!)