連動企画課第1弾『お花見に行こう』~エピローグ~ | 肝っ玉かあちゃんのひとり言

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このお話は連動企画第一弾『お花見に行こう』のエピローグとなります。

プロローグ、その他キャラのお話はこちらからお読みください。⇒ 『お花見に行こう』 参加者一覧





お花見に行こう!~エピローグ~




皆さんこんにちは。
氷帝学園2年、樺地崇弘です。


跡部さんの発案で開かれたこのお花見会も、そろそろ終演の時間が近付いてきました。
夕方17時になれば、全員を広場に集めるようにと言われていましたので、
只今、庭を周りながら、散らばった参加者に声を掛けて回っているところです









・・・早速、一組残っている参加者を見つけました。
あれは・・・・・・立海大付属の幸村さんと桑原さんでしょうか。







なにやら、桑原さんが幸村さんに話しかけているようです。



















「なぁ、幸村も一緒にあっちで花見しねえか?」
「ふふ。あの集団はなんだい?」
「彼女いねぇやつらばっかで集まってんだ。」
「へぇそれに俺も入れって?」
「いいだろ?別にお前彼女いない……ギャー!!!!」

















桑原さんが、突然、額を抑えて、蹲りました。
何があったのでしょうか?

そして・・・その様子を気に留めることも無く、幸村さんは、どこかへ歩き出しました。










ど・・・どちらへ行けば良いのでしょう?











あ・・・私が迷っている間に、幸村さんの姿が見えなくなってしまいました・・・。

仕方ありません。
まずは、残っている桑原さんに声を掛けたいと思います。







・・・桑原さんに声を掛けようと振り向きましたら、蹲っていた桑原さんの所へ、誰かが駆けて来ました。

頭の形からして、・・・・・・あれは・・・青学の大石さんでしょうか?

大石さんが桑原さんへ用事があるのなら、邪魔をしてはいけません。
少し様子を見て、タイミングを窺おうと思います。


















「お~ぃ!君は、ワッカル桑原君じゃないかぁ。」
「・・・って、お前青学の大石・・・俺はジャッカル桑原だ!それに・・・今はそれどころじゃねぇ!!っ痛ぅ・・・。」
「や~ぁ君も来てんだねぇ~。」
「無視かよ!・・それにしてもお前随分とテンションが高いな・・それに顔も赤い・・まさかお前白酒飲んでんのか?」
「ワッカル君も一緒に飲まないかい?」
「いや、だからジャッカルだ・・って聞いてねぇな・・・。」
「さぁ一緒に飲もう!」
「おいおい、引っ張るなって・・・仕方ねえな・・少しだけだぞ。」
「さぁさ、ワッカル君も飲んで!」
「・・・んっ・・旨いな。そう言えばお前なんで一人なんだ?」
「・・・・・・・・・・。」
「おい、大石?」
「ふっふっふ・・・うちの連中ね・・・ほとんどはこの家の周りを走ってるよ・・・。」
「走ってる?何かあったのか・・・って聞かない方が良さそうだな。」
「ワッカル君よくわかってるねぇ、うちの皆も君みたいだったら俺の胃薬の量も減るんだろうなぁ・・他の奴らは部長を筆頭に次期部長もルーキーまで彼女連れでイチャイチャ・・・俺だって・・俺だってぇぇぇえ!!」
「わわわかった!大石わかったから落ち着け!・・・はぁ・・お前も結構苦労してんだな。」
「ワッカル君もなのかい?」
「・・・もう名前については突っ込まねえ・・俺もな、似たようなもんだ。」
「話してみてくれよ!何やら君とは共有できる何かがありそうな気がするんだ!」
「そんな気が俺もする・・・俺もさっきまで頭にカマボコ貼り付けられててよ・・しかもその後が・・思い出すのもおぞましい地獄絵図だった・・・。」
「それは辛いな・・・。」
「だろ?俺にも彼女がいれば仁王や柳やブン太や真田みたいに・・って真田は別だが、彼女と二人でこの花見を楽しめたかもしれねぇな。」
「俺達、友達になれそうだ。」
「ああ、俺もそんな気がするぜ。」
「彼女・・・・欲しいな。」
「・・・・そうだな・・・。」
「「はぁ~~~・・・。」」
「飲もうか・・・・。」
「そうだな・・・。」














・・・・・・未成年の飲酒は、法律で禁じられています・・・。
止めるべきでしょうか・・・?





・・・2人がこちらに気付きました。






「おーい!!樺地君じゃないかぁ!!」
「ウ・・・ウス。」
「なんだ、お前も一人なのか?」
「ウ・・・いえ。」
「なんだい?樺地君も彼女連れなのかい?何だ・・・いいなぁ・・・・・・。」
「どうせ俺らは・・・・・・。」
「・・・跡部さんからの伝言です・・・。17時になったら広場に集合するようにとのことです。」
「どうして君は、いつもそう淡々と話すんだい?ほら!!もっと感情豊かに話してみなよ!!世の中が開けて見えるよ~~!!」
「落ち着け大石!!まずは笑顔の練習からだ!!」
「ウ・・・・・・ウス?」






大石さんが酔っています。
まともだと思った桑原さんも・・・酔い始めているようです。





あ・・・





何かがおかしいと思ったら・・・
大石さんのチャームポイント・・・
前髪がありません。





・・・・・・茹玉子と・・・煮玉子・・・?





何があったのでしょうか?





聞いてはいけないような気がします。





仕方ありません。
伝えることは伝えましたので・・・
次へ行くことにします。












しばらく歩いていましたら、道の先のほうに、人影を見つけました。
















『彼女がいない?
勘違いされたら困るな…。
俺はいないんじゃなくて作らないだけ。
なのにあんなダメンズの集会に、俺まで入れようとしてくるなんて信じられないよ。

まぁそれは、大石のちょろちょろした前髪をカットしてやったことで少しはすっきりしたけどね。


それにしても跡部の家はすごいな…。
こんな綺麗な桜並木はそうそう見ないよ。
かなり歩いてきたからもう誰の姿も見えなくなってきた。
どこまで続くのかわからないけど、終わりまで歩いてみようかな?
BGMは風の囁き・・・ではなく跡部の無駄にエロイ歌声なのが残念だけど
真っ青な顔で立ち尽くす塚本に向かって、ラブビームを送りながら熱唱してる所を想像すると、
それはそれで面白いかもしれないな…。

うん。少し気分が晴れてきた。

どこを見てもバカップルばかりで、これでもかと見せ付けてくるし、
真田のラブシーンまで見てしまって最悪な気分だったんだよね・・・。
踏みつけてやろうかと思ったけど、それだけじゃスッキリしそうになかったし
写メをいろんな角度で撮ってきてやった。
これをネタにたっぷり可愛がってやろう。
しばらくは暇せずにすみそうだ。

おや?あそこに見えるのは青学のぼうや…?
へぇ。ぼうやにも彼女がいるんだ…。
おやおや。見せ付けてくれるねぇ。
ふふ。邪魔して欲しいのかな?

ん?
・・・・なんであんなにあそこだけ桜吹雪がすごいんだろう?
ぼうや達は気にもしてないようだけど…絶対におかしい。


木が…揺れてる?
まさか…。


俺が近づくたびに揺れが増している!?
それになんだか苦しげな声が聞こえる。
木の陰から少し銀髪も見えた。


間違いない。
チッ。どいつもこいつもイチャイチャイチャイチャ……。

あ…。
あまりに興奮して枝を折ってしまったよ…。
桜の木に罪はないのにね。
ごめんね?
でもせっかく晴れた気分がまた曇ってしまったな…。
このままじゃ大嵐になりかねない。
うーん。大石の前髪はもう切ってしまったし、
じゃあ今度は、向日の前髪を逆V字カットにでも切るとするか♪』


















先ほど立ち去った幸村さんを見つけたのは良いのですが・・・・・・。





桜の枝を折っては、桜が可哀想です。
注意しに行くべきでしょうか?





しかし・・・・・・
幸村さんの顔が、怒った顔から、笑顔に変わりました・・・。
なにやら悪寒を感じます。
気が付かれる前に、立ち去った方が良いかもしれません。





他の参加者に声を掛けに移動することにします。

















幸村さんから離れて数分。もう、この辺りに参加者は居ないだろうと思いましたが・・・
まだ居ました。





あれは・・・・・・





先ほど倒れて運ばれたはずの鳳が、何故こんな所に居るのでしょうか?
まさか・・・脱走?
後で、跡部さん宅のお手伝いさんに聞いてみたいと思います。





鳳は、誰かとがっちりと肩を組んで、ふらふらと歩いているようです。
そちらの方向は、広場ではないので、知らせに行かなければならないと思うのですが・・・。



















「全くっ、宍戸さんはっ、いくら彼女だからってマネージャー一人占めしすぎなんですよっ。」
「その通りですっ、鳳くんっ。皆さん彼女ができたからって我々をほっといてっ。」
「みんなのマネージャーなのにっ。」
「私の眼鏡は誰も拾ってくれないっ。それに、真田くんだって酔っ払ってたのにっ、なんだかんだで良い感じでしたしっ。」
「俺の方があんなセリフやこんなセリフ言えるのにっ。」
「仁王くんはパートナーなのに私の眼鏡を無視してっ。」
「パートナーをほっぽって・・・」
「彼女と・・・」
「いい感じになって・・・」
「熱い接吻したり・・・」
「みんな・・・」
「「ずるいですよー」」
「柳生さん!」
「鳳くん!」
「俺たちは!」
「私たちは!」
「「テニス一筋でいましょうねーーー!!」」
「それにですね、鳳くん」
「はい、何ですか?」
「私から眼鏡を取ったら何が残るというのでしょうか!?」
「なるほどー」
「皆さん眼鏡を何だと思っているんですかねっ、眼鏡への礼儀がなってませんっ!」
「確かにっ。あ、でも柳生さんっ」
「何です?」
「柳生さんにはレーザービームがあるじゃないですか!」
「なるほど!眼鏡がなければ!目からビームを放ち!テニス戦士となるのですね!?」
「そうですっ、そしてっ」
「テニスの平和を守るのですね!?」
「はい!リーダー!浮かれた皆さんを!成敗しに行きましょう!」
「行きますか!テニスブルー!」
「行きましょうレッド!」
「「テニス戦士、テニレンジャー!出動!!」」
















・・・とても知らせに行けるような雰囲気ではありません。





・・・テニス戦士?とは、何でしょうか?





トレードマークの眼鏡が無く、一瞬誰だか分かりませんでしたが。
今、鳳と一緒に、人差し指を空に掲げてポーズを取っているのは、どうやら立海大付属の柳生さんのようです。










「テニスをするのに、女の子は必要ですか!?」
「いいえ!!我々がテニスをするのに女性は必要ありません!!」
「そうですよね!!そうですよね!!さすが柳生さん!」
「鳳君も、よく覚えておきたまえ。テニスで大事なのは、マネージャーでも彼女でもありません!」
「はいっ!!勉強になります!!」
「大切なのは・・・」
「大切なのは・・・?」
「眼鏡です!!」
「行きますよ!!ブルー!!」
「はい!!リーダー!!」









・・・そういえば、落し物として、粉々に砕けた眼鏡が届いていました。
後ほど、柳生さんへ返しておきたいと思います。






さて、彼らに集合の件を伝えに行かねばなりません。
ゆっくりと1歩1歩近づいてはいるのですが、近づく度に、お酒の香りが漂ってくるのは何故でしょうか?
嫌な予感がします。







あぁ・・・・・・






近づくペースが、あまりにも遅すぎたのか、高らかに叫びながらポーズを取っていた2人が、その姿勢を崩さぬまま倒れこみ、その場で眠り始めてしまいました。
何という変わり身の早さでしょうか。


いえ、その前に、Vの字に広げた指を目元に保ったままのポーズでどうして眠れるのでしょうか?










「や・・・ぎゅ・・う・・・ビー・・・ム。」











・・・・・・!?


こ・・・・・・これ以上は、触れない方が、お2人の為かと思われます。










・・・深く考えていても、仕方ありませんので、このまま、2人とも、強制連行させていただきます。
ですが、さすがに2人も同時に運ぶことは難しい為、恐れ入りますが、少々乱暴な運び方になってしまうかもしれません。


それは彼らが起きたら、謝ることにしましょう。

















これで、やっと、参加者を全員広場に戻すことが出来ました。



開幕時と同様に、沢山の参加者が広場に集まり、跡部さんの閉幕宣言を聞いています。



満足そうな顔をしているのは、恋人連れでいらっしゃった方々だけでしょうか?

お一人で参加された方々は・・・疲れた顔の方も居れば、来た時の面影も無いほど変わり果てた姿になっていらっしゃる方も居ます。
きっと、想像を絶するほどの何かがあったのでしょう。
参加者が全員戻ってきているか、学校毎に点呼が始まりましたが、とても返事の出来る状態でない方々が多いことが気にかかります。









なにはともあれ、跡部さんの思い付きから始まったこのお花見も、ようやく閉幕しようとしています。
これにて、今日の私の役目も、終わりのようです。

ゆっくり桜を愛でる時間を取ることは出来ませんでしたが、なんとも楽しい会になったと思います。






ですが・・・





来年はできれば・・・





あ、いえ。この先は自分の胸に留めておきます。





ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
どうぞ、お気をつけてお帰りください。







FIN.

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【注意】
何度も言うようですが、未成年の飲酒は法律で禁じられています!


連動企画課第一弾『お花見へ行こう!』
無事エピローグを迎えました~~~!!!!
企画課メンバーの執筆後、エピローグまでに期間が空いてしまい、申し訳ありませんでした。

企画課メンバーで話し合った結果、各部分を企画課メンバーが別々に書き、
それを一つに纏めるという共同執筆の形でのエピローグとなりました。
このようなエピローグを桜の季節に相応しい4月中に、皆様へお届け出来てとても嬉しいです!
このお話をもちまして、『お花見へ行こう!』は閉幕となります。

参加したいと手を挙げて頂き、素敵な夢を書いてくださった執筆者の皆様、
そしてコメントするしないに拘らず、企画のお話を読んでくださった全ての皆様に心より感謝申し上げます!

これにて『お花見』は終了となりますが、連動企画課はもちろん終わりません!
第2弾、第3弾と続けていきたいと思っております。
『今回で得た事を無駄にせず、次に生かしていきたい!』と意欲は漲っております!
また少々お時間を頂くとは思いますが、必ず次の機会を設けたいと思っていますので
その際にはまた、執筆でも読者でも、この企画に少しでも興味を持って頂けたら嬉しいです!

この度は本当に、ありがとうございました!!!



☆連動企画課☆ 課長:昇華 課長補佐:雪萌 係長:菜都 主任:功