心優ちゃんお誕生日おめでとう!(仁王夢) | 肝っ玉かあちゃんのひとり言

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妄想の世界に逝っちゃってるヤツの戯言


~ フライングプレゼント ~




すっかり日も暮れた歩道を、二人手を繋いで歩く。

ただそれだけの事だけど、私は恥かしくて顔を上げる事ができない。



私は、「ちょっと今時そこまで純な子もいないよ!」って言われるくらい極度の恥かしがり屋で、

雅君に見られてると思うだけで顔が真っ赤になってしまってうくらいだ。


『雅君』って言うのも今じゃ普通に呼べるようになったけど、

最初のうちは口ごもったり、『仁王先輩』に戻ったり、人前でなんてとてもじゃないけど呼べなかった。



自分でもあまりにスローペースなお付き合いをしていると思う。

女性関係が派手だった雅君が、よくもこんな子供のような恋愛に付き合ってくれてるものだと友達に言われた事もある。



「心優のペースでかまわんから。」



雅君はそう言っていつも頭を撫でてくれるけど、

本当はもっと先に進みたいんじゃないかと不安になる事がある。



雅君は経験も豊富だし、付き合って1ヵ月以上も経つといのに

いまだにキスもまだなんて、今までになかった事だろう。



私だって大好きな雅君とならキスしたいな・・・って思うけど、

頭の中で想像しただけで顔から火が出そうだ。


こうやって手を繋ぐだけでも照れまくって、いっぱいいっぱいの私にキスなんて到底無理な話。



自分で自分が嫌になっちゃう。


雅君のこと大好きなのに。

好きになれば好きになるほど恥かしくって・・・・・

傍にいるだけで胸がいっぱいで・・・・・

思いの半分も伝えられない。



はぁ・・・。


あまりの情けなさに漏れてしまった溜息に、

雅君が「溜息なんてついてなんかあったんか?」と心配そうに私の顔を覗き込んできた。



「いえっ!なんでもないです!!」

「心優は嘘つくのがヘタじゃのう。」

「え?」

「なに悩んどる?俺には言えん事か?」

「ち、違います!!そうじゃなくて・・・・」



あぁ~!!私はどこまでダメダメなんだろう!!

雅君に我慢させるばかりか心配までかけちゃうなんて!!



「あの・・この恥ずかしがり屋な性格どうにかしたいな・・・って思ってたんです。」

「なんで急に?」

「だって・・・せっかくこうやって一緒に帰ってるのに顔も上げれないし・・・雅君だって本当ならもっと・・・・・・」



頑張って伝えたい。

そう思うのに言葉にならなくって、私は自分の不甲斐無さに唇をかんだ。



するとふわりと優しい手が私の頭に乗せられた。



「俺は心優の恥ずかしがり屋なとこ好きじゃよ。」

「え?」

「すぐ真っ赤になるとこも、それを隠す為に俯いとるけど本当は嬉しくて溜まらんって顔しとるとことか見てて飽きん。」

「で、でも・・・。」

「それに心優が照れ屋じゃなくなったらつまらん。」

「うぅ・・・ひどいです・・・。」



ククッと喉で笑いながら「拗ねなさんな。」と、頭を撫で回す雅君の手の温もりに胸が熱くなる。


いつもこうやって嬉しい言葉をくれて、私の不安をかき消してくれる雅君。

スローペースな私が歩み寄るまで、立ち止まり手を伸ばして待っていてくれる。


ちょっと意地悪な所もあるけど、とっても優しくて心の温かい人。



だけどそれの優しさに甘えてるだけじゃイヤだから。


私も雅君の喜ぶ顔が見たい。

私も雅君を私と同じように幸せな気持ちにしてあげたい。



「あ、あの・・・・・雅君?」

「ん?どうした?」

「明日の誕生日・・・欲しい物が・・・あるんです。」

「心優からおねだりとは嬉しいのう。」



こんな風にお願いするなんて、ちょっとズルイ気もするけれど、

普通に強請るだなんて今の私じゃまだまだ無理だから。


これが私の精一杯。


ギュッと手を握り締め、私の言葉を待つ雅君の瞳を見上げた。



「雅君の・・・・キスが・・・・欲しい・・・・・・・です。」



きっと私の顔はゆでだこ状態。

それ以上かもしれない。


なんとか言えたけれど、恥ずかしくって今にも涙が出そう・・・。


雅君の顔を見ている事に堪えきれなくなって、顔が段々と下がりかけた時。

サッと伸びてきた手が顎に添えられて、クイッと上を向かされたかと思うと、唇に何か柔らかい物が触れた。


驚きで目を見開く私の目の前には・・・銀髪を揺らし瞳を閉じた雅君の顔。



「・・・・・・・・。」

「心優。キスするときくらい目を閉じんしゃい。」

「・・・・・・え?」



一瞬なにが起こったのかわからなかったけど、

放心状態の私の唇にはまださっきの感触と温もりが残っていて・・・・・


キスされた!?


確かに私がして欲しいって頼んだけど、でもでもそれは誕生日プレゼントで・・・・




「た、誕生日は明日です!!」

「フライングプレゼントナリ。」

「フライングッ!?」

「誕生日当日は今よりステップアップしたキスをやるから楽しみに待っときんしゃい。」



ニコニコと満面の笑みを浮かべた雅君はいたずらを思いつた子供のような顔で

私は火照った体から熱がサーッと引いていくのを感じた。



「ステップアップしなくていいです!!」

「心優からのお願いじゃからな。たっぷりプレゼントせんといかんじゃろ?」



雅君は喜んでくれてるし、私もキスできて嬉しいけど・・・

なんか早まった気がするのは気のせい・・・・・?



誕生日を前に1歩成長した私自信と二人の関係。


明日の誕生日は・・・・もう1歩成長できそうです。








Happy Birthday Miyu


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心優ちゃんお誕生日おめでとう!!


以前PCメールでプレゼントした夢の続編だよーん!


誕生日当日どうなったのかは勝手に妄想してください。(笑)


23歳か・・・。若いっていいよね~!!←

いっぱい遊んで、いっぱい恋して、沢山の思いで作ってね♪


心優ちゃんが素敵な誕生日を過ごせますように~!!


Happy Birthday!!