「ねぇ。手塚先輩!ちゃんと聞いてます!?」
「あ・・・あぁ・・・。」
「真面目に考えてくださいよ!!」
「そ、そう言われてもだな・・・。」
「クス。真鈴ちゃん。そう言う質問を手塚にするのは人選ミスじゃないかな?」
「えっ!?そうですか・・・?」
「僕でよければアドバイスするよ?」
「本当ですか!?」
よし!!確かに不二先輩ならこういうの詳しいかも!
心強い味方をつけて私は心でガッツポーズをした。
待ってろよ~!!乾 貞治!!
「楽しくなりそうだね。」
「不二・・・。」
「不二・・・ほどほどにしときなよ?」
「あ~あ。不二に火が点いちゃったにゃ~♪」
「俺は知らねぇな~。知らねぇよ~。」
「プシュー。」
「真鈴先輩って馬鹿だね・・・。」
「い・・・胃が・・・・。」
そんな会話が後ろでされてたなんて気づきもしなかった・・・。
step up
今日は休日。
不二先輩からたくさんアドバイスをもらい
それを実行すべく乾先輩の家へやってきた。
先輩とのデートは大抵先輩の家だ。
何してるかって?
もちろん変な汁の開発・・・・。
それってデート!?とか思わなくもないけど
一緒にあれこれ研究するのは嫌いじゃない。
出来上がった時の先輩の嬉しそうな顔とか
「真鈴のおかげだ。」なんて言われた日は嬉しくて空も飛べちゃう。
だけど今日はそんなことで喜んでる場合じゃない!!
今日の私は一味違うんだから!!
玄関前で気合を入れ、チャイムを押す。
初めて家にお邪魔した時より緊張しているかもしれない・・・。
ドキドキを抑えながら戸を開くのを待っていると
ゆっくりと中から大好きな先輩が顔を出した。
「こんにちは。乾先輩。」
「あぁ。よく来たね。・・・・真鈴・・・今日はどうかしたのかい?」
「何がですか?」
「いや・・・。なんでもない。さぁ、中に入るといい。」
「お邪魔します!」
よし!ツカミはOK!?
先輩見てたよね!?ちょっと驚いてたよね!?眼鏡光ったよね!?
不二先輩アドバイス①
「いつもと違った服装で。露出度は高く!!」
いつもはパンツスタイルが多く、スカートを履いてもひざ上が限度。
だけど今日は、アドバイス通りに先日買ってきたばかりの
シフォンのミニスカートにキャミの重ね着。
露出度は多いけれど可愛らしくまとめたコーディネイト。
不二先輩からもOKサインをもらった。
先輩の確かな反応を感じ私はますますやる気が出てきた。
できるなら何か一言欲しかったけど・・・。
部屋に通され、いつもなら机を挟んで先輩の正面に座るんだけど
今日は少しの間を空けて隣へ座る。
不二先輩アドバイス②
「触れない程度の距離を空け、隣に座る。」
密着しるぎるのはNGらしい。
色々理由があるらしいけど、1番の理由は次の作戦の為。
そして・・・
「先輩。先日の大会で撮った写真できたんですけど見ますか?」
「関東大会のかい?ぜひ見せて欲しいな・・・。」
「はい!」
私はカバンからアルバムケースを取り出す。
先輩はデーター用のノートを準備し待っている。
研究熱心な先輩は大好きだけれど、
今日はそこで終わらせる訳にはいかない。
机にアルバムを開き、二人で覗き込むように見る。
その時のアルバムの位置は・・・ほんの少し私寄りに。
すると乾先輩は空いたスペースに手を着き私の方へ体を寄せてきた。
よしっ!!
不二先輩アドバイス③
「自分寄りに引き寄せ、身を乗り出さないと見えないようにする。」
順調だ!!
先輩の顔がすごく近くてドキドキする・・・。
でもここで私がドキドキしてちゃ意味がない!!
「うむ・・・これは六角の・・・」
「この角度から見ると・・・・」
先輩は写真を見ながらデーター分析を始めたようだけど
そのままそっちの世界に行かれちゃ困る!!
私との間に着いた先輩の手に、ちょこんと当たる程度に指を触れさせる。
だけどそれには気づいてないフリをして私も写真を見る。
そこで!!
不二先輩アドバイス④
「床に着いた自分の腕に体重をかけ胸の谷間を強調させよ!」
そんなに大きな胸じゃないけれど寄せて上げればデカくも見える!
一生懸命腕で胸を寄せできるだけ谷間を作りながら
何事もないように写真を見る。
少し触れた指に先輩が反応して
視線を手に移そうと下げた所に私の谷間が・・・・・
見た!!!!
今絶対見た!!
突然先輩の体が離れる。
小首をかしげ先輩を見れば顔が真っ赤だ。
うわっ!先輩が赤い顔してるところなんてはじめて見た!
眼鏡を指で直しながら平常心を取り戻そうとしているようだけど
動きがおかしい。
こんな大胆な事しちゃって私だって恥ずかしい。
でもそこで一緒に照れてるわけにはいかない!
この動揺している間に次の作戦へ移らなきゃいけない!
すべてがタイミングと私自身に懸かってるって不二先輩が言っていたし!
不二先輩アドバイス⑤
「相手が照れたら両手を着いて上目遣いに見上げる!」
えーっと・・・両手をついて・・・。
近いっ!!
顔を上げてみたら思った以上に顔が近い!!
いいのかな?これでいいのかな・・?
上目遣いもよくわからないけど・・・
先輩はなぜかキョロキョロしながら目を逸らした。
「・・・・・こういう時は・・・どうすれば・・・」
なにかブツブツ言っているけど聞こえない・・・・。
でも間違いなく慌てふためいている。
作戦は順調って事だ!
そして・・・。
後は最後のアドバイス・・・。
不二先輩アドバイス⑥
「目を見つめたまま、薄く口を開き普段とは違う呼び方で名前を呼ぶ。」
今日1番の難関だ!
なぜか手塚先輩が練習台に選ばれ、不二先輩指導の下
何度も何度も練習させられた。
これで失敗したら元も子もないんだって!!
でも・・・視線が合わない!!
違うとこ見てるよ!?
こういう時は・・・?
えっと・・・確か頬に手を添えるんだっけ!?
・・・・無理~!!!
もうこれが限度!!
どうしよ!?でもここでやめちゃったら今までの事が
全部水の泡!!
覚悟を決めろ!!真鈴!!
そっと手を伸ばし乾先輩の頬に手を添えて・・・。
先輩がゆっくり私のほうを見た。
しばらく視線が絡む・・・。
今だ!!
「・・・・さだはる・・・・」
言った!!言ったよ!?
ちょっと声掠れちゃったけど言い切ったよ!?
あとは・・・・このまま待ってたらいいって不二先輩は言ってたけど・・・
ガッシ。
バタン。
えっ!?
ちょっと待って!!なんで!?
気がつけば私の目の前には真剣な顔の乾先輩。
そしてその後ろには・・・天井!?
なぜか私は押し倒されている!?
「それはおそらく・・・いや、100%の確立で不二の入れ知恵だね?」
「い・・・ぬい・・せん・・・・ぱい?」
「まさかそんな手でくるとは・・・データー不足だよ・・・。」
「あ・・・あの・・・。」
「だけどせっかくのチャンスだからね。しっかりデーターを採らせてもらうよ。」
「へっ?・・・ぁっ・・・んっ・・・.////」
「そんな声も出るとは・・。まだまだ知らないことが多そうだ・・・。」
「あ・・・・せんぱ・・・んんっ・・・・」
「さっきのように、名前では呼んでくれないのかい?」
「え?////・・・・さだ・・・はる!?・・ぅんっ・・・」
「俺自身のデーターも書き直さなければいけなさそうだ・・・。」
そっと眼鏡をはずし、私を見つめる瞳はとても優しい。
予定とは大幅に違う、この先に起こるであろう事が
なんとなく予想されて心臓が破裂しそうだけれど
先輩となら・・・・・。
「乾先輩・・・大好きです。」
「真鈴・・・俺も・・愛してるよ・・・。」
先輩の熱と愛を全身に感じながら
「もしかして不二先輩はこうなる事をわかっての
アドバイスだったんじゃないのかな?」
なんて頭の片隅に思い浮かんだ。
あの日、手塚先輩にした質問・・・。
「どうやったらKISSしてくれると思いますか?」
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あはははははは・・・(壊)
乾ってこんなんですか!?(誰に聞いてる!?)
口調が今ひとつわからん・・・。
そしてまたまた登場不二 周助!!
pinoさんリクは、先輩後輩設定。
幼馴染で彼女。
傾向はとにかくエロ目で!!
って事だったんですが!
まず、幼馴染で「乾先輩」って呼び名はおかしいですよね?
色々と「貞君」とか「さーちゃん」とか考えたんですがね・・・。ww
なんとしても「貞治」って呼ぶ事で発情してもらわんと話進まんので
今回は幼馴染設定はナシで、普通の彼女になってもらいました。
そして、エロ目で!と、言う事だったんですが
pinoさんはまだ18歳未満ですよね?
なので、これ以上はちょっとお受けできないんですよ・・・。
ごめんなさい・・・。
これまたコメディーチックな仕上がりになっちゃいましたが
一応甘く・・・なってのるかな?
遅くなりましたが、リクありがとうございました!!
こんなんでもよければ懲りずにお越しください!ww