今回は第55回金鯱賞の馬体診断を行います。


リスグラシュー
四肢や首差しが長めでバランスの良い馬体です。
また古馬になって横にも伸びて以前ほど胴詰まり感はなくなりました。
脚元は繋ぎの角度が良く蹄は立ち気味で道悪も苦にしなさそうです。
なお左後脚のエクイロックスは以前からのもので問題ありません。

以前から記してきた通りこの馬は冬毛が伸びようが太めに映ろうがアバラを見せようが大崩れしません。
今回は薄いトモが比較的張っており、また前肢は以前緩かった前腕までピンと張っています。
毛ヅヤも良く、香港遠征から久々でも現状の力を出せる仕上がりに映ります。


ダノンプレミアム
立派な腹袋やボリューム満点のトモなど全体的に肉付きが良く馬格よりも大きく見せます。
ただ詰まった胴は昨春から成長した感はなく、正方形でスプリンターのような体型になりました。
脚元は繋ぎが長く蹄は寝ており、右脚は前後ともに白蹄で脆く見えます。
実際に皐月賞目前で右前脚に追突傷を起こして皐月賞をパスしダービーぶっつけ。
昨秋も傷の回復が思わしくなく一度も使えませんでした。
できればパンパンの良馬場で見たい一頭です。

昨春、特にきっちり仕上げてきたダービー時と比べ明らかに緩く映ります。
出るところは出てくびれるところはくびれていたメリハリが失われています。
また時期的なものがあるとはいえ冬毛が伸びて毛ヅヤもそれほど良くありません。
この緩い馬体を最終追いで無理に仕上げる必要はなく、ここを叩いてからという陣営の思惑が見えます。
仮に当日馬場が渋るようならこういう馬こそスクラッチを認めてあげたいと思うほどです。


エアウィンザー
長めの四肢に豊富な筋肉量、特にはちきれそうなほどパンパンなトモが印象的です。
胴は短めながら背より腹下のほうが長い長駆短背で、今回最も見栄えがする馬体です。
脚元は繋ぎが短めながら角度は良く、曲飛気味の飛節は位置がよく効率的な脚を使えそうです。

3歳時から肉付きの良さは際立っていたものの、本格化したことでトモの厚みや張りは抜群です。
また前肢も肩周りから前腕までしっかり張っています。
毛ヅヤも良くトモから下腿にかけて血管が浮いており、まさに充実期を迎えたデキと体調です。


アルアイン
早い時期から完成度が高く、首差しや前肢など太くて重心が低くパワフルです。
脚元は繋ぎが長く、蹄は厚く脆い白蹄ながらも問題なさそうです。
ただ曲がりが強く毎回窮屈そうな前肢にはバンテージが巻かれています。

今回は久々で腹回りには余裕を感じます。
また昨秋は張っていたトモが多少薄く、前肢も緩んで映ります。
とはいえオールカマー時よりは背に張りがあり、状態は当時よりはやや上と見ます。


ペルシアンナイト
胴詰まりで大きなトモや発達した前肢に太い首差しなど見事なマイラー体型です。
ただ四肢は長めで比較的バランス良く映ります。
脚元は繋ぎの角度が良く、蹄は左後脚など接着装蹄使用。
一方でしばらく使用していた両前脚のバンテージが取れて腱も浮いており、状態は良さそうです。

前走はトモの厚みや張りに毛ヅヤも申し分なく、最もよく見えると評価しました。
今回はさすがに前走ほどのデキにはなく、特にトモは緩く薄く見えます。
ただ毛ヅヤはこの時期にしては良く、輪郭はシャープで久々も太め感はありません。
背腰に張りがあり、下腿には血管が浮いて体調も良さそうです。