大斎院前(サキノ)御集全釈。 | 迷路にて

大斎院前(サキノ)御集全釈。

 御無沙汰中の古本蒐集をもうひとつ。 『大斎院の御集』の全釈・注釈を3冊買った。

 

『大斎院御集全注釈』(石井文夫・杉谷寿郎 新典社・和歌文学注釈叢書 2) 新本。

『大斎院前御集注釈』(石井文夫・杉谷寿郎 日本古典文学会/貴重本刊行会・私家集注釈叢刊 12) 古書。

『大斎院前御集全釈』(天野紀代子・園・山﨑 風間書房・私家集全釈叢書 37) 新本。

 

 この辺りになると需要が少ないので出版元に在庫が有ったり、古書でも新刊並の美本だったりする。 

 

 伊勢神宮に奉仕するのが斎宮(サイクウ)、賀茂神社に奉仕するのが斎院(サイイン)。 「斎院は斎宮と違って洛外といってもごく手近な場所にあり、宮中の賑わいから離れた閑静で風流な別天地として歌人らの来訪も多く、後宮とはまた別趣の文化的サロンをなしていました」(岩佐美代子 『内親王ものがたり』)。

 

 「大斎院選子内親王は十二歳で賀茂斎院に卜定(ボクジョウ)され、円融天皇から花山、一条、三条、後一条と、五代五十七年間その職を全うし、六十八歳で退下、四年後、七十二歳で没した。 

 

 選子内親王の生きた時代は、まさに平安朝最盛期でした。 関白道隆、皇后定子、清少納言。 太政大臣道長、中宮彰子、紫式部。 和泉式部、赤染衛門、藤原公任、藤原行成、藤原実資。 眼くるめくばかりの宮廷文化に対抗して、洛外紫野の一角に斎院文化サロンを形成した選子内親王の風雅は ・・・・」(『内親王ものがたり』)。

 

 結局「源氏」絡み、「平安王朝」絡みの買物でした。