こんにちは。

さて、今シーズンの筆者の最大の目標であったバックカントリーデビューをついに果たしました。。。!

筆者がスノーボードを始め、自分の板を買って本格的に取り組み始めた頃から、なんとなく「バックカントリーこそがスノーボードの最終形」みたいなイメージがあり、当初からニセコ等々で滑っていたという背景もあってか、「いつかは自分も」と長年憧れていました。


これまで、滑りの基礎としてカービング、バックカントリーに出る前の経験値としてツリーランやサイドカントリーに取り組んできましたが、最終的にはすべて、いつかバックカントリーをやるため、と位置づけていました。そしてついに、この日がやってきたのです。。。! 







山から帰還して、まず思ったこと。「バックカントリーはすごい。」

いろんな意味で、これまでのゲレンデスキーとは全く別の世界が広がっていました。もちろんパウダー滑走もゲレンデとは大違い。
これまで、如何に限られた世界で、安全に、かつ楽に滑っていたか、と実感させられた1日となりました。
ということで、今回は主に感想を中心とした記録を綴っていきます。道具や手続き等々のハード面はまた別途記事にしたいと思っています。


■前日まで

筆者はバックカントリー未経験でしたし、装備も揃えておりませんので、ガイドツアーへ申し込みました。ご依頼したガイドさんは、前日の天気等を勘案して、コンディションの良いところへ向かう、というスタイルの方でした。逆に言うと、最初から場所が決まっているよりも、天候によって臨機応変に変えられる方が安心なので、その方にお願いしました。


前日、電話で行き先について打ち合わせ。2月下旬でしたので、予約時の想定としては天候も安定している頃だろうと思っていたのに、まさかの大寒波と当たってしまいました。実際、開催不可の判断も有り得るのかな、とも思いながら、打ち合わせの時間を待っていたほどです。

今回が初であること、また、スノーシュー利用であることの2点から、当初予定していたエリアでは無い場所ですが、晴天のチャンスがある山を選定。この時点で、スノーシュー利用である、という点が何故この結論につながるのかは自分で理解しておりませんでしたが、これは実際にやってみて初めて、この判断が間違っていなかったことを思い知らされることになります。笑



■当日の朝

バックカントリーには全く関係の無い内容で、完全に余談ですが、車で集合場所に向かう道中、ナビを設定したところ、「到着予定時刻」として集合時間より30分遅れた時間が出てきました。運転しながら到着時刻が修正されるのは頭で理解しているものの、初めて向かうスキー場だったこともあり、慌てました。結局、余裕を持って出発していたので、集合時間より30分前に到着。間に合ったので結果オーライではありますが、到着予定時刻の誤差が60分ってどうなの❔って思ってしまいました。笑


無事到着後、滑る準備をして、ガイドさんと合流。装備一式レンタル品を受け取り、ビーコンを装着。指定のリフト回数券を購入して、いざリフトへ乗ります。


■いよいよバックカントリー開始!

まずは山への入口までリフトに乗って移動します。途中、リフト乗り継ぎでコースを滑る場面がありましたが、いつもの癖で、座ってビンディングを締めたところ、なんと背負っているザックが重くて立ち上がれない。こういう細かいところでも「いつもと違う」んだな、と思い知らされました。


到着したところでモードチェンジ。ビーコンチェックを行い、スノーシューを履いて、スノーボードの板をザックに取り付けます。ボードを括りつけたザックを背負うと背中にずっしりと重量がのしかかってきました。


そして歩き始めます。

最初はまだスキー場内で、整地かつ圧雪された場所を歩きますので、身体的な負担はあまりありませんでした。ただ、スキー場を出て、圧雪されていないところになると、スノーシューを履いていても一定程度沈みます。


背負っているザックの重さもあり、だんだん登攀が辛くなる。スノーシューでの歩行自体も慣れておらず、右足で左足を踏んで転倒もしました。


そしてふと顔を上げると、筆者だけが、他のメンバーからどんどん遅れていく結果に。
というのも、今回のメンバーはガイドさん含め4人のうち、筆者以外は全員スキー装着。ほか3名と筆者との間がどんどん開いていくことが、最初はメンタル的に応えたのですが、ガイドさんから、スノーシューに比べ、スキーは歩行時の沈み込みが少ないことと、また、板を背負っておらず重量的にも差があるので、といったフォローをいただき、途中からは自分のペースで歩くことに徹しました。逆に言うと、無理にペースを上げると、最後まで持たないな、と。 


それにしても、重いし、歩きずらいし、、、、周りから1人遅れて歩いていると「一体自分は何をしているのだろう」「もしかすると、とんでもないことに手を出してしまったのでは」といった邪念が湧いてきます。「はやく歩きが終わってほしい。。。。」




そして、それでもなんとか歩き続けると、だんだん無心で一歩一歩踏みしめるようになります。脳が余計な糖質を使わないようにしているのかな、と自分では理解していますが、夏の登山でも、ランニングでも、この「邪念すら湧いてこない境地」に入ってからが本番、と思っています。(結構苦しいのが好きなタイプ。)


途中で何度か休憩を挟み、ついに滑る場所へ到着しました。
簡単に斜面の説明を受け、順番に滑り出します。正直、見た目パウダーめっちゃ深そうだし、装備も重くて、ちゃんと滑れるかなと急に不安になりました。こんな深いパウダーで転けたら終わりだな、と。


でも順番が来てしまい、意を決してドロップイン。 


実を言うと、無我夢中だったのか、滑走中の記憶がほとんどありません。
覚えているのは、ヒールサイドでスプレーが ぶぉああああーーーーと上がって視界が真っ白になったこと、板の下で雪が踊るような、ものすごい抵抗を感じたこと。


実際、真っ白なキャンバスを滑っているようで、目印になるものも無く (これは自分に余裕がなかったからだと思いますが)、自分がどこを滑っているか全く分からなかった、というのが正直な感想でした。スケールが桁違いに広い。滑った感覚、雪の深さも、今まで経験してきたものと全然違う。


ゲレンデスキーには、当然その良さがあります。きちんと管理され、リフトがあり、整備されたスキー場。安全だし、楽に、効率的に滑れる。でも一方で、すごく限られた世界でもあるんだな、と。山はもっともっと広かった。。。





滑ったあとは再びスノーシューに履き替えてハイクアップ。

筆者はここのハイク時に、ツリーホールにはまったのか、突如足をとられ、大転倒。起き上がれなくてガイドさんに助けてもらいました。さらにその後も、稜線にでると風が強くなってきて、背負っている板が煽られてまともに歩けない。これもまたガイドさんに助けてもらいながら、なんとか登ります。自分の力量不足を痛感しました。


登ったところでスノーボードへ履き替えます。

さすがに2本目はもう少し余裕を持って滑ることができました。それにしても、ハイクが辛いのもあってか、1本1本の満足感がものすごく大きい。ガイドさん達の元に滑り降りると、「おっしゃーーー!やってやったぜ!!!」みたいな気持ちになります。


ここから帰路へ。

最初に入ってきたスキー場との境界を目指します。平坦なところは歩きますが、途中から、スノーボードとストックで滑りました。さすがにストックを使って滑るのも慣れておらず、あと装備があって自由が効かないというか、滑り出しは苦労しました。

スキー場であればビンディング装着後、ちょっと跳ねたりしてコースに出ると思いますが、それが簡単にはできない、って感じです。いま思えば滑り出しや、ボードでのちょっとした移動の際は、毎回尻もち着いていました。。。。。


けれど、一旦滑り出すと、既にラッセルされた道なので、ある程度圧雪状態。木を避ける必要こそありませんが、雰囲気的にはツリーランエリアを滑っているような感じで、「これなら自分も行けるぞ」とメンタル的に自分を励ましたり。笑

そんなこんなで、スキー場まで到着。あとは場内をセンターハウスまで滑って終わりです。もうこの時点では足がプルプルでまともに滑れなかった。時間的にも14時過ぎていたので、バーンもアイスボールごろごろ状態で、とにかく板が抜けないように、ゆっくり滑ることにしました。




無事に帰還。

本当に、ガイドさんやほかのメンバーさんに助けられながらのバックカントリーデビューでした。ついに、私もバックカントリーに出たんだ。。。。!やっぱり、長年憧れていたものの、遠い世界のように見えていたので、この嬉しさは大きかったです。

いろんな意味でのスケールの大きさに圧倒された1日で、その晩、身体は疲れているのに、なかなか寝つけませんでした。アドレナリンが収まらないのかな。笑


帰ってきたばかりですが、また行きたい。春シーズンに、もう一度行きたいなと思っています。

まだまだ、単独で入ることはできませんので、今後もガイドさんにお願いしながらにはなりますが、もっと経験を積んでいきたい。これからこのフィールドで頑張りたいな、と思っています。