(1)釧路→根室(根室本線  花咲線)
とにかく、東横イン釧路の味噌汁がおいしかった。笑  これだけはどうしても記録に残しておきたかったので、最初に書いておく。笑

さて、そんな東横インも早々にチェックアウトし、駅に向かい、根室行きワンマンに乗る。(駅までの送迎バスに間に合わなかった。笑)汽車には30分前に乗り込んだのに、右側の窓がある席はラスト1だった。

発車し、釧路川を渡る。昨日の夜景はきれいだったな。別保を出るとトンネルをくぐり、山を登っていく。いろいろな乗車記を読むと、たいてい、このトンネルをくぐると別世界、といった趣旨のことが書いてある。たしかにそうかも。外を見ると白い蝶々が飛んでいる。モンシロチョウ?。。そういえば、外の気温は肌寒く、ちょうど春ぐらいなのかもしれない。尾幌で、山登りは一区切り。駅舎がかわいい。牧場があり、町並みが出てくる。門静を発車すれば、目の前に厚岸湖と太平洋。駅舎に書いてある「もんしず」の文字がかわいい。笑  太平洋、、思い出してみれば、このモヤがかかっている感じもあの色も、北斗星から見える函館の海と似ているかも。少し走るとだんだん水草が生えてきて、水の色と黄緑のコントラスト。泥炭海跡湖という種類の湖らしい。もともとは海だった場所?だとか。たしかにすぐそこが太平洋だからね。。しかし、昨日も往復したというのに、やはり心を奪われる美しさ。カムイとは神という意味だそうだが、本当に神秘的だ。田中優子氏のカムイ伝、帰ったら買って読もうかな。
茶内で列車待ち合わせのため、5分停車。駅にはルパンが書かれている。沿線の浜中町が作者のふるさとらしい。たしかにそのような話をどこかで聞いたことがある気もする。姉別からは牧場が点在する。牛がのんびり草を食べている。かわいい。。笑  汽笛を鳴らし、減速する。鹿だ。以降、汽笛を鳴らすたびに数人が立ち上がるのは昨日と同じだ。みんな同じ事考えるものなのだなあ。。笑
落石(おちいし)からの海は、やはり霧に包まれて白かった。何度見ても自分のいるところが浮いているような錯覚に陥ってしまう、幻想的な風景。今日は薄日が差して、海が昨日より青く見える。良い写真が撮れたと思う。東根室駅を見送り、いよいよ根室駅へ向かうカーブに差し掛かった。


(2)根室駅→納沙布岬(バス:根室交通)

根室駅はまさに最果ての駅だった。あまり時間が無いので、すぐにバスターミナルへ。フリー切符より往復切符が安いとのことで、そちらを購入。車内はあまり混んでいなかった。地元客もいる。根室では、あちこちに北方領土問題についての標語がある。役所や道路、公園でさえ。そうか、、すぐそこが北方領土なんだもんな。それらを横目に、ほどなくして海沿いの道へ。人々が昆布を干している。この辺の名産らしい。(駅前にカニ屋が軒を連ねていたから、カニが名産なのかと思っていた。)そういえば「昆布盛」も関係あるのかなあ、なんて。納沙布岬でも昆布がお土産として売られている。岬にはあまり人がいないが、たくさんの記念碑がたっており、そのすべてが北方領土のことであった。なんとなく、故人の思いに触れた気がして、畏れ多い。岬は曇っていて少し霧がかかっていたが、肉眼でも歯舞諸島を見ることができた。こんなに近いんだ…。
宗谷岬は本土最北の地として有名だが、最東端の納沙布岬は、それとはずいぶん雰囲気が違ったのが少し意外だった。お土産にはやはり昆布を買い、帰りのバスに乗り込む。


(3)根室→釧路(根室本線  花咲線)

根室からの帰りは、左側に座ってみた。この車窓も連続4度目だが、やはり飽きない。東根室から落石までの、まるでメロンパンのような丘陵地帯や、牧場にいる牛、そして自然公園の湿原。よく見ていれば鹿もあちこちにいる。これらは皆ここにしかない風景だと思う。

再び釧路に到着。乗り換えには時間があったので、幣舞橋を見に行った。昼間の釧路は夜と雰囲気が違う。街頭放送が流れ、様々な広告や当番医について案内がなされている。幣舞橋で写真を撮り、一路引き返す。荷物が重くて正直きつかったが、行ってよかった。釧路駅に戻って、パン屋があったのでカレーパンを食べる。これがまたおいしい。笑  昔食べた、星の王子さまカレーに似た味がする。また釧路に行ったら食べたい。


(4)釧路→帯広(根室本線)

釧路から帯広に向かう汽車はガラガラだった。でも何故か二両編成。先の花咲線の方が混んでいたので、逆にしてくれればいいのに。笑 出発すると、まず高架になることに驚く。いつの間にか地上に降りる。新大楽毛(しんおたのしけ)辺りまでは工場地帯が続く。新富士も、かつての富士製紙が由来だとか。大楽毛から先は海。といっても森や長万部のように間近に見えるのではなく、少し離れたところを走る。西庶路から白糠まではよく見えるが、その先は森の中に入っていく。行き合い列車待ち合わせのため、駅に着いては数分停車を繰り返す。特急が多い分すれ違いも多いのだろうか。古瀬を発車すると一瞬山が深くなるが、すぐに抜けて草原が広がる。と思いきや所々に水路があり、これが海跡湖なのではないか、と気づく。そしてすぐに海が眼前に現れる。おおーやっと見えた!(え、JTB地図、海が見えないところに海マーク付けて、見えるところに付けないってどうゆこと。)でも、夕暮れ時でほんのり夕陽に染まった空と海はきれいで、見えてよかったと思った。いやあこれが見たかった。そこから、低木とのコントラストだったり、少し離れたと思ったら間近に出てきたり。厚内駅舎はまさに海辺に立つ駅という感じだった。厚内を出るとだんだん山に入っていく。外はもう暗い。線路沿いに道路が走っているが、街頭はひとつも付いていていない。。。夜は絶対走りたくないなあ。。。しばらく走って、浦幌へ到着。駅前ではお祭りをやっている。太鼓のおはやしと、音頭が聞こえる。夏だなあ。それから、池田手前でドンドンと音がするので何かと外を見たら打ち上げ花火をやっていた。おおお。こんなところで花火が見られるとは!これもまた、旅のおもしろみだと思う。

帯広駅について、まずは豚丼を買う。しかし、駅が大きくて驚く。なんというか、、北見、網走、釧路、根室に共通してあった「道東の感じ」が帯広にはあまりないような。。今までいた町とは違った雰囲気だ。そういえば、今思うと旭川→北見も、釧路→帯広も移動は夜だったから、道央からだんだん道東に移り変わる車窓を見られなかったな。(一応、帯広も道東に分類されているんだけどね)

駅を出ると、お祭りをやっていた。おおこれは!見に行かなきゃ!宿へ荷物を置き、豚丼を持って外に出た。大通りで盆踊りをやっている。間近で見ることができ、その迫力に圧倒された。すごいすごい。私は旅先でこういう「その街」を感じる出来事に巡り会うことがとても好きだ。たとえば汽車の中で地元の人が話す方言を聞いたりとか、通学の高校生がおしゃべりしていたりとか。。だから、今回のお祭りに出会えたことは嬉しかった。
ま、実はお祭りを見ながら豚丼を食べようと思ったら、タレをかけた瞬間にお祭りが終わっちゃったんだけど。笑
んで仕方なく宿に戻って食べました。そしたら、なんだかめちゃくちゃうまい。。。本場のものは本州にあるものとは全然違うと聞いてはいたものの、本当に驚いた。炭で焼いた感じが全面に出ていて、それが豚の旨みを引き出してるというか。(食に疎いので感想がうまく言葉にできない。。。)
いやあ帯広来れてよかったな!