今日はいぬの日。を読んで

読んだ📖をちょこちょこ忘れないようにメモしとこう~
と思い、読書の備忘録をちょこっと。
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最近読んだ「今日はいぬの日」(倉狩聡、角川書店、2015年)。

キャッチコビーの
「犬をペットと呼ぶ人間にはホラーであり、
 家族と呼ぶ人間にとってはとても悲しく切ない物語」
「泣けるホラー」
まさにその通りでした。

家に家族と思っているわんこがいるけど、
時々小さい妹のように見えることがある。

ただ小説の中で
やはり「人」と「犬」は種が異なるということを
まざまざと突きつけられた瞬間が多々ありました。

犬の動物としての強さ、
例えば犬3匹いれば牛には勝てるという言葉から、
人と犬が闘う場面は心臓が脈打つくらい・・・
そこには分かり合えない何かがあり、それが怖かった。

ただ、その分かり得なさを置いたままで
さらに高い部分で先祖代々から
「人」と「犬」は繫がっているとも実感した。
種が異なるのに、こんなに違うのに、
ここまで生活の傍にいる動物は他にはいない気がします。

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この物語では主人公ともいえる「ヒメ」というスピッツ犬が
ある石を舐めて言葉を話せるようになったことで
思いもよらない方向に動き出します。

言葉を話せる者の持つ脅威って何なんだろう。
何に優っていて何を失っているのか・・・今後も考えていくテーマになりそう。

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ある登場人物が
自分の人生の片割れとも言える
大切な犬の傍にいる時にことについてこう言います。

「ふいに涙ぐみそうになる。幸せすぎて泣きたくなるのだ。」

この言葉に一番共感したかも。

自分より可能性として先に亡くなってしまうこと、
それを抜きにしても、

やはり
なぜか出会い、
いつも傍にいてくれて、
見つめ合い、触れ合う瞬間。
彼女(我が家族としてのわんこ)の世界に私が登場して
私の世界に彼女(我が家族としてのわんこ)がいること。

時々わっと、幸せが溢れてきて
泣きたくなる。
感謝する、
でも感謝しても足りない気持ちのもどかしさで何だか照れる。
この気持ちって何なんでしょうね~*。

家族にわんこがいる人は
何だか改めてぎゅっと抱きしめてそのまま眠りたくなる、
そんな一冊でした。